【今回のまとめ】
1.ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイを通じて投資している
2.バークシャー・ハサウェイ株は、あなたでも買える!
3.少ない株数を買う時は、証券会社によって異なる委託手数料に注意
4.バークシャー・ハサウェイは「幕の内弁当」のように色んなビジネスを展開

ウォーレン・バフェットは、世界で最も尊敬されている投資家

 世界で最も尊敬されている投資家、ウォーレン・バフェットの名前は皆さんも耳にしたことがあるかと思います。

 バフェットは、自分の投資会社、バークシャー・ハサウェイ(ティッカーシンボル:BRK.B)を通じて投資事業を行っています。

 バークシャー・ハサウェイの株はニューヨーク証券取引所に上場されています。だから日本の皆さんも米国株を扱っているネット証券で投資することが出来ます。

バークシャー・ハサウェイの株、個人投資家はいくらで買えるのか?

 5月15日(金)のバークシャー・ハサウェイの引け値は$145.26です。現在の為替レート、1ドル=119.28円をあてはめると、円換算して1万7326円で取引されているわけです。

 米国株の場合、単元株数という考え方はありません。だから1株から発注できます。つまり2万円弱の元手があれば、あなたもバフェットの投資会社の株を買うことで、彼のポートフォリオに「相乗り」することができるのです。

 なお単元株数とは、買い注文を出す際に指定された取引単位で注文しなければいけないことを指します。銘柄によって違うけれど、日本株の場合、単元株数が100株になっている場合が多いです。

 ここでちょっと脱線しますが、上の説明のように1株とかの小さい株数で注文を出す場合、それぞれの証券会社によって売買手数料に差異があります。従って自分が予定している購入株数で注文を出した場合、売買手数料がいくらになるのかを各証券のホームページであらかじめ調べてから付き合う証券会社を決めることをお勧めします。

バークシャー・ハサウェイの業務内容はまるで「幕の内弁当」

 さて、バークシャー・ハサウェイを購入することがカンタンであることを説明しましたので、それじゃ一体、バークシャー・ハサウェイって何をやっている会社? ということを解説します。

 結論から言えばバークシャー・ハサウェイは、まるで「幕の内弁当」のようにいろいろなビジネスを展開しています。

 具体的には保険会社、鉄道会社、公共・エネルギー事業、工業、卸売りディストリビューター、プレハブ住宅などの会社を所有しています。

 このような上場会社、ならびに非公開企業が折詰(おりづめ)になっている、いわゆるコングロマリットの業態をしているわけです。

 その売上構成は、下のようになっています。

 下は同社のセグメント利益の内訳です。

保険ビジネスの中核はディスカウント自動車保険の会社

 保険のビジネスの中核となっているのはGEICO(=ガイコー)というディスカウント自動車保険の会社です。この会社は昔からバフェットのお気に入りのビジネスであり、ずっとその株式に投資してきたのですが、1996年についに完全買収し、非公開化することで100%自分のものにしました。

 その他、1998年には損保・再保険会社のジェネラル・リを、2007年にはオランダの保険会社、NRGを買収しています。

 保険のビジネスは、保険加入者から保険料を徴収します。この保険料は、将来、交通事故などで保険金の支払いが行われるまでの間、運用に回すことが出来ます。保険料から当座の保険金の支払いのために確保してあるキャッシュ(=それを準備金といいます)を差し引いた、残りの運用に回せるおカネのことを「フロート(float)」と言います。

 このフロートが、バフェットが運用の腕前をふるう際の投資原資ということになるのです。

2014年末の時点でのフロートの金額は840億ドルでした。

バークシャー・ハサウェイの業績は順調

 バークシャー・ハサウェイの一株当たりの業績は、下のようになっています。

 なおバークシャー・ハサウェイにはクラスAとクラスBという二種類の株式があり、クラスBの交換比率はクラスAの1500分の1です。個人投資家の大半は、クラスB株に投資しています。その関係で、上の一株当たりの業績のグラフはB株を元に計算してあります。

バークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオからわかるもの

 さて、バークシャー・ハサウェイは上場株にも投資しています。下は、その主な投資先です。

 つまりバークシャー・ハサウェイの事業は、自社が100%保有する事業ポートフォリオから得られる収益に加えて、これら上場株への投資ポートフォリオのリターンを加えて評価されるべきなのです。

 それらの投資活動を通じて、どれだけ巧みにバークシャー・ハサウェイの簿価を育んだかが問題になるわけです。

 バークシャー・ハサウェイの創業以来の簿価の増減は、下のグラフのようになっています。

 それぞれの年に、バークシャー・ハサウェイがS&P500のリターンに勝ったか、負けたかの相対リターンを表したのが、下のグラフです。

 さらに創業以来の一株当たり簿価の平均成長率を示したのが下のグラフになります。

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