大学受験シーズン真っ最中の現在、受験生を大いにざわつかせているのが、出題ミスによる追加合格のニュース。出題ミスによって、本来であれば合格していたはずの受験生が不合格になっていたとして、大阪大学と京都大学が相次いで追加合格者を出したが、その背景には、より根深い問題が存在する。
追加合格騒動の発端は、大阪大学が今年1月、昨年の入試の物理おける出題と採点に誤りがあり、新たに追加合格者を出したことだ。この件については、外部から複数回指摘があったものの、大阪大学はこれを放置。組織的な対応が遅れたことに批判の声が寄せられた。
その日のために勉強してきた学生が設問ミスに泣くことは、当然避けられねばならない。しかし、超難関国立大学の准教授は、決して判明し得ない採点ミスの可能性を指摘する。
「入試問題の採点は、外部に委託することはなく、すべて内部の人間でやります。
採点者にとっては、将来自分が教えるかもしれない学生を選ぶ場。少しでも優秀な学生を獲得するために、間違いが起こらないように努めるのが責務だが、実際にはその雰囲気には程遠いという。
「大学の教授や准教授と言うと『スゴい人』と思われがちですが、実際はただのサラリーマンです。研究に没頭できるのは本当に優秀なほんの一握りの教授で、その他の大半は、雑務に追われて研究が思うようにできない人間ばかり。
10代の少年少女にとって受験とは、不条理の存在を知る機会ということになりそうだ。