杏林大学 保健学部 臨床検査技術学科、角田ますみ准教授が執筆した「医療×エフェクチュエーション: 予測不可能な時代の医療・ケアを変える新しい思考法」が出版されました。
本書で取り上げている「エフェクチュエーション(effectuation)」とは、予測不可能で複雑な状況の中でも、自分の手元にある資源やつながりを活かしながら、柔軟に行動を起こしていくための実践的な思考法です。もともとは起業家の意思決定を分析した理論ですが、医療やケアの現場においても応用可能な視点として注目されています。
本書では、このエフェクチュエーションの考え方をもとに、医療やケアの現場での実践例を数多く紹介しています。たとえば、医療者が不確実な状況で患者・家族とどう向き合い、どのように納得のいく選択を一緒に作っていくか、また、制度や方針に縛られすぎず、現場でできる一歩をどう見つけていくかといった問いに対して、具体的なヒントが得られる内容となっています。
さらに本書では、患者や家族の立場においても、この思考法がヒントになることを示しています。病気や障害を抱えることによって、先の見通しが立たない中でも、「自分にできることは何か」「いま大事にしたいことは何か」に立ち返ることで、自分らしい選択を重ねていく手がかりとなるのが、エフェクチュエーションのアプローチです。
保健学部看護学科の寺島涼子講師も執筆者として参加されており、看護教育や臨床の現場に根ざした豊富な経験をもとにした実践知が盛り込まれています。
医療・看護・福祉に関わる専門職の方々はもちろんのこと、将来患者や家族として医療的な意思決定に直面するすべての人にとって、これからの時代を乗り越えていくためのヒントを与えてくれる一冊です。
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▼本件に関する問い合わせ先
杏林大学 保健学部 臨床検査技術学科
角田ますみ
メール:sumita@ks.kyorin-u.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/