上方修正銘柄をいち早く知る方法

　現在、3月決算企業は、第2四半期の決算発表シーズンを迎えており、10月28日の週から11月5日の週にかけて発表はピークを迎える。日経平均は保合でも、個別銘柄を見れば業績に応じて大きく上昇する銘柄もある。業績相場の到来だ。ネット証券が提供する情報を上手に使って、好業績銘柄を発見しよう。

　今期の企業業績はいいのか悪いのか。第2四半期決算の注目ポイント、注目銘柄は何か。各ネット証券が提供するレポートを拾い読みしてみた。レポートには、一般公開されたもの（口座開設していなくても証券会社のHPで見られる）と、会員向け（口座開設をしてログイン後の画面で見られる）がある。興味がわいたレポートがあれば、アクセスしてみよう。

◆SBI証券
「日本株投資戦略～好決算銘柄先取り！2013年7～9月決算本格化へ～」（一般公開）

　金融緩和や円安により「上場企業の業績は回復」。銘柄に関しては「大幅増益を達成し、通期予想も大幅な増益見通しを発表(できれば上方修正)すれば、良好な投資収益が期待できます」としており、「大幅増益が予想（市場コンセンサス）されている主力銘柄」が一覧表で紹介されている。掲載されている銘柄は、三井化学（4183）、トクヤマ（4043）ほか29銘柄。

◆SMBC日興証券
「Weekly Outlook　週刊投資情報　No.127」（会員向け）。

　「会社側の業績修正は第2四半期決算時に行なわれる傾向があるが、第1四半期決算が良好であったことを考慮すると、今決算では業績予想の上方修正が続くと期待される。内需、外需ともに先行きの見通しは明るく、株式市場全体にフォローの風が吹こう」。

　こちらのレポートでは、「主要企業の2014 年3月期第2四半期決算発表スケジュール」表の中で、会社予想、コンセンサス予想、経常利益伸び率が掲載されている【図1】。会社予想よりもコンセンサス予想（アナリスト予想の平均）が高ければ、上方修正が出るかもしれない。

◆岡三オンライン証券
「岡三グローバルウィークリー 2013.10.21」（会員向け）。

　「日本企業の決算については、アベノミクスによる国内経済の好調と大幅な円安により、内需・外需企業問わず好決算が示される公算が大きい。通期業績見通しの増額修正を行う企業も多いとみており、日本企業の業績上振れが日本株を支えそうだ」。

　日本株の個別銘柄については、沖電気工業（6703）など、業績拡大が期待される注目の3銘柄が紹介されている。

◆マネックス証券
週刊「マーケット展望」フィスコ 10月21日週刊（会員向け）

「決算シーズンを迎えるなか、全体相場の方向性よりも、例年通りの業績面への関心が高まることになろう。今回はアベノミクス効果の影響によって通期計画の上方修正などが期待されている」。

　このレポートでは、「今週の分析銘柄　- FISCO Selection 8-」として、エスクリ（2196）など、業績上ぶれ期待のある8銘柄を紹介。。チャートや目標株価、解説なども加えられている。

◆楽天証券
～今中能夫「楽天証券投資Weekly」（一般公開）

「2014年3月期2Q決算の見所」のコーナーで、重要セクター、重要銘柄を紹介。「今回の決算で最も重要なのは自動車セクター」として、注目銘柄をあげているほか、不動産や建設など、10個の注目のセクターと銘柄について解説している。

　各社のレポートともに、これまで保守的な見通しだった企業が上方修正を行う可能性を示している。

　さて、ここまで5社のレポートを紹介してきた。レポート内では、「臨時国会における安倍政権の政策に対する不透明感」（岡三グローバルウィークリー）など、リスクとなる点も指摘されている。気になるレポートは、決算発表がピークになる前に要チェックだ。

　最後に上方修正発表のニュースをいち早く知る方法を紹介しよう。冒頭で上方修正が出たイワブチは、SBI証券のトレードツール「HYPER SBI」のニュースから「上方修正」のキーワード検索を行って発見した【図2】。

　また、松井証券が提供する「ニュースファインダー」（無料）の場合、キーワード検索ができる上に、検索銘柄の一覧表示も可能だ。

　大引け15時過ぎに決算を発表する企業もたくさんある。翌日、寄り付き前には上方修正のニュースをチェックしておこう。