日テレTHE W』ウェブサイトより

 2017年から始まった女芸人ナンバーワン決定戦『THE W 2020』(日本テレビ系)。今年も12月14日に決勝戦が行われるが、運営を巡っては漫才日本一決定戦『M-1グランプリ』と違い、苦戦を強いられているという。

 ピン芸人の『R-1ぐらんぷり』(カンテレ制作/フジテレビ系)や『キングオブコント』(TBS系)などお笑い芸人の賞レースの1つとして作られた『W』は女性芸人だけが参加できる構成。プロアマ、年齢、芸歴などは一切不問で、間口は広く開けられている。だが、先に述べたほかの賞レースに比べて「かなり苦戦しているのが実情」とお笑い関係者が明かす。なぜなのか。

「まずはSDGsやLGBTQに代表されるように、ジェンダーについて平等に扱う流れが時代の流れとしてある中で『W』は敢えて女性限定と銘打っていることに、スポンサー筋からのウケがあまりよろしくない。現在も優勝賞金が1000万円に加えて、副賞が日テレの計11番組への出演権利にとどまっているのは、こうした理由が大きい。

スポンサー賛同が得られない中で大会、番組制作を続けていいのかという話も根強くあります」(同)

 さりとて、そう簡単に番組を閉じることもできない事情があるという。

「元々、この企画は吉本興業の仕切りで始まり、日テレ側に売り込んだ企画。お笑い賞レースをやっていなかった日テレに、焦点を当ててしまったというのが実情です。吉本サイドも『優勝して芸人が売れたら恩返しする』といった口約束的なものはあるものの、それが保証されているわけでもない。今年も決勝には10組が進出を決めましたが、第1回優勝者のゆりやんレトリィバァや、2019年の優勝者の3時のヒロインと同じトリオのぼる塾が選ばれるなど、明らかに人材不足。これでは盛り上がりにも欠けてしまう」(同)

 過去3回の視聴率は関東地区でいずれも2ケタ超えを記録しているというが、やはりテレビ番組の制作はスポンサー依存。

4回目となる今回は正念場となるかもしれない。