大阪府警富田林署から逃走していた樋田淳也容疑者が9月29日、48日間に及ぶ逃走劇の末に逮捕された。逃走期間の長さもさることながら、自転車で日本一周する旅行者に化けるという奇想天外な方法で警察の目を逃れ、テレビでも連日のように大きく取り扱われている樋田容疑者。

日本全国をにぎわせた逃走犯は、果たしてどのくらいの期間、刑務所に入ることになるのか。法律関係者が語る。

「報道によれば、樋田容疑者は盗んだバイクを持っていた盗品等保管容疑、かばんのひったくり、女性宅への侵入および強制性交、強盗致傷、放火などの容疑がかけられています。逮捕時に乗っていた自転車や持っていた品々もすべて盗んだ品でしょうから、こちらもきっちり警察に話を聞かれることになるでしょう。強制性交とは、昨年の刑法改正で強姦罪から名称が変わったものです。盗んだバイクを持っていた『盗品等保管罪』だけでも10年以下の懲役及び50万円以下の罰金ですし、強制性交は5年以上の有期懲役と、極めて重い罪です。
強盗致傷は最高で無期懲役もありえます。ここに、警察署から逃走したことで『加重逃走』も加わります。こちらは3カ月以上5年以下の懲役です。近年、性犯罪については厳罰化が進んでおり、強制性交で起訴されれば5年以上はほぼ確定。短期間にあまりにも多くの犯罪を繰り返しているうえ、一部の新聞によれば、過去に2度にわたって服役経験もあるようです。犯罪傾向が著しく進んでいることは顕著で、裁判官の心証は最悪でしょう。
報じられたすべての罪で起訴されれば20年以上の刑に服することになるでしょう」

 逮捕直前の樋田容疑者の行動を追うと、ほぼ数日ごとに犯罪を繰り返しており、更正までに長い時間を必要としそうなことは明白だ。しかもベテランの事件記者は「まだまだ余罪があるはず」と指摘する。

「あくまでも一般論ですが、ひったくりや強制性交に関しては、1度限りということは極めて珍しい。同じ人物が何度も犯行を繰り返すのがひったくりやレイプの特徴です。樋田容疑者に関しても、余罪がぼろぼろと出てくるようことは十分にありえます。また今回の件は、裁判員裁判になる可能性があります。
本来であれば、裁判官と一般人が出す量刑は同じでなくてはいけませんが、とりわけ性犯罪に関して一般人は厳罰で臨む傾向が強く、有期刑の上限(30年)に近い判決が下されることも考えられるでしょう」(同)

 いずれにせよ樋田容疑者が次に“シャバの空気”を吸うのは、相当先になるのは確かなよう。くれぐれも二度と逃げ出すことのないよう、しっかりと見張ってもらいたいものだ。