1位は大阪の「地主」
ダイヤモンド編集部の名物企画である「年収ランキング」は、これまで、さまざまな切り口でランキングを作成してきた。とはいえ、3800社超ある上場企業を余すことなく紹介してきたか自問すると、首をかしげざるを得ない。
そこで今回は、単体従業員数100人未満で、かつ、従業員の平均年齢が30代の上場企業に「あえて」対象を絞ってみた。老舗の大手企業ばかりではなく、創業から比較的新しく、若手人材が主体の企業にスポットを当てるためである。
作成には、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収データを使用した。対象期間は、2021年4月期~22年3月期。
果たしてどのような結果になったのか。早速、ランキングを見ていこう。
1位は、大阪に本社を置く地主(不動産業)で、平均年収は1694.5万円。同社は、事業用定期借地権を活用した不動産投資手法をビジネスモデルに据えている。日本商業開発が22年1月に社名変更した。
2位は「ビズリーチ」で急成長4位は“コンサル元祖”が創業
2位は、情報・通信業のビジョナルで平均年収は1119.9万円。中核事業の転職サービス「ビズリーチ」を軸に急成長を遂げ、21年4月に株式上場を果たした。
同社の南壮一郎社長に、第二の収益の柱と見込む「HRMOS(ハーモス)」や新規事業、M&Aを含む成長戦略の全貌をインタビューした記事、『ビズリーチで急成長のビジョナル南社長が描く未来図「全職種・全業種で雇用が流動化」』も参照してほしい。
3位はプロパストで、平均年収は1117.1万円。デザイン性の高いマンション開発で知られる不動産デベロッパーである。
1987年設立(前身会社、現在の社名に変更は91年)の同社は、08年秋のリーマン・ショック以降の不動産市況の悪化で経営難に陥り、10年には民事再生法の適用を申請。負債総額は500億円超に上ったが、株式上場を維持したまま再建を進めた異例の企業だ。現在は同じく不動産業のシノケングループが筆頭株主となっている。
4位はコンサルティングファームのドリームインキュベータで、平均年収は1086.5万円。創業者の堀紘一氏は、ボストンコンサルティンググループに長年在籍し、日本法人のトップも務め、日本における“コンサルティングの元祖”と評される人物である。
5位は大阪の不動産業、ファーストステージで平均年収は1056.2万円。大阪市内に投資用ワンルームマンションを数多く展開している。
ランキングの完全版では、6位以下も含めた全200社を掲載している。200社の傾向として、情報・通信業、サービス業、不動産業の会社が目立った。また、年収700万円以上の会社は42社あった。
(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)