『週刊ダイヤモンド』8月31日・9月7日合併号の第1特集は「40歳、50歳、60歳からの稼げる資格&検定」です。人生100年時代において、40~60歳はまだ人生の中盤。
コロナ禍で高止まりに
「全世代のリ・スキリング(学び直し)を推進する」――。6月に閣議決定された「骨太の方針2024」では、意欲ある人が“生涯”活躍できる社会を実現するべく、若者のみならず中高年を含めた全世代のスキル向上を打ち出した。
16年以降、受験申込者数はおおむね220万人弱で推移していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で試験が中止され、20年は176万人まで急減した。しかし、21年には反動で受験申込者数が過去最高の約252万人に急増し、その後の2年間は約240万人でほぼ横ばいを維持しており、高止まりの状況が続いているのだ。
中でも特に申込者数の伸びが目立つのが、宅建士や中小企業診断士など、働きながら挑戦しやすい「中難易度」に位置づけられる資格だ。
その年齢層は、23年度の宅建士試験の場合、申込者28万9096人のうち、40代以上の中高年が4割近くを占め、とりわけ50代(前年度比6.4%増)と60歳以上(同8.9%増)の申込者数の増加が目立つ。一方、中小企業診断士試験(1次試験)の方は、申込者2万5986人中、58%超を40代以上が占め、こちらも中高年の申込者数が伸びている。
主要資格以外でも、今年4月に民間資格から国家資格へ格上げされた、外国人留学生などに日本語を教える「日本語教師(登録日本語教員)」を目指す中高年が急増中だ。
日本語教師養成講座の最大手、ヒューマンアカデミーにおける同講座受講生数の年代別の伸び率を見ると、40代以降の中高年を中心に過去3年で1.5~2倍ほどに伸びている。同社の講座では「キャリアコンサルタント」を抑えて、50~60代の一番人気だ。
残暑が厳しいものの、季節は折しも「学び」の秋。前出の教育訓練給付制度などを活用すれば、コストも抑えられる。資格挑戦や学び直しで人生の“後半戦”を変える契機にしてみてはいかがだろうか。