田中圭

 11月2日にスタートする『おっさんずラブ -in the sky-』(テレビ朝日系)。主人公の春田創一(田中圭)と“ヒロイン”の黒澤武蔵(吉田鋼太郎)という主要キャストと役は前作と同じだが、そのほかの設定が異なる“パラレルワールド”になっているということで、ファンから大ブーイングを受けている。

「どういった事情があったにせよ、前作のファンにしてみれば、何もかもをひっくり返されたような気持ちでしょう。何の説明もなく、いきなり“パラレルワールドになった”といわれても納得できませんよね」(ドラマ関係者)

 バッシングの火種となっているのはパラレルワールド化したことだけではない。登場人物の名前についても不適切なのではないかという指摘がある。

「物語の舞台となる航空会社の女性広報の名前が橘緋夏(たちばな ひな)で、女性CAの名前が根古遥(ねこ はるか)というんですよ。ゲイ用語であるところの“タチ”と“ネコ”をもじっているのではないかと言われています」(おっさんずラブのファン)

「タチ」とは同性同士の性行為において“リードする側”、「ネコ」は“受け身側”を表す同性愛者用語である。

「“タチ”や“ネコ”という言葉が認知度を高めつつあるとはいえ、当事者以外の間ではどうしても揶揄的に扱われることが多いのも事実。

LGBTを尊重するのであれば、不用意に使うべきではない言葉のはずです。しかし、『-in the sky-』では、これらの言葉をわざわざ役名に忍ばせていて、なんとなく面白半分な印象を受ける。差別的な意識はないとしても、LGBTを“イジっている”ようにも思えるわけで、その点において不適切だといわれるのは当然だと思います」(メディア関係者)

 いきなりの設定変更でファンを裏切っただけでなく、LGBTに対しても配慮に欠けているといわざるを得ない『おっさんずラブ -in the sky-』。

「男性同士の恋愛模様を正面から描き、性的多様性をしっかりと認める方向性の作品かと思いきや、実はそうではなかったのではないかという疑惑すら浮上しますよね。あまりにもLGBTに対する認識が浅いし、ただ単に“BLは女性ファンに受けるらしい”くらいの浅薄な判断で制作されたドラマであるかのようにも思える。強固なイデオロギーが必要とまではいわないにしても、マジョリティーがマイノリティーをイジっているかのような表現は避けるべきだったと思います」(同)

 放送前に、いろいろと騒動ばかりが勃発してしまっている『おっさんずラブ -in the sky-』。

前作同様、多くの人に愛される作品になるのは難しそう?