化粧品や食品のプラスチック製包装容器を手掛ける竹本容器株式会社が、株主優待の制度を廃止することを、2021年6月10日の15時に発表した。

 竹本容器の株主優待は、毎年12月末時点の株主を対象に実施されており、従来の内容は「100株以上を保有する株主に、自社が企画・開発したオリジナル容器を包装容器とした特選品を贈呈」というものだった。

 しかし、この株主優待は2020年12月末の株主に実施された分を最後に「廃止」される。

 竹本容器が株主優待を廃止する理由は「当社は、株主の皆様の日頃からのご支援に感謝するとともに、当社のオリジナルボトルを実際にご利用いただくことで、当社へのご理解を深めていただくことを目的として株主優待制度を導入いたしました。しかしながら、株主への皆様への利益還元のあり方の観点から慎重に検討を重ねました結果、配当等による利益還元に集約することとし、株主優待制度を廃止することといたしました」とのことだ。

 なお、竹本容器は同時に、2021年12月期の配当予想を修正(増配)することも発表している。前回予想は、中間・期末ともに9.5円予想(年間配当金は19円予想)で、前期と同額を見込んでいた。しかし、これまで「20%以上」だった配当性向の目標を「30%以上」に修正したことから、配当予想も中間・期末ともに14.5円予想(年間配当金は29円予想)に修正。前回予想より10円の増配となっている。

廃止される竹本容器の株主優待制度の詳細は? ◆廃止される竹本容器の株主優待制度の詳細 基準日 保有株式数 株主優待内容 12月末 100株以上 自社オリジナル容器を包装容器とした特選品
(2020年はふりかけ・飴が贈呈された)

 竹本容器の株主優待は、自社オリジナル容器入りの特選品で、価格が不明のため、利回りの算出は不可能。過去には食品などがセレクトされていて注目度が高かったため、失望している個人投資家も多いだろう。しかし、竹本容器は株主優待の廃止と同時に配当予想を修正。この修正により、6月11日時点の株価で計算すると、配当利回りが1.87%⇒2.86%にアップしている。株主優待を廃止しても、この増配が株価を後押しする可能性は高そうだ。


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 竹本容器は化粧品や食品のプラスチック製包装容器を手掛ける企業。2021年12月期(通期)の連結業績予想は、売上高150億8000万円(前期比1.5%増)、営業利益16億4000万円(前期比7.8%減)、経常利益16億4500万円(前期比8.1%減)、当期純利益11億3000万円(前期比130.3%増)。

■竹本容器業種コード市場権利確定月化学4248東証1部12月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り1012円100株10万1200円2.86%※株価などのデータは2021年6月11日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。
※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。
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