幸せのかたちは人それぞれ。だから、幸せを点数にして計るなんてナンセンス……とはいえ、できれば何でも目に見えるかたちにしてしまいたいと思うのが現代人の常だ。
先日、カルチュア・コンビニエンス・クラブが行った「幸せに関するアンケート調査」によって、幸せを点数化したときの、年齢や性別差による違いが明らかになった。あなたはこの結果に納得する? しない?

 アンケートは、Tカードを利用している全国10~70代までの男女1525人を対象にインターネットで行ったもの。調査期間は5月16日~20日。

幸福感の男女差が最も大きいのは50代
「幸せ」と「収入」を関連付ける男性

 調査によると、幸福感の平均値は10点満点で6.2点という結果に。ただし、男女別で見ると男性が5.92点、女性が6.42点で、女性の方が幸福感が強いことが明らかになった。10代~60代以上まで、どの年代においても幸福感を感じているのは男性より女性の方が多かった。最も男女差が大きかったのは50代で、男性が5.77点、女性が6.62点。60代になると男性の幸福感がぐっと上がり、男性6.94点、女性7.05点で、男女差が最も少なくなる。

 なぜ男女間で幸福感の差が生まれているのだろうか。性別・年代別に聞いた「幸せのために必要なこと」の上位3項目を見ると、男性の場合は20~50代まで1位はすべて「収入」。60代以上のみ、1位が「健康」で、2位が「収入」となった。女性の場合、「収入」が1位だったのは20代のみ。

30代の1位は「精神的なゆとり」で、40代~60代以上は「健康」。30代~60代以上は「収入」が3位だった。また、男性は30代~50代の3位が「配偶者・パートナー」だったが、女性の場合はどの年代においても3位までに「配偶者・パートナー」はランクインしなかった。

 この結果についてはいろいろな考え方ができるだろうが、ひとつ考えられるのは、出産や育児によって一時的にであっても仕事から離れることがある女性の場合、自分の努力がそのまま「収入」につながりづらいという一面がある。それに対し、男性の場合は良くも悪くも収入=努力の結果と捉えられてしまいがちだ。本人が「自分の幸せに収入は関係ない」と思いたくとも、世間がそう見てくれないため結果的に収入にこだわってしまうこともありそうだ。

 収入は数字という目に見えるかたちで表れるため、収入の多さが幸せにつながるという基準は心理的な負担が大きいだろう。男性の心理的な負担を減らすためにも、30代以上の女性たちが収入よりも「精神的なゆとり」や「健康」の方が幸せにつながると感じていることは、もっと周知されるべきではないか。

20代、40代は幸福感が低い?
老後は幸福感が高くなる傾向

 次に、年齢別の幸福感も見てみよう。男女ともに、年代による幸福感の増減は全く同じ。20代が低く、いったん30代で高くなり、40代でまた下降、50代、60代にかけて幸福感は上昇する。まさに人生山あり谷あり、といった感の折れ線グラフになっており、最終的に折れ線が右肩上がりになっていることに少しホッとする感もある。

 老後の幸福感が最も高いというのは喜ぶべきことではあるが、若年層からは「自分たちが60代になったときに今の60代よりも年金の額は少ない。自分たちの時代に、そんなに幸福感が高いのか」という声が聞こえてきそうだ。

 ところで、先日ネット上でやや話題になっていたのが「lifetime」というサイト。自分の生年月日やライフイベントなどを入力すると、人生を1日にたとえた場合、今自分は「何時にいるのか」や、これまでの人生の象徴的なシーンを振り返ることができる。今年34歳の筆者は、自分ではすでに人生の後半に差し掛かった気分でいたが、まだ「9時35分」と、ちょうど始業ぐらいの時間帯だったことに驚き、少し元気が出た。捉え方次第で、考え方次第で自分の気持ちは変わるもの。当たり前のことだが、自分の人生をどう捉えるかは自分次第ということを忘れないようにしたい。

(プレスラボ 小川たまか)

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