東小金井の課題と向き合うアイテムが集まるお店『課題商店』で「課題に向き合い、夢を実現するコーヒー」として『Dream Train Connected Coffee』の販売がスタートしました。
※Connected Coffee(つながるコーヒー)はビーンズ・コネクティッド株式会社の登録商標です。
コーヒーラバー(愛好家)が増殖中!
「おいしいコーヒーを飲みたい」。昨今はそんな欲求のおもむくままに、いろいろな産地のいろいろなロースターが焙煎したコーヒー豆を買い求め、グラインダー(ミル)やドリッパーなどの器具にこだわり、何冊もコーヒー読本を読み漁り、コーヒー教室に通ったり、You Tubeの動画をチェックして、渾身のドリップ。至福の一杯を堪能する。そんなコーヒーラバーが増えています。いつから日本人はこんなにレギュラーコーヒーを飲み、コーヒーにこだわるようになったのでしょうか? 一つ考えられる大きなきっかけは2011年に始まったコンビニコーヒーでしょう。1杯100円ほどで手軽においしいレギュラーコーヒーが飲めるこのサービスは、短期間に全国津々浦々まで普及し、多くの日本人をコーヒーラバーに誘う登竜門としての役割を果たしました。さらには、国内外資本の大手カフェチェーンの拡大、ずっと続いているカフェ&スイーツブームが時間をかけてその土壌を作り、同時に、レギュラーコーヒー・ブームの受け皿になって、日本にたくさんのコーヒーラバーを生み出してきました。
では、おいしいコーヒーを飲みたい、自分で淹れたい”と考えたとき、そのための条件というか、コーヒーのおいしさを決める要素は何か?について考えてみましょう。それは大きく分けて3つ。「コーヒー豆のポテンシャル」「焙煎技術」「抽出技術」です。もちろん、コーヒーを飲むカップの色や形、シチュエーションやロケーション、耳に入ってくるミュージック、一緒に食べるスイーツなど、その他の要素というか変数を挙げはじめるとキリがありません。ここでは、「おいしいコーヒーを淹れる」というストイックな目的に絞って、考察させていただきます。
コーヒーの味の70%は豆のポテンシャルで決まる
上記の割合がRoCoBeLが考える、美味しいコーヒーを抽出するための貢献度(必要条件)の割合です。この図を見て、「もっと抽出(技術)の割合が高くてもいいのでは?」と思った人も多いと思います。確かに、抽出方法にはペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォン、フレンチプレス、水出し、煮出し、エスプレッソ・マシンなどさまざまな種類があります。また、そのための器具も千差万別。ペーパードリップだけでもたくさんの種類と特性を持ったドリッパーが発売されています。さらに、ハンドドリップの場合、コーヒーの味を左右する変数は豆の粒度(挽いた粉の細かさ)、お湯の温度、蒸らしの時間、お湯を注ぐスピードと量の配分、お湯の注ぎ方などたくさんあります。エスプレッソ・マシンでの抽出でもマシンの設定によって味は大きく変わります。同じコーヒーの焙煎豆を使っても、抽出の技術の差でおいしさは大きく変わる。まさに、抽出の要素はコーヒーの味を決定する大きな要(かなめ)、最後の砦(十分条件)といっても過言ではありません。だから、割合はもっと大きくても良いのでは?と考える人もいるでしょう。しかし、そこで生み出される味の差はあくまで同じ豆を使った場合の話。低品質のひどい豆(結構な割合で流通しています)や下手な焙煎の豆を使った場合、凄腕のバリスターや経験豊かな喫茶店の(髭の)マスターがどんな技術を駆使しても、おいしいコーヒーを淹れることはできません。
同じことは焙煎でもいえます。
コーヒーの基本価値(Basic value)に次ぐ第2、第3の価値を創造
さて、これまで長々と説明してきた「おいしいコーヒー」というのは、いま、多くのコーヒーラバーが求めている重要なコーヒーの価値です。この価値をRoCoBeLではコーヒーの「基本価値(Basic value)」と呼んでいます。それは、コーヒー農家や生産者、さらには焙煎所、喫茶店やカフェ、家庭で抽出する人などさまざまな役割の人たちの協働作業によって生み出される価値です。RoCoBeLの場合は「ミャンマー産/無農薬・化学肥料不使用・自然農法/厳選したコーヒーチェリーだけを使用/CQI(Coffee Quality Institute)が定めた国際的なコーヒー品質ガイダンスに基づいた丁寧な精製/万人が飲みやすい・飲みなれたフルウォッシュド製法の豆/G1ランク/SCA(スペシャリティコーヒー協会)が定めた評価基準でスペシャリティ・コーヒーの評価を獲得/独自開発の小型自動焙煎機で焙煎/ドリップバッグは12g入り/誰もが失敗なくコーヒーを抽出できるドリップバッグを主力で販売」などが独自の基本価値(Basic value)になります。
