今回ツッコませていただくのは、4月16日に開催された『ジャニーズ大運動会2017』名珍場面。

 J-RED軍監督をKAT-TUN・上田竜也が、J-WHITE軍監督をKAT-TUN・中丸雄一が務めていたため、「ここに亀梨がいれば……」という思いはあった。

しかし、勝負に対してガチすぎる上田と、通常運転の気ままトークの中丸との対比は、大きな見どころだった。

 『大運動会』を取り上げたワイドショーなどでは、Sexy Zone・中島健人がフリースローを外して「セクシーソーリー」と言う場面や、Kis-My-Ft2玉森裕太藤ヶ谷太輔のコメントなど、デビュー組ばかりが紹介されていたが、実際には多数のJr.が活躍した「ジャニーさんの私的遊び」感満載の運動会だった。

 まずJr.ユニットからデビュー組まで、オリジナル曲やデビュー曲を歌いながら登場するなか、「東京B少年」だけはメンバー一人ひとりの名前が紹介される。ジャニー社長の力の入れ方はハンパないし、彼らのフレッシュなキラキラ感もハンパない。「50mダッシュバトル」では、『炎の体育会TV』(TBS系)で「上田ジャニーズ陸上部」に属する管田琳寧と、J-RED軍監督・上田竜也が1位、2位に。同番組に出演する諸星翔希との、「ニヤニヤすんな」のお約束のやりとりも見られて、サービス満点だった。


 「野球バトル」は、J-REDが中山優馬、J-WHITEが東京B少年・那須雄登の先発でスタート。どちらも経験者らしい好投だったが、スタメンはデビュー組が多かったためか、特に白組では当たり損ねのフライを落下させたり、送球をことごとく後逸したりと、守備の弱さがどうにも目立った。解説のデーブ大久保も、必死に「着こなしがサマになってますね」などと、妙な褒め方をしていた。

 解説のトーンが変わったのは、Prince岩橋玄樹の好守備から。また、J-WHITEの捕手・高橋優斗の安定したキャッチングや好打撃、途中から選手交代で中村海人田中樹、末武幸紘(いずれもWHITE)、七五三掛龍也(RED)などが入ったことで、ちゃんとした野球になる。

 結局、活躍したのは野球経験者だらけだが、「ジャニーズ」ならではの珍事が多数あった。
幼い頃から仕事をしている者も多いためか、野球経験の有無どころか、ルールがわからない者も多く、野次を飛ばしまくる中丸は「アンパイアに言ってください」と言われると「アンパイアって何ですか」。また、「振り逃げ」がわからなかったり、守備でも出塁時もずっとベースを踏み続けていたりする者もいた。



 代走で出たSexy Zone・松島聡などは、打者が打つまでベースを踏んでいて、デーブが投球に合わせて「ヨーイドン」と言った途端、急に走り出す有り様。それが面白かったため、その後はデーブがマイクでアドバイスする展開となり、会場は大いに盛り上がった。

 また、多数のデビュー組とJr.が集まる場だからこそ、あらためて発見したこともある。

 ひとつは、Kis-My-Ft2・北山宏光の、大きなリアクションを絶妙なタイミングでカメラに抜かせる「テレビタレント力」の高さ。
バッターボックスにやる気満々で向かう際に代打を出され、大げさに怒ってみせるリアクションには、安定安心のバラエティ力が感じられた。また、「PKバトル」「フリースローバトル」で失敗し、口元に手をあててショゲるKis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔の「乙女リアクション」に見る、繊細な女子力も良かった。

 もうひとつは、腰痛のためか競技に参加しなかったにもかかわらず、スクリーンへ映し出されるたびに「きゃ~~~~!」と大歓声を受ける、Hey!Say!JUMP山田涼介の「スクリーン職人&スター力」。グループで披露した「ウィークエンダー」では、山田のパート「スウィートアンサー」で会場が揺れるほどの絶叫が起こり、『ジャニーズワールドの感謝祭』を思い出してしまった。

 山田はほかにも、投手・中山と打者・知念侑李の対決を茶化し、スクリーンにアップで映されて大歓声を浴びたり、ラストでは中山、知念と「NYC」で集まって「勇気100%」を踊って会場を沸かせたりしていた。JUMPではほかに、J-WHITE軍のキャプテン薮宏太の、俊足・鈴木瞬映に「足は速いけど、しゃべりは遅いね」というツッコミをはじめとした、毒舌&自由すぎるトークが冴えていた。


 ジャニーズWESTと「お祭り」イベントは、相性が良いということもわかった。愛されキャラの濱田崇裕は終始笑いをとりつつ、場を盛り上げる。また、「運動音痴」で知られる中間淳太は、野球バトルの応援団で、韻を踏んだ妙な応援をして味方をズッコけさせたり、障害物ダッシュバトルでは運も味方した謎の実力(?)を発揮したりと、大活躍。ほかには、中山の歌のうまさ。ただでさえ音響の良くない東京ドームで、イヤモニをせずあれだけ踊って歌える実力は、素直にすごいと思う。



 また、「障害物ダッシュバトル」で多くの選手が苦戦する「Jr.探しゾーン」において、選手として出場したPrince・神宮寺勇太中村嶺亜を引き、神宮寺×嶺亜の「セクバ」でゴールしたところも、会場中が湧いた。


 また、東京B少年、なかでも那須に対する歓声の大きさ。野球のときにも、投手の那須がアップで抜かれるたび、あちこちから「可愛い~♪」という声が上がったが、披露したNEWSの曲「BYAKUYA」のセリフ部分では、若い子から大きいお姉さま方まで含めた黄色い声の「ぎゃ~~~!」という大絶叫が響いていた。

 ちなみに、東京B少年の活躍や、「野球」以外にも、「ジャニーさん、ココに来てる感」をヒシヒシ感じる場面がいくつかあった。

 ひとつは、関西ジャニーズJr.大西流星と、ドラマ『母になる』に出演中(日本テレビ系)の道枝駿佑が「YOU、出ちゃいなよ」的に突然の参加したこと。また、「フリースローバトル」での「ジャニーズにも得意な人がたくさんいると思いますけど、例えば堂本剛君がすごく上手で」といった、A.B.C-Z河合郁人の唐突なフリ。

 また、「一番盛り上げたで賞」になぜか知念が選出されたこと。
実際、知念は中山との対決などで野次に怒るフリをし、ヒットを打つなど盛り上げていたし、頑張っていた。でも、やや唐突感があったために、会場ではざわめきが起こったが、「なんで?」と一番思ったのはおそらく知念本人だろう。

「これからも、世界中を盛り上げていきたいと思います!」と笑顔でめいっぱいおどけてみせていたが、その顔は心底困ってるように見えた。

 長丁場で名珍場面の多かった『ジャニーズ大運動会2017』。ジャニーさんのプライベートイベントにお邪魔させていただいたようだ、ありがたい機会だったのだと思う。
(田幸和歌子