コロナ禍を脱し、日経平均株価が過去最高値を記録するなど経済が大きく変わろうとしている。そんな中、主要企業はどの大学から学生を採用したのか。
同志社と立命館が上位
電子部品は、スマートフォンや車などの機器の一部であり、最終製品として消費者が直接手にするものではない。そのため、学生には電子部品の仕事が分かりづらいかもしれない。
しかし、日系企業が作る一部の電子部品は世界市場で40%以上のシェアを持っており、高収益企業も多く高い成長性が見込まれている。
現在、日本の電機産業を支えているのは、電子部品メーカーだといえるだろう。特に京都には、多くの大手電子部品メーカーが集まっており、「電子部品の都」として知られている。
22年の電子部品メーカー主要3社の採用大学ランキングを見ると、1位はニデックが名古屋工業大学と立命館大学、京セラが同志社大学、オムロンが同志社大学と立命館大学だった。
果たして、23年のランキングに変化はあったのだろうか。
関関同立が強さを見せる全国の工業大学からニデックに
23年のランキングでは、ニデックの1位には前年9位だった近畿大学が上昇。前年1位だった立命館大学が2位となった。3位は金沢工業大学(前年3位)に加え、前年ランキング外だった同志社大学が浮上した。
京セラの1位は前年と同じ同志社大学だった。2位には前年10位の立命館大学が、また3位には前年7位の東京理科大学が上昇した。
オムロンは、1位と2位は京セラと同じ同志社大学と立命館大学だった。3位は京都大学(同3位)に加え、前年5位だった関西学院大学が上昇した。
3社とも京都に本社があるため、やはり関西の国立・私立大学も上位に来ており、中でも関関同立が強さを見せた。またニデックは、全国の工業大学から幅広く採用している様子がうかがえる。
歴史を振り返ると、コンピューターやスマートフォンなどのデバイスが進化する中で、日本の電子部品業界は「軽薄短小」、つまり小さくて高性能な部品を安価に大量生産することを武器に成長してきた。
これまでスマートフォンなどの大量生産に支えられてきた業界だが、トレンドが多様化する中で、これからは単純に数量を増やすのではなく製品の付加価値を高め、いかに高い価格で販売できるかが重要になってくる。
電子部品業界は、自らデバイスのトレンドをつくり出す業界ではない。そのため、新製品を開発する電子機器メーカーと強く連携し、次にどのようなデバイスが流行するかを見極め、そのデバイスに必要な電子部品を戦略的に開発・販売する力を持つ人材が必要とされている。
*この記事は、株式会社大学通信の提供データを基に作成しています。