北朝鮮を訪問したベラルーシのルカシェンコ大統領と金正恩総書記は26日、平壌で首脳会談を行い、2国間の友好協力条約に調印した。条約の中身は明らかにされていないが、ロシアを軸に接近してきた両国は、すでに軍事協力に踏み込んでいる。

米国の北朝鮮専門メディア「NKニュース」は2月6日、北朝鮮がベラルーシの大陸間弾道ミサイル(ICBM)用移動式発射台(TEL)を製造する企業に対し、自動車部品を供給していると報じた。米国の民間安全保障分析企業「ダラス・パーク・プロジェクト」の報告書を引用したものだ。

報告書によると、北朝鮮が供給しているのは、高精度の操舵(ステアリング)システム、複雑な電子制御モジュール、ポリウレタン製ホースなどの車両用精密部品で、いずれもICBM搭載用移動式発射台の製造に不可欠なものだという。供給先は、ベラルーシに本拠を置く世界最大級のTEL製造企業とされ、北朝鮮製部品が、同国の戦略ミサイル関連産業の一部を技術面から支えている構図がうかがえる。こうした取引は、国連安保理の制裁決議に抵触する可能性が高い。

北朝鮮は長年、中国製大型車両を改造して移動式発射台を製造してきた経緯があり、重量級車両の操舵制御や電子制御技術に関して一定のノウハウを有する。北朝鮮は制裁下で兵器開発を続ける中、代替技術や独自工法を磨いてきた。これがロシア、ベラルーシにとって実用的価値を持つようになったと見られる。

一方、NKニュースは、北朝鮮とベラルーシが昨年末、数トン規模の食肉と軍需関連部品を交換する取引を行っていたとも伝えた。ベラルーシの独立系メディア「ジェルカロ」によると、数十万ドル相当の牛肉、鶏肉、缶詰肉、内臓などが、ポーランド企業を経由する形で鉄道輸送により北朝鮮へ送られたという。対価として、北朝鮮側はミサイル発射台関連車両部品を供給した可能性がある。

両国は今回の条約締結を受け、多面的に協力を拡大させながら、軍事的な協力関係もいっそう深化させていく可能性が高い。

同通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長とベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の会談
「朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国間の友好および協力に関する条約」の調印式

【平壌3月27日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が3月26日、わが国を公式訪問中のベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と会談した。

会談には、わが方から朝鮮民主主義人民共和国の崔善姫外相、朝鮮労働党中央委員会の金成男書記、朝鮮民主主義人民共和国の金徳訓内閣第1副総理、尹正浩対外経済相、外務省のキム・ジョンギュ副相が陪席した。

ベラルーシ側からは、ベラルーシ共和国政府のユーリー・シュレイコ副首相、マクシム・ルイジェンコフ外相、アレクサンドル・ホジャエフ保健相、アンドレイ・イワネツ教育相、アンドレイ・クズネツォフ産業相が出席した。

金正恩国務委員長は、外交関係樹立以降、初めてとなるアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の訪朝を歓迎し、国の社会的・政治的安定と経済発展を遂げ、国際舞台で主権的権利を守るためのベラルーシ指導部の政策に対する支持と連帯を表した。

アレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、金正恩国務委員長が平壌を訪問するよう親切に招いたことに謝意を表し、両国は地理的に遠く離れているが長い友好の伝統と共通の感情に基づいた二国間関係はこんにち、新たな発展段階へ入るようになったと言及した。

会談では、朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国間の高位級往来をはじめ各分野における交流と協力を強化していくための一連の計画が論議され、互いに関心を寄せる国際および地域問題に対する意見が交換された。

両国の国家元首は、今回の対面と会談について満足の意を表し、平壌とミンスクの二国間協力関係が両国人民の利益に合致するよう拡大、発展するものとの確信を表明した。

会談に次いで、「朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国間の友好および協力に関する条約」の調印式が行われた。

朝鮮民主主義人民共和国の金正恩国務委員長が、ベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と共に「朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国間の友好および協力に関する条約」に署名した。

金正恩国務委員長は、朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国の間に国家間条約が締結されたことを記念してアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と意義深い写真を撮った。

続けて、双方間の外交、公報、農業、教育、保健医療など各分野における協力に関する合意文書が締結された。

ベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、訪朝を記念して金正恩国務委員長に贈り物を与えた。

金正恩国務委員長は謝意を表し、自身が用意した贈り物をアレクサンドル・ルカシェンコ大統領に与えた。---

ベラルーシ大統領を歓迎する宴会

【平壌3月27日発朝鮮中央通信】朝鮮労働党総書記で朝鮮民主主義人民共和国国務委員長である敬愛する金正恩同志が、ベラルーシ共和国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の訪朝を歓迎して3月26日、宴会を催した。

宴会には、ベラルーシ共和国政府のユーリー・シュレイコ副首相、マクシム・ルイジェンコフ外相、アレクサンドル・ホジャエフ保健相、アンドレイ・イワネツ教育相、アンドレイ・クズネツォフ産業相をはじめ随行員が招待された。

朝鮮労働党中央委員会の金才龍、李日煥、金成男の各書記、朝鮮民主主義人民共和国の崔善姫外相、金徳訓内閣第1副総理が陪席した。

金正恩国務委員長が、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の訪朝を歓迎して演説を行った。

金正恩国務委員長は、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領の今回の訪朝は朝鮮とベラルーシの伝統的な友好関係を新たな高い段階へ押し上げる上で重要な意義を持つ歩みであると評価した。

金正恩国務委員長は、今日の対面と会談を通じて朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国の友好関係をより一層強化し発展させようとする両国指導部の意志を確認し、今後両国の興隆・発展と人民の福祉増進のために有益なことを多くすることができるという確信を持つようになったのをうれしく思うと述べた。

続けて、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領が答辞を述べた。

ルカシェンコ大統領は、金正恩国務委員長が美しい朝鮮を訪れるよう招き、ベラルーシ共和国代表団を手厚く歓待したことに謝意を表した。

ルカシェンコ大統領は、両国間の友好関係が現在とても速いテンポで発展しているとし、今回の訪問を通じてベラルーシ共和国と朝鮮民主主義人民共和国の間の全面的協力を拡大・深化させるための努力を強化することで合意し、国際問題に関しても両国指導部の見解が一致していることを確認したと述べた。

宴会の参加者は、朝鮮民主主義人民共和国とベラルーシ共和国の友好・協力関係の発展のために乾杯した。

宴会は終始、和気あいあいとした温かい雰囲気の中で行われた。---

編集部おすすめ