そして、ここまでかなりの尺を費やして説明してきましたが、すいません、今回の記事のテーマはこの基本価値ではありません。本題はこの「おいしいコーヒー」という基本価値に次ぐ第2、第3の新しい価値をRoCoBeLが価値創造したというお話です。

RoCoBeLが考えるコーヒーの第2の価値は「社会的価値(Social value)」です。これまで「Connected Coffee(つながるコーヒー)」を説明する中でご紹介してきた「ミャンマーの女性の自立・地位向上の支援」「産地ユワンガンのコーヒー農家の支援」「コーヒーによるユワンガンの地域活性化支援」「フェアトレード」「日本での障がい者の就労を通じた社会参加の支援」「障がいを持つ人たちにやり甲斐をつくる」...etcです。昨今は「SDGs」というキーワードで注目されている価値です。
これらを一言でいえば「人にやさしいコーヒー」です。
この「社会的価値(Social value)」についてはこれまでも何度か、プレスリリースでご説明してきたので、今回は割愛させていただきます。(詳しくは下記↓参照)
三方・四方...みんなよし。生産者から消費者まで、みんなをつなぎハッピーにする全員参加型のコーヒーへ。拡散・進化を続けるConnected CoffeePR TIMES STORY×
課題に向き合い夢を実現するコーヒー
そして、新しい第3の価値。Connected Coffee(つながるコーヒー)のvalueピラミッドの頂点に位置する価値。それは「夢と志の価値(Dream value)」です。一言でいえば、「課題に向き合い、夢を実現するコーヒー」です。これはさまざまな企業、団体、NPOなどと連携して実現される価値です。例えば、「ミャンマーの子どもたちの未来をつくる(MFCG/ミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会)」「養育施設で暮らす子どもたちが、各々の夢を叶える力を開花させる環境をつくる(Dream Train)」「人にやさしいまちをつくる(流山コーヒーの森プロジェクト)」「誰も排除しないまぜこぜ社会の実現(Get in touch)」「府中市をフェアトレードタウンにしたい(明星高校)」などの「課題に向き合い夢を実現するコーヒー」が誕生しています。

これらのコーヒーの多くはRoCoBeLが勝手に作って・勝手に売って・勝手に還元する『勝手に応援Connected Coffeeシリーズ』から派生したコーヒーです。
誰かのためにリスクを負える人が増えたら世の中はもっと良くなる
課題商店は2025年5月17日にオープンしたばかりの「課題と向き合うアイテムが集まる」小さなお店。JR東小金井駅から中央線の高架下に連なる創業支援施設の集合体「コウカシタ・ヒガコインキュベーション」の中のPO-TOゾーン(N-08)にあります。広さはわずか6㎡。店内に入ると右の壁いっぱいに棚が設置され、そこにはシカ科の野生動物キョンの本革のメガネ拭き、キョンの頭骨アート、愛犬用鹿肉ジャーキー、(以上、有害鳥獣問題に向き合うアイテム)、海洋プラスティックゴミから作られたピアスやネックレスなど1点モノのアクセサリー、各種トレーやコースター、一輪挿し(海洋プラスティック問題に向き合う)、さらには各種メンマ製品(放置竹林問題に向き合う『メンマチョ』)といった、なかなか個性が強すぎて、身近なスーパーやコンビニではまず見かけない。かなりレアなアイテムが並んでいます。その棚に、6月末から新しく『Dream Train Connected Coffee』がラインナップに加わりました。ありがとうございます。
課題商店:184-0002 東京都小金井市梶野町1-2-36 PO-TO N-08
https://www.instagram.com/kadai_shoten/
