アメリカは今、ハリケーンに相次いで見舞われている。超大型ハリケーン「イルマ」の上陸進路にあるフロリダ州には、数日前から各局の報道リポーターが集結した。先んじて8月末に上陸したハリケーン「ハービー」の深刻な被害情報も次々と報じられている最中で、あまりに巨大なハリケーンが続き、「神の懲らしめではないか」という悲観的な意見まで飛び出す深刻な世情になっている。そんな張り詰めた空気を和ませてくれるマッチョボディな救世主がCNNにいる! とネットは話題騒然となっている。

 その人物の名前はクリス・クオモ(47)。CNNのアンカーであり、大事件や事故が起こると現場に駆けつけ中継する、フットワークの軽い中堅どころのジャーナリストだ。出身はニューヨーク・クイーンズ。名門大学イェール大学を卒業した秀才で、ドナルド・トランプ大統領も通ったフォーダム大学で弁護士免許を取得した。父親は元ニューヨーク州知事のマリオ・クオモ、兄は現ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ(59)と超エリート家系の育ちである。米三大ネットワークのひとつ、ABC局の報道番組や朝の情報・報道番組『グッド・モーニング・アメリカ』でアンカーを務め、特派員として高く評価された。2013年にCNNへ移籍してからもアグレッシブに報道に携わり、現在は朝の報道番組『New Day』を担当している。

 CNNを批判するトランプ大統領から「フェイク・ニュースを伝える男」だとツイートされた時には、「ジャーナリストをフェイクと言うのは、人種差別と同じレベルの侮辱だ」と大激怒。すぐに「人種差別で苦しんでいる人と比較すべきではなかった」と反省したことが話題になったり、「熱いジャーナリスト」としても知られている。

 熱い彼は中堅になっても、現場からの中継を大切にしている。今回も超大型ハリケーン「イルマ」の上陸進路上にあったフロリダ州に飛び、8日には直撃を受けると予想されていたマイアミ・ビーチから中継に登場した。ハリケーン接近に伴って湿度が上がっているため、スーツではなく「New Day」とプリントされたTシャツに着替え、真剣な顔で現場の様子を伝えていた。

 ところが、多くの視聴者が衝撃を受けたのは中継の内容ではなく、このクリスのTシャツ姿だった。普段はスーツで隠されていたボディービルダーばりの隆々とした筋肉がその存在を主張しており、否が応でも視線が行ってしまうからだ。

 半端なく鍛え抜かれたクリスの二の腕の筋肉にネットは大騒ぎ。「ちょっ、ハリケーンだって? 気が散ってそれどころじゃないんだけど」「筋肉男のクリスがマイアミ・ビーチにいたら、ニュースに集中できないわぁ」「スーツ着てスタジオにいるより、Tシャツ着てビーチから中継してくれるクリスのほうが好き」「毎日Tシャツ着て番組に出るべき」と、にわかファンであふれ返った。「これはヌードなしのポルノだ!」「クリスのインテリジェンスやコメントなんてどうでもいいわ。私の目的はひとつだけ」と発情する者、「イルマの希望の光。それは、クリスがいかにマッチョでセクシーかということを世に知らしめたこと」と悟りの声まで上がる始末。まさしくお祭り騒ぎとなっているのだ。



 実はクリスはジャーナリストになる前、ウォール・ストリートの弁護士として活躍していた1997年にも、女性から熱い視線を集めたことがある。「由緒正しい家柄の超エリートイケメン」として、米大手芸能誌「People」の「最も美しい人」リスト入りしたためだ。

 直後、米女性向けハイファッション・カルチャー誌「Wマガジン」も、クリスを「ニューヨークでジョン・F・ケネディJr.の次に魅力的な独身男性」と紹介。かつてクリスの父親も85年に米女性誌「プレイガール」から「最高にセクシーな男性」という名誉を授与されているため、「クリーンでインテリなイケメン顔は血筋」だと女性たちをときめかせた。ちなみに、兄のアンドリューも2010年に「People」の「最もセクシーな男たち」にランクインしている。

 そしてクリスの肉体が話題になるのも、実は初めてではない。ボートフィッシングが趣味のクリスは、釣った魚を手に持った写真をよくSNSに投稿しており、今年5月にもインスタグラムに上半身裸の写真を投稿した。そして7月には、息子と釣り上げた魚を披露する写真を投稿。ほれぼれするほどの腹筋や大胸筋にこんがりと焼けた肌はまるでボディビルダーのようで、著名なゲイの活動家が「クリスの釣りの写真にはホント、心の準備ができてなかった。CNNのスーツの下にアレが隠されていたなんて」と興奮しながらツイートしたほどだった。

 報道ジャーナリストは体力勝負であり、自己メンテナンスが不可欠だ。そのためボディビルダー並みに体を鍛え上げる男たちは少なくない。クリスの先輩であるCNNのアンダーソン・クーパー(50)も、細マッチョなイケメンとして人気を誇っている。ゲイだとカミングアウトしているため何かと狙われやすいのか、「ワークアウトしているマンハッタンのジムのシャワーはボクサーブリーフをはいたまま浴びる」と報じられたことがあり、ガードの堅さを残念がる声が上がった。

 

Gio Benitezさん(@giobenitez)がシェアした投稿 – 2017 8月 19 11:36午前 PDT

 ABC局のニュース特派員ジオ・ベニテス(31)も、同性婚した超イケメン夫とマリンスポーツに興じる写真をインスタグラムにときどき投稿しており、夫もかなりのマッチョなのでダブルで楽しめると話題を集めている。同じくABCで『ワールド・ニュース・トゥナイト』のアンカーを務めるデイビッド・ミュアー(43)のインスタグラムは、キメ顔写真ばかりで若干引かれがちだが、肉体美がはっきりとわかるプライベート写真が多いとファンからは好評だ。

 クリスの私生活はというと、01年に米カルチャー誌「Gotham」の女性編集長と結婚し、3人の子どもたちと幸せな家庭を築いている。SNSに投稿される写真には、妻や子どもたちとのものも含まれている。正義に熱く、プライドを持って仕事に励むファミリーマンであるクリスだからこそ、今回の中継で「Tシャツからのぞいたマッチョな腕」に萌えた人が多かったのだろう。

 シットコム『愉快なシーバー家』でブレークした俳優で、福音主義の敬虔なクリスチャンとして知られるカーク・キャメロンが、聖書の「神が(嵐などを)引き起こすのは懲らしめのため~」という言葉(ヨブ記37章13節)をフェイスブックにポストし、「そういうことを軽々しく言ってはいけない!」「いや、間違ってないのでは!?」と大炎上している中での、クリスの話題。殺伐とした空気が流れていたネットに、セクシーで和やかな風を吹き込んだようだ。

 「イルマ」が上陸してからは、レインコートを着用して叩きつける雨と突風を受けながら中継し続けているため「セクシー・クリス」を目にする機会は少なくなっているが、ハリケーンが過ぎたら、またTシャツ姿になるであろう彼を見るためにCNNをつける人は多いだろう。ネットユーザーが発した「イルマの希望の光。それは、クリスがいかにマッチョでセクシーかということを世に知らしめたこと」という意見は、あながち冗談とも言い切れなさそうだ。