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 新型コロナウイルスの感染拡大は、まだまだ終息したとはいい難い状況ではあるが、エンタメ界は徐々に動き始めている。アイドルグループ・SKE48は、感染拡大予防のために延期となっていた握手会の代替イベントとして「現地でオンライントーク会」を開催することを発表した。

 元々は、26枚目のシングル「ソーユートコあるよね?」(劇場盤)の購入者を対象として、2月から5月にかけて個別握手会が開催される予定だったSKE48。しかし、そのすべてが延期となり、その代替イベントとして7月11・12日に、試験的に開催されることとなったのが「現地でオンライントーク会」だ。メンバーから約6m離れた場所にファンが立ち、そこでタブレットを使ってメンバーとコミュニケーションを楽しむという内容。メンバーとファンとの直接的な“接触”はないが、それなりに近い距離で会うことができるイベントである。

地下アイドルは別ですが、メジャーで活動しているアイドルについては、コロナの影響で握手会の開催は無理です。物理的な接触があるイベントに関しては、今後一切開催できないという形になりそうな状況です。

そういったなかで、たとえば“オンライン握手会”のような形で、会議アプリなどを通じた特典会は行われていましたが、やはり“実際に会う”ということを重要視するファンも多く、今回のSKE48のイベント開催は大きな一歩と言えると思います」(アイドルメディア関係者)

 ハロー!プロジェクトJuice=Juiceも7月4・5日に、ファンが実際にメンバーと会うことができるイベントを開催する。こちらは、5月に開催予定だった「一言サイン会」「個別お話会」の代替イベント。もともと握手会ではなく、物理的な接触はないイベントだったが、メンバーとファンとの間に透明のビニールシートを設置するなどして、感染対策を行うという。

「ファンはマスク着用が義務付けられ、会場入場時には検温も行います。会場内ではソーシャルディスタンスを保ち、ファン同士の会話もNGという形になりそうです」(同)

 握手こそできないが、さまざまな形でのアイドルに会う機会が増えている。しかしまだまだ問題点は少なくない。

「物理的な接触はないし、ビニールシートなどでの対策もしっかりしているので、アイドル側の感染予防はそこそこ万全だと言えます。しかし、会場内に多くのファンが集まるわけであり、いくらソーシャルディスタンスを取っていたとしても、ファン同士の感染リスクは高い。ここの問題はそう簡単に解決できませんね……」(同)

 アイドル運営サイドとしては、握手会ではなく、別の特典会にすることのメリットも多少はあるようだ。

「SKE48の“現地でオンライントーク会”とJuice=Juiceの“個別お話会”は、握手会と同等の扱いであり、1枚のCDを購入すれば1回特典が受けられるシステムです。しかし、Juice=Juiceの“一言サイン会”は、シングル4種のボックスセット購入者を対象にしたイベントです。つまり、より多くのCDを購入したファン向けの少々豪華な特典ということです。

 要するに個別握手会は1回の特典の単価が安いが、握手会以外であれば1回あたりの単価を高く設定することも可能だということ。運営サイドとしては“まとめ売り”をしやすくなるというわけです。もちろん、これまで以上にファンが喜ぶような特典を考え出す必要はありますが、売り上げ的には意外とメリットがあるかもしれません」(同)

 コロナ禍で苦境を強いられているアイドル業界。いかにして、この難局を乗り越えていくか、革新的なアイディアが必要となりそうだ。