オーナーの木下実さんは現在38歳。2年前に大手食品卸商社を退職。そこから課題に向き合う挑戦が始まりました。在職中から業務に関連してフードロスに課題を感じるとともに、有害鳥獣の問題にも関心があった木下さんは猟銃免許を取得。
そんな木下さんが起業を決意する勇気をもらったのが、ミャンマーで子ども養育施設「Dream Train」を運営するジャパンハートの創設者・吉岡秀人医師がテレビ番組で語っていた「自分が幸せになりたかったら、人を幸せにするしかない。誰かのためにリスクを負う人が増えれば、世の中はもっと良くなる」という言葉でした。そんなご縁で『Dream Train Connected Coffee』に関心を持っていただき、販売をしていただくことになりました。「少ない知識ながらコーヒー産業の労働搾取や児童労働などの問題は知っていましたし、今回のご縁でより深く勉強することができました。また、障がいを持った人たちの就労支援にも関心がありました(このコーヒーは江戸川区の障がい者就労継続支援A型事業所「東京ソテリアエンプロイメント」で焙煎・製造されています)。さらには尊敬する吉岡先生のプロジェクトにも関わり、応援することができる。
これまで『Dream Train Connected Coffee』はジャパンハートの一部のイベントとRoCoBeLのネットおよびイベントでしか販売していませんでした。課題商店がDream Train販売フレンズの1号店になります。販売にご協力いただく販売フレンズは随時募集しています。よろしくお願いします。
コーヒーの第3の価値「Dream value」はみんなで作り出す価値
2025年7月4日(金)。この日、荒川区東尾久にあるミャンマー ファミリー・クリニックと菜園の会(以下、MFCG)事務局ではボランティアパートナーのみなさんが慌ただしく作業していました。彼らがしているのは2日後の日曜日に東松山市の埼玉成惠会病院で開催される第10回成惠会音楽部チャリティ演奏会での名知仁子MFCG代表の講演と会場でのMFCGグッズ販売の準備。このチャリティ演奏会は毎年開催され、MFCGにとってはビッグイベントの一つ。そして、段ボール箱に詰められたMFCGグッズの中にはこの日に合わせて障がい者就労継続支援B型事業所「アクセシブル北大宮」から届いた『MFCG Connected Coffee』4種飲み比べセット・300セットがありました。この演奏会では昨年もコーヒーの販売を行いましたが、あまり売れませんでした。なので、今回は販売を予定していませんでした。しかし、事前ミーティングで「このイベントを通じてMFCGが伝えたいメッセージは繋がり(絆)の大切さ。このコーヒーはそれを具現化している。だから、ぜひ販売したい」とボランティアパートナーさんから強い要望が出て、急遽、販売が決定。その分、とてもタイトな納期での注文になりましたが、アクセシブル北大宮のみなさんが頑張って、納期に間に合わせてくれました。

コーヒーのセットにはボランティアパートナーさんの手書きの熱いお礼メッセージが同封されます。まさに「絆のコーヒー」ですね。
「このコーヒーはとてもおいしい。ミャンマーにはこんなおいしいコーヒーがあることを知ってもらいたくて、企画し販売を始めたのがMFCGコーヒーです,..,。それが1年経って、みんなが絆を感じるコーヒーという観点で改めて眺めてみると、確かにそうだなと思いました。ボランティアパートナーさんたちから気づきをいただきました」と名知代表は振り返ります。そして、演奏会の当日、コーヒー販売コーナーは大盛況になりました。そこには陣頭に立って接客し、コーヒーの試飲を提供している名知代表の姿もありました。コーヒーを通じてみんなが絆を感じているひとときの時間が流れていました。

みんなが制作や販売に参加し、自らも消費するコーヒー
『MFCG Connected Coffee』はいろいろな人たちがそれぞれの立場で企画や販売に参加し、コーヒーの第3の価値「Dream Value」を実現しています。例えば、「ミャンマーと日本をつなぐ小さなかけはし」として活動している「みんがらネットワーク」では、ミャンマーカルチャーイベント等のメルマガを発行するほか、東京・中野にてミャンマー料理のカフェ「みんがらカフェー」と「ジークェ」を約月1回のペースでオープンし、『MFCG Connected Coffee』を飲料で提供するとともにドリップバッグで販売もしていただいています。「毎回、ミャンマーに縁があったり、関心が高い常連のお客様に混じって、通りすがりの若い人たちの来店もあり、コーヒーはとても好評です。コーヒーを通じて、ミャンマーや当会の活動に興味を持っていただいたり、MFCGのことを知る機会になっていると思います」とオーナーの鈴木貴子さんは語ります。MFCGのコーヒーが「ミャンマーと日本をつなぐ小さなかけはし」の役割を担っているそうです。
