1位は年収775.0万円
大人気チェーンを海外にも積極展開



 好評企画、「年収ランキング」。今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い外食企業ランキング」を作成した。

本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。対象期間は2023年5月期~24年4月期。



 早速、ランキングを見ていこう。



年収が高い外食企業ランキング2024【トップ5】4位は吉野家HD、1位は?
図表:年収が高い外食企業ランキング2024【トップ5】


 1位は回転ずし「スシロー」などを運営する持ち株会社FOOD & LIFE COMPANIESで、平均年収は775.0万円(平均年齢42.2歳)となった。スシローは全国に約640店舗を構える人気チェーン店。海外進出にも積極的で、台湾や香港、中国大陸、韓国、東南アジアを中心に200店舗を突破した。



 同社のブランドは他に、持ち帰りずしの「京樽」や「回転寿司みさき」(どちらも21年に吉野家ホールディングスから買収)があり、近年は居酒屋業態の「杉玉」も全国展開を加速している。



 外食需要と持ち帰り需要をとらえ、海外展開も加速した結果、本ランキングの対象である23年9月期の連結業績は、売上高にあたる売上収益は3017億円(前期比7.3%増)、当期利益は82億円(同128.1%増)と大幅な増益だった。



 なお、25年9月期の連結業績については従来予想から上方修正し、売上収益が4210億円(同16.6%増)、当期利益が210億円(同43.5%増)になる見通しだ。国内外のスシローで客足が伸び、想定よりも売り上げ増を見込んでいるという。平均年収もさらにアップしそうだ。



 ちなみに、「コメダ珈琲店」の持株会社コメダホールディングスは社員数が20人未満のため、今回のランキング対象から外れたが、同社の平均年収は1001.3万円(平均年齢52.1歳)と、外食企業では突出している。



 2位は「丸亀製麺」などを展開する持ち株会社トリドールホールディングスで、平均年収は765.0万円(平均年齢40.5歳)だった。丸亀製麺も国内外で店舗を積極的に拡大しており、海外では「MARUGAME UDON」の看板で300店舗を突破している。



 3位は、「すき家」「はま寿司」「COCOS」「なか卯」「ロッテリア」「ジョリーパスタ」「ビッグボーイ」「オリーブの丘」「華屋与兵衛」などを展開する持ち株会社ゼンショーホールディングス。平均年収は742.7万円(平均年齢39.9歳)だった。牛丼から回転ずし、ファミレス、ハンバーガーショップと業態の幅が広いのが特徴だ。



 4位は「吉野家」「はなまるうどん」などを展開する持ち株会社の吉野家ホールディングスで、平均年収は736.6万円(平均年齢48.2歳)。同社は創立以来、牛丼を主力に成長してきたが、今年5月に公表した新中期経営計画において、「第三の事業としてラーメンに注力する」方針を掲げたことで注目を集めている。



 5位は「ケンタッキーフライドチキン」を展開する持ち株会社、日本KFCホールディングス。平均年収は730.0万円(平均年齢44.8歳)だった。同社は三菱商事の傘下にあったが、米投資ファンドによる株式公開買い付け(TOB)が成立し、24年9月18日をもって上場廃止となった。本ランキングでは対象期間の公平性を保つため、そのまま掲載している。



 なお、外食大手の日本マクドナルドホールディングスは単体の従業員数0人の純粋持ち株会社のため、今回のランキング対象外となった。



 ランキング完全版では、6位以下を含む全96社の順位と平均年収を掲載している。トップ5には惜しくも入らなかった、サイゼリヤや松屋フーズHD、モスフードサービスや王将フードサービス、串カツ田中HD、くら寿司など、人気チェーン企業の順位と平均年収はどうなっているのか。ぜひ、確認してみてほしい。



 最後に、この年収ランキングは上場企業に対象を絞っているため、持ち株会社が上位に入りやすい傾向がある。持ち株会社の傘下には多くの子会社があり、それら企業の平均年収とは異なることに留意してほしい。



(ダイヤモンド・ライフ編集部)

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