ジョン・ネフは、31年間にわたるファンド運用で、最初にお金を託してくれた人の元本を56倍以上にして、1995年に引退した。
その投資法は、奇をてらうことなく、シンプルな投資にこだわり続けた。つまり、それは、PER、配当利回り、成長性のすべてにバランスよく目を配るという、徹底して基本に忠実なものである。
その抑制された堅実な投資姿勢は、投資のプロから尊敬を集め、「自分自身の資産運用を託すとしたら誰がよいか」というマスコミのアンケートでは、いつも1位争いをするほど。プロから尊敬される“真のプロ”。それが、ジョン・ネフなのである。
独自に妥当株価を計算、その半値をメドに買うネフは「割安な株を買い、値上がりしたところで売る」という基本に徹底してこだわった。
では、割安かどうかをどのように判断するか。それには、複雑な分析方法を使うのではなく、一般の投資家と同様に、PER、配当利回り、それに、成長率も加味して判断した。
しかし、これらの指標から、実際に「割安さ」を判断しようとした時、ほとんどの投資家は、明確な基準がわからずに戸惑った経験があるのではないだろうか。
この点ネフは、独自の計算式を使っている。それは、
(利益成長率+配当利回り)÷PERというものだ。
この式の使い方は、たとえば、毎年約20%ペースで利益成長している株があるとする。
この時、まず、成長率と配当利回りを加えると、24となる。これをPERの12で割ると2となる。
ネフは経験則から、この数値がだいたい2の時、つまり妥当な株価の半分程度に落ち込んでいる時を買い場と見ていたようだ。
インテル株急落時にPER8倍で買ったこのネフ式割安投資指数の計算式と、それを使った投資法は、ネフの経験から編み出されたものであり、実際にネフの投資実践で効果を発揮し続けたものなのだ。
例えば、ネフは、1994年にインテル株を買った。この時、同社のPERは8倍、利益は15%程度の成長ペースだった。利益成長については、将来にわたり約束されているわけではないが、インテルという会社の持つ強さから考えて、同じ程度の成長率は今後も見込める、とネフは考えたようだ。
配当はほぼゼロだったが、それでも、ネフの計算式に当てはめると投資指数は約2。つまりまさに買い時と判断された。そこでネフは買いに入ったが、実際に1年後に同社株は2倍に上昇し、大きな投資成果を得ることになった。
さらに、その後もインテルの利益成長は加速度的に上昇し、ネフが買ってから約5年後には、株価は10倍増となった。
彼の投資法は徹底的に割安株にこだわったもので、しかも買いに出るのは割安株が低落した時だけ、という慎重さだった。
しかし、この独自の妥当株価の式を用いた投資法は、機械的に当てはめればよいというものではない。やはり、前提として、銘柄を選別する眼を養う必要はあるのだ。また、成長率についてどう考えたらよいかも、なかなか難しい問題をはらむ。
次回は、その方法や考え方について、ネフから学んでみたい。
(次回へ続く)
(文/小泉秀希 ダイヤモンド・ザイ2003年6月号より転載)

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