みんがらネットワークが中野のシェアカフェ「una camra livera(東京都中野区中野2-12-5 メゾンリラ101)」で不定期でオープンしている「みんがらカフェー」と「ジークェ」
https://www.instagram.com/mingalar_network/
写真はミャンマーのデザート「モンロンイエポー」とMFCGコーヒー。(撮影:中西アキオ)
そして、みんがらカフェーやジークェの他にも、荒川区の「フェルメール」、神戸の「Nagasakiya Roastery」などのカフェ、さらには足立区のNPO「ぷらちなくらぶ」や「東京YWCA」「大和田園ロータリークラブ」「石巻サンファンソロプチミスト」など(全て紹介できなくてすいません)さまざまな団体が購入し、自らのイベントなどで販売していただいています。中には、自費で大量に購入し、同窓会で配布したという人も。こうしたみなさんのおかげで、MFCGコーヒーの第3の価値「Dream value」は生み出されていきます。
Connected Coffeeの価値はどこで決まるのか?
世の中にはおいしいコーヒーはたくさんあります。RoCoBeLのConnected CoffeeはSCA(スペシャリティコーヒー協会)が認定するコーヒーの品質を評価する国際資格「Qグレーター」を取得した専門家によって毎年、カッピングテストが実施され、スペシャリティコーヒーと認定されたコーヒーを原材料として製造されています。とはいえ、世界は広い。上には上のコーヒーがあります。もちろん「世界一」を目標に、コーヒー農家、生産者のみなさんの挑戦は続きます。そして、コーヒーの第1の価値「基本価値(Basic value)」は彼らミャンマーの生産者のみなさんと私たち、焙煎や販売に携わる販売者が協働して創り上げる価値です。いくらスペシャリティコーヒーの豆でも上手に焙煎し、その魅力を伝えきれなければ価値はありません。それは、第2の価値「社会的価値(Social value)」や第3の価値「夢と志の価値(Dream value)」についても同様です。ただし、第2の価値「社会的価値(Social value)」や第3の価値「夢と志の価値(Dream value)」においては、さらに、コーヒーを飲む消費者も参加して、社会全体で創り出す消費者参加型の価値創造という点が大きな特徴になります。
それぞれの価値をどれだけ評価いただけるのか、コーヒーの何に価値を感じて飲んでいただけるのか? それは消費者のみなさんが判断することであり、価値を押し売りしたり、押し付けたりしてはいけないと思います。ただ、RoCoBeLとしては、ミャンマーの生産者と一緒に、第1の価値「基本価値(Basic value)」を高めていくとともに、RoCoBeLのコーヒーの強みである第2の価値「社会的価値(Social value)」、第3の価値「夢と志の価値(Dream value)」をブラッシュアップしていきたい。そして、他のコーヒーにはない新しい価値創造への挑戦を今後も継続していきたいと考えています。
◆イベント出展のお知らせ
9/24-27に東京ビックサイトで開催される「SCAJ 2025」に出展します。https://scajconference.jp/news/0001
当日はミャンマーの生産者代表Su Su Aungさんも来日し、会場で日本の消費者のみなさんとの交流を行います。また、合わせてRoCoBeLの小型自動焙煎機の発表と利用申込受付も行う予定です。
本リリースに関するお問合せ:info@rocobel.com 担当 宮崎・長田
Connected Coffeeの販売サイト:https://shop.rocobel.com/
※Connected Coffee(つながるコーヒー)はビーンズ・コネクティッド株式会社の登録商標です。無断使用はご遠慮ください。