40歳年収が高い会社ランキング
驚異の「2500万円超え」の1位は?

 今回は、上場企業を対象に、「40歳年収が高い会社ランキング」を作成した。

 本連載では、上場企業の有価証券報告書に記載されている「平均年収」のデータを使ったランキングを多数配信してきた。

平均年収は、企業の給与水準を比較する上で重要な指標だ。

 ただ、平均年収によるランキングには一つ弱点がある。いまだ多くの企業で年功序列型の賃金制度が残る中、どうしても従業員の平均年齢が高い企業の値が高くなりがちなのだ。

 そこで今回お届けする「40歳年収が高い会社ランキング」では、経験や実績を積んだ働き盛りである40歳時の年収を独自に推計。ランキングにまとめた。

 早速トップ5を見てみよう。

「40歳年収が高い会社ランキング2024」で1位となったのは、M&A(企業や事業の合併・買収)の仲介サービスを手掛けるM&Aキャピタルパートナーズだ。推計40歳年収は2553.7万円。2位に400万円超の差をつけている。

 同社の給与体系において特徴的なのは、個人の営業成績や業績に連動した賞与が給与の大半を占めていることだ。今回のランキングの対象となった23年9月期の有価証券報告書を見てみると、人件費の主な内訳は以下のように記載されている。

給料手当:8億2133.2万円
賞与:25億1618.5万円
賞与引当金繰入額:8億8689.4万円
法定福利費:2億6318万円

 給料手当が約8億円なのに対して、賞与は約25億円。

賞与は給与手当の3倍に上る。こうした多額の賞与が、年収アップにつながっている。

2位はキーエンス
3位は商社トップで三菱商事

 続いて2位にランクインしたのは、キーエンスだ。推計40歳年収は2102.2万円だった。同社は、主に工場の自動化(ファクトリーオートメーション、FA)用機器の制御に使うセンサー機器を扱っている。

「平均年収が高い会社ランキング」でも上位常連のキーエンス。ランキングの対象となった24年3月期の業績は、売上高が9673億円(前期比4.9%増)、営業利益が4950億円(同0.8%減)となっている。

 営業利益は前期と比べる減益だったが、注目すべきはその利益率の高さだ。売上高営業利益率は51.2%と、5割超という驚異的な数字をたたき出している。この収益性の高さが、高い年収を実現する要因といえる。

 3位にランクインしたのは大手総合商社の三菱商事。推計40歳年収は、総合商社トップの2,059.8万円だ。

 ちなみに、24年3月期における平均年収は2091.0万円。従業員の平均年齢が42.7歳なので、推計40歳年収と平均年収に大きな乖離はない。

 また、三菱商事の平均年収の推移を見ると、短い期間でその数値が大きく上昇していることが分かる。直近3期分の平均年収が以下の通りだ。

24年3月期:2091.0万円(平均年齢42.7歳)
23年3月期:1939.4万円(平均年齢42.9歳)
22年3月期:1558.9万円(平均年齢42.8歳)
※有価証券報告書より

 平均年齢がほぼ変わらないが、年収は2年で500万円超アップしている。

 総合商社の「給料事情」については、特集『戦時の商社』の第7回『賞与だけで1000万超え!三菱商事、伊藤忠など商社の「驚きの給料事情」を徹底解明』で詳細を明らかにしているのでぜひチェックしてみてほしい。

 4位は不動産業を手掛けるヒューリックで、推計40歳年収は1,935.9万円だった。惜しくも2000万円には届かず、トップ3には入らなかったが、それでも1900万円超の高年収だ。

 従業員数は、222人となっている。M&Aキャピタルパートナーズと同じく200人台。トップ5の他の3社と比べると圧倒的に少ない。少数精鋭の組織だといえる。

 5位には、総合商社の三井物産がランクイン。推計40歳年収は1,884.7万円だった。

 24年3月期の平均年収は1899.9万円(平均年齢42.3歳)と、「年収」では三菱商事に軍配が上がった。一方で、五大総合商社(三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅)における24年3月期決算の純利益トップは、三井物産だった。

 次回以降の年収ランキングでは、さらなるランクアップもあり得るかもしれない。

 ランキング完全版では、1000社の順位を公開している。伊藤忠商事、住友商事、丸紅などのその他総合商社、そして有名企業は何位にランクインしているのか。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド・ライフ編集部)

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