バートレットの『闇ネットの住人たち』には、ホルボーンじいさん以外にも、イギリス版“ネトウヨ”であるイングランド防衛同盟(EDL : English Defense League)などの政治的人物や、児童ポルノやドラッグのネット販売のような新奇な現象が紹介されている。なかでも「ドラッグのeBay」と呼ばれた闇サイト「シルクロード」は有名だが、木澤佐登志氏の『ダークウェブ・アンダーグラウンド 社会秩序を逸脱するネット暗部の住人たち』(イースト・プレス)などでも扱われているので、ここではオンラインポルノの実況サイトと、オンラインのピアサポート・グループを紹介しよう。
Chaturbateで検索すると出てくるのは、若い女性(男性もいる)の大量のヌードだ。このサイトは日本語にも対応していて、「オンラインでチャットをしながら楽しむマスターベーション」と説明されている。
ここに登場する実況モデルはすべて素人で、20~30歳の白人女性が圧倒的に多く、北米とヨーロッパを中心に5万人程度いるとされている。アダルト版の「ユーチューバー」だと考えればいいだろう。
Chaturbateの登録は無料で、収入は視聴者からの「チップ」だ。実況モデルは通常、1日1~2回の実況を行ない、1回のセックスショーは約1時間続く。このショーの最中に、視聴者はChaturbateのトークンでモデルにチップを与えることができる。