エイベックスの女性アイドルプロジェクト「iDOL Street」所属のアイドルグループ「GEM」が今春に解散することを発表。エイベックスのアイドル部門の店じまいが近づいているのではないかと業界内ではささやかれている。



 昨年、メンバーの村上来渚と伊山摩穂が仕事を休んで、男性と焼肉を食べていたのではないかとネット上でウワサに。その後、GEMとしてのイベント出演が中止になり、さらに村上と伊山の2人は「専属契約違反となる行為」を理由に無期限活動休止となっていた。

「メンバーの不祥事が発覚したとしても、そのメンバーをクビにして終わるのが普通。2人同時の不祥事は確かに痛いですが、それで解散してしまうというのは、運営が解散のタイミングをうかがっていたとしか考えられません」(音楽業界関係者)

 iDOL Streetには、GEMのほかにSUPER☆GiRLS、Cheeky Parade、わーすたの3グループが所属。GEMの解散を機に、その3グループについてメンバー交代を含めた再編成を検討しているとの報道もあった。

「現実問題として、iDOL Streetはビジネスとしては成り立っていません。
SUPER☆GiRLSも、メンバーの浅川梨奈渡邉幸愛はグラビアなどで活躍していますがグループとしての活動は停滞気味。Cheeky Paradeも最大9人いたメンバーのうち2人が辞めて、2人が留学中で、今は5人でほそぼそ活動中という状態。わーすたは、まだ若いグループなので勢いはありますが、iDOL Streetを支えるほどではない。このまま先細りになるくらいなら、リストラを含むグループの再編成をして、最後の勝負に出るということも十分にありうるでしょう」(同)

 とどのつまり、アイドルの売り出しに失敗してしまったエイベックス。その背景には、無謀な“アーティスト路線”もあるという。レコード会社関係者が語る。


「エイベックスのアイドルグループは、何かと“パフォーマンス重視”だということをアピールし、さらには“海外に進出したい”と言い出すことが多い。ただ、パフォーマンスのレベルが本当に高いかと言われれば、決してそうでもなく、世界的に人気があるかといわれれば、まったくそうではない。つまり、大きな風呂敷を広げている割に、まったく内容が伴っていないんです。ファンはもちろん応援してくれますが、あまりに無謀な夢ばかり語られていたら、さすがに“何を言ってんだよ”と萎えてしまう。エイベックスの運営サイドは、ファンの需要をまったく把握できてないんでしょうね」

 そもそもエイベックス社内には“アイドルを下に見る”という文化が伝統的にあるといわれている。

「“アイドル=ダサい”、“アーティスト=カッコイイ”という、90年代的な価値観がいまだにエイベックスには残っているというイメージですね。
Cheeky ParadeやGEMなんかは、まさにアイドルからアーティストへのシフトを図っていたし、iDOL Street所属ではありませんが、同じくエイベックスの東京女子流は一時期“アーティスト宣言”なるものをして、アイドルイベントへの出演をやめていたくらい。アイドルファンを相手に商売をしているのに、アイドルを否定するような戦略を取るのだから、それは成功できませんよ」(前出・レコード会社関係者)

 GEMの解散後、iDOL Streetがどう変わっていくのか。夢を持って活動しているメンバーたちのためにも、店じまいとならないことを祈りたい。