株式会社ニフコが、株主優待を廃止することを、2020年10月28日の13時に発表した。

 ニフコの株主優待は、毎年3月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「1000株以上を3年未満保有する株主に、『九州産柑橘類のジュースとゼリーのセット』を贈呈。

1000株以上を3年以上保有する株主に、『九州産柑橘類のジュースとゼリーのセット+QUOカード(500円分)』を贈呈」というものだった。

 しかし、この株主優待は2020年3月末時点の株主に実施された分を最後に、廃止となる。

 廃止の理由は、「株主の皆様からのご意見および公平な利益還元に鑑み、慎重に検討いたしました結果、配当による成果の配分を第一に考え、株主優待制度を廃止することといたしました」とのことだ。
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 なお、ニフコは株主優待の廃止の発表と同時に、2021年3月期の連結業績予想の修正(上方修正)と、これまで「未定」としてきた配当予想の発表も行っている。中間配当は25円、期末配当の予想も25円で、年間配当金は50円予想となり、前期比では12円の減配となる。

廃止されるニフコの株主優待制度の詳細 ■廃止されるニフコの株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 保有期間 株主優待内容 3月末 1000株以上 3年未満 九州産柑橘類のジュースとゼリーのセット 3年以上 ◆九州産柑橘類のジュースとゼリーのセット
◆QUOカード500円分

 ニフコの株主優待は「九州産柑橘類のジュースとゼリーのセット」と、3年以上の継続保有で「QUOカード」500円分が追加でもらえたが、2020年3月実施分で「廃止」となることが発表された。ただ、ニフコは同時に業績予想を上方修正。これらの発表は10月28日の13時に発表されたが、発表後から株価は上昇。終値は、前日終値の3115円より215円も高い3330円(+6.90%)で引けている。
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 なお、ニフコはプラスチック工業用ファスナーの製造・販売から始まった、プラスチック部品・製品の製造メーカー。10月28日に上方修正した2021年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高が2400億円(前期比16.7%減。前回予想は2240億円)、営業利益が185億円(前期比37.8%減。

前回予想は135億円)、経常利益が182億円(前期比36.7%減。前回予想は138億円)、当期純利益が113億円(前期比38.3%減。前回予想は90億円)。減収減益ではあるものの、足元では回復傾向が見られ、上方修正につながった。

■ニフコ業種コード市場権利確定月化学7988東証1部3月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り3330円1000株333万円1.50%※株価などのデータは2020年10月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。
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