免許書、履歴書、パスポートなどなど、さまざまなものに使われる証明写真。年間撮影数は、6000万枚を超えると言われている(Photo Market 2007年調べ)。
証明写真の撮影に多く利用されるのが、駅などに設置されている自動証明写真機。撮影スタジオで撮影する場合と異なり、予約など一切必要なし、乗り継ぎ時間の合間などにもすばやく証明写真が準備できるとあって、この機械の出現は画期的だった。
撮影スタジオから自動写真機へと移行が進んできた証明写真事情だが、今また、この事情をガラリと変えそうな新サービスが誕生した。「ケータイで証明写真を撮る」というサービスである。
株式会社バリューコミットメント(本社・東京都渋谷区)は、セブン・イレブン・ジャパンと富士ゼロックスが共同運用している「ネットプリントサービス」を活用したケータイ証明写真サービス「ケープリ」を開始した。携帯電話で顔写真を撮り、気に入ったものをメールで送ると、その画像がデータを預かる専用サイトであるネットプリントセンターに登録され、全国のセブンイレブン約1万2000店舗のマルチコピーから証明写真としてプリントできるというもの。
高光沢で耐久性のある専用フォトペーパーに高画質プリントされるため、銀塩写真に近い画質、保存性が実現されており、正式な証明写真として十二分に通用する。価格は、Lサイズ(127mm×89mm)1枚に3枚の写真がプリントされ、1枚200円。現状の自動写真機では500円以上かかるため、かなりお得だ。24時間いつでも証明写真が入手できるという利点もある。
そして、なんといっても、このサービスの最大のメリットは、気に入った表情が撮れるまで何度でも撮り直しができるということ。
現状の自動写真機も精度や使い勝手は向上しているというものの、あの「箱」の中にひとりで座り操作をするだけで手一杯になり、妙な表情や角度の時に「パシっ」とフラッシュが光り、プリントアウトされた写真は結局どれもイマイチ……。
ちなみに、2008年7月の楽天リサーチ調べによると、自動写真機利用者の37.1%が「希望の表情で撮れない」という不満を持っていると言う。「本人であることが“証明”できさえすればいいのだから、写真うつりなんてどうでもいいじゃないか」という意見は正論だが、免許書にしろパスポートにしろ、それなりに長い時間手元に置くもの。「もう少しちゃんとして撮ればよかった」と見るたびにちょっぴり後悔、という方もいるはずだ。
特に、プリクラ、写メと、セルフポートレイトに馴染んできた若い世代は、「自己演出」にかけてはかなりうるさい。ちょっとした角度の違いなどで写真うつりが変わってくることを知っている彼ら。ベスト・ショットを目指して気の済むまでトライできる「ケープリ」は、こういった世代を中心にきわめて馴染みがいいと言えるだろう。Lサイズ一枚につき、「大人力検定」などでお馴染みの石原壮一郎監修の「お楽しみコンテンツ」が付くという遊び感覚、オマケ感覚も彼らの支持を得そうだ。
それにしても、もし、このサービスが一般化すれば、駅にある自動証明写真機は少なくなってしまうのだろうか……。携帯電話が出現し、街から「公衆電話」が消えていったように。街の風景を変えてしまう小型ガジェット「ケータイ」の可能性はどこまで進化するのか。旧世代に属する人間にとっては、少し空恐ろしい気すらする。
(梅村 千恵)
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証明写真の撮影に多く利用されるのが、駅などに設置されている自動証明写真機。撮影スタジオで撮影する場合と異なり、予約など一切必要なし、乗り継ぎ時間の合間などにもすばやく証明写真が準備できるとあって、この機械の出現は画期的だった。
撮影スタジオから自動写真機へと移行が進んできた証明写真事情だが、今また、この事情をガラリと変えそうな新サービスが誕生した。「ケータイで証明写真を撮る」というサービスである。
株式会社バリューコミットメント(本社・東京都渋谷区)は、セブン・イレブン・ジャパンと富士ゼロックスが共同運用している「ネットプリントサービス」を活用したケータイ証明写真サービス「ケープリ」を開始した。携帯電話で顔写真を撮り、気に入ったものをメールで送ると、その画像がデータを預かる専用サイトであるネットプリントセンターに登録され、全国のセブンイレブン約1万2000店舗のマルチコピーから証明写真としてプリントできるというもの。
高光沢で耐久性のある専用フォトペーパーに高画質プリントされるため、銀塩写真に近い画質、保存性が実現されており、正式な証明写真として十二分に通用する。価格は、Lサイズ(127mm×89mm)1枚に3枚の写真がプリントされ、1枚200円。現状の自動写真機では500円以上かかるため、かなりお得だ。24時間いつでも証明写真が入手できるという利点もある。
そして、なんといっても、このサービスの最大のメリットは、気に入った表情が撮れるまで何度でも撮り直しができるということ。
現状の自動写真機も精度や使い勝手は向上しているというものの、あの「箱」の中にひとりで座り操作をするだけで手一杯になり、妙な表情や角度の時に「パシっ」とフラッシュが光り、プリントアウトされた写真は結局どれもイマイチ……。
そんな苦い経験をした方は少なくないだろう。
ちなみに、2008年7月の楽天リサーチ調べによると、自動写真機利用者の37.1%が「希望の表情で撮れない」という不満を持っていると言う。「本人であることが“証明”できさえすればいいのだから、写真うつりなんてどうでもいいじゃないか」という意見は正論だが、免許書にしろパスポートにしろ、それなりに長い時間手元に置くもの。「もう少しちゃんとして撮ればよかった」と見るたびにちょっぴり後悔、という方もいるはずだ。
特に、プリクラ、写メと、セルフポートレイトに馴染んできた若い世代は、「自己演出」にかけてはかなりうるさい。ちょっとした角度の違いなどで写真うつりが変わってくることを知っている彼ら。ベスト・ショットを目指して気の済むまでトライできる「ケープリ」は、こういった世代を中心にきわめて馴染みがいいと言えるだろう。Lサイズ一枚につき、「大人力検定」などでお馴染みの石原壮一郎監修の「お楽しみコンテンツ」が付くという遊び感覚、オマケ感覚も彼らの支持を得そうだ。
それにしても、もし、このサービスが一般化すれば、駅にある自動証明写真機は少なくなってしまうのだろうか……。携帯電話が出現し、街から「公衆電話」が消えていったように。街の風景を変えてしまう小型ガジェット「ケータイ」の可能性はどこまで進化するのか。旧世代に属する人間にとっては、少し空恐ろしい気すらする。
(梅村 千恵)
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