近年注目されるサステナビリティ。

 サステナビリティ(Sustainability)は、「sustain(持続する、保つ)」と「-able(~できる)」を組み合わせた言葉であり、直訳すると「持続可能性」である。

環境・社会・経済などが良好な状態を維持し続けることを意味している。

 サステナビリティという概念は、経営においても欠かせない。企業は利益を追い求めるだけでなく、自分たちの活動が環境・社会・経済などに与える長期的な影響を考えて行動することが求められている。

 ブランド総合研究所は、都道府県ごとに住民が地域のSDGsへの取り組みを数値化する調査『第4回地域版SDGs調査2022』を実施。同調査の一環として、住民に対し居住している都道府県に関係のある企業の中で、環境や地域・社会の持続性を高めるような取り組みを行っていると評価できる企業を聞いた。都道府県ごとに地域企業を示し、該当する企業をすべて選んでもらい、各企業の回答率を「サステナビリティ貢献度」として表した。

 調査対象は842社で、地域企業は各都道府県に本社または主要拠点がある企業やその地域で創業した企業のうち、一定の規模を有する企業を同研究所が独自に選出した。

 今回は、それらの地域企業のサステナビリティ貢献度を全国と地域ブロックごとに比較し、「住民が選ぶ『地域を支える企業』ランキング」として紹介する。まずは全国版をお届けしよう。果たして、最も貢献度が高い企業はどこだろうか。

1位はトヨタ自動車
流通・飲食業が上位にランクイン

「住民が選ぶ『地域を支える企業』」1位はトヨタ自動車。本社所在地である愛知県での貢献度は44.0%となった。

続く2位はハウステンボス(長崎県)で41.3%、3位はヨークベニマル(福島県)で40.8%、4位は平和堂(滋賀県)で39.4%、5位はジャパネットたかた(長崎県)で38.0%となった。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「ランキング上位には流通・飲食業が多く含まれているほか、食品関係の製造業も多いことが特徴的」と指摘する。

上位5位はどんな企業?
初めて聞く人も多いのでは

 ランキングを見ると、その地域の住民には馴染みがあっても、他の地域に住む人々にとっては「初めて聞く」という企業が多いのではないだろうか。今回トップ5にランクインした企業の概要を紹介しておこう。

【1位:トヨタ自動車】

 言わずと知れた国内最大手の自動車メーカー。本社は愛知県豊田市。2021年時点の単独売上高は世界9位、同年における企業ブランド力で世界7位となった。

【2位:ハウステンボス】

 テーマパーク。所在地は長崎県佐世保市。2010年、旅行会社エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社(67%出資)となる。コロナ禍で苦戦するエイチ・アイ・エスグループの中で唯一の黒字事業だったが、ここにきて香港の投資会社へ売却されることが決まった。

【3位:ヨークベニマル】

 スーパーマーケットチェーンを展開する企業(セブン&アイ・ホールディングスの一員)。

本社は福島県郡山市。店舗数は237店(2022年2月時点)。福島県、山形県、栃木県、茨城県に出店している。

【4位:平和堂】

 総合スーパーとスーパーマーケットを展開する企業。本社は滋賀県彦根市。ハトを会社のシンボルマークとしているが、「イトーヨーカドー」とは無関係。店舗数は157店(2022年6月時点)。滋賀県を中心に出店している。

【5位:ジャパネットたかた】

 通信販売会社。首都圏でも知名度が高いので意外に思う人も多いかもしれないが、本社は長崎県佐世保市である。1994年にテレビショッピングをスタートさせ、2022年3月にはBSデジタル放送『BSJapanext』の放送を開始した。

(フリーライター 西嶋治美)

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