平均年収は900万円超
1位となった鉄道会社は



 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が高い鉄道会社ランキング2024」を作成した。対象期間は、2023年5月期~24年4月期。



 早速、ランキングを確認していこう。



年収が高い鉄道会社ランキング2024【トップ5】阪急阪神HDが2位、1位は?
図表:年収が高い鉄道会社ランキング2024 トップ5


 1位になったのは、相鉄ホールディングス。平均年収は901.4万円で、唯一900万円台となった。前年度の平均年収(848.5万円)から一気に52.9万円の大幅増となった。



 同社は神奈川県にある相模鉄道などを傘下に持つ持ち株会社だ。単体従業員数は78人、平均年齢は49.6歳となっている。



 相鉄グループは、鉄道やバスなどの運輸事業のほか、スーパーマーケットなどを運営する流通事業や、ホテル事業、不動産事業を手掛けている。グループ全体の従業員数は1万人を超える。



 相鉄・東急直通線における輸送人員の増加や、新型コロナの収束によるホテル需要の回復などもあり、今回のランキングの対象となった24年3月期の業績は、営業収益が2700億円(前年同期比8.2%増)、当期純利益が161億円(同130.4%増)の好決算だった。



 続いて、2位は阪急阪神ホールディングス。平均年収は870.9万円だった。こちらも前年度の平均年収(828.8万円)から41.2万円の大幅増となった。単体従業員数は231人、平均年齢は43.3歳となっている。



 鉄道事業を手掛ける阪急電鉄、阪神電気鉄道をはじめ、阪急阪神不動産、阪急交通社(旅行事業)、阪急阪神エクスプレス(物流)などを傘下に持つ。グループ全体の従業員数は2万2000人を超える。



平均年収800万円超えは4社
年収大幅増の近鉄グループHD



 3位は西武ホールディングスで平均年収は834.2万円だった。単体従業員数は323人、平均年齢は40.7歳となっている。グループ全体の従業員数は2万人超だ



 東京~埼玉を走る西武鉄道のほか、プリンスホテルを運営する西武・プリンスホテルズワールドワイドなどを傘下に持つ持ち株会社だ。



 4位は京阪ホールディングスで、平均年収は803.8万円だった。単体従業員数は119人、平均年齢は44.5歳。傘下の京阪電気鉄道は、京都・大阪・滋賀の3府県にかけて路線網を持つ。



 今回のランキングでは、平均年収が800万円を超えたのは上位4社のみだった。



 5位は近鉄グループホールディングスで、平均年収は780.2万円、単体従業員数は279人、平均年齢は45.1歳だった。前年度のランキングでは8位、平均年収は712.3万円(単体従業員数269人、平均年齢45.4歳)だったが、67.9万円もの大幅増となった。



 最後に、ランキング上位の「会社の形態」についても触れておきたい。



 今回のランキングでトップ5となった鉄道会社はいずれも「ホールディングカンパニー」だ。



 ホールディングカンパニーは「持ち株会社」とも呼ばれ、傘下のグループ企業を「親会社」として統制する役割がある。



 そこで働く従業員もグループ企業の「エリート層」であり、事業の運営会社に比べ、少人数であることが多い。このため、総じて平均年収も高額になる傾向がある。



 トップ5の企業名を見て、大手鉄道会社であるJR東日本・東海・西日本・九州がランクインしていないことが気になった人も多いかもしれない。JR各社は何位に入っているのか。ぜひ、完全版もチェックしてみてほしい。



(ダイヤモンド・ライフ編集部 松本裕樹)

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