空調機用熱交換器のアルミフィン水平リサイクル技術を実証


日本磁力選鉱株式会社(本社:福岡県北九州市、代表取締役社長:原田 信、以下 日本磁力選鉱)、ダイキン工業株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長兼COO竹中 直文、以下 ダイキン)、株式会社UACJ(本社:東京都千代田区、代表取締役:田中 信二、以下 UACJ)は、このほど、空調機の熱交換器の水平リサイクル技術を共同で実証しました。空調機のアルミフィンの再生技術の実証実験の成功は、業界で初めてとなります。


従来、空調機の熱交換器には、加工しやすい純度の高いアルミ材が用いられますが、使用済み熱交換器のアルミフィンのリサイクル物には銅や不純物が含まれ、自動車エンジン部材向けなど、他の用途へのダウングレードリサイクルしかできていませんでした。一度ダウングレードされたアルミ材を元のグレードに戻すことは難しいため、リサイクル前と後で用途を変えない水平リサイクルでの資源循環の方法を模索してきました。このたびの実証では、アルミと銅の選別の精度と、アルミ材のプレス成形のしやすさの向上により、リサイクル後のアルミフィンを使用した熱交換器を生産ラインで製造することに成功しました。
リサイクルでアルミを製造する際のCO2排出量は、新地金から製造する際と比較して97%削減できるとされています。今回実証した水平リサイクル技術によって、熱交換器用アルミフィンのライフサイクル全体におけるCO2排出量の大幅な削減に貢献します。


【確立した技術と今後の取り組み】
熱交換器は、空調機において空気を冷やしたり暖めたりするための重要な部品の一つで、内部の銅管を流れる冷媒の熱を、アルミフィンを通じて空気に伝えます。使用済み熱交換器のマテリアルリサイクルでは、一般的に熱交換器をシュレッダーにかけて細断し、使用されているアルミ・銅・鉄などが金属毎に選別されますが、選別されたアルミの成分に、銅やその他不純物が含まれてしまい、高い加工性が求められる熱交換器用フィン材への水平リサイクルは困難でした。


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図1 熱交換器のマテリアルリサイクル工程


そこで、リサイクルサイトを運営する日本磁力選鉱は、アルミと銅の高度選別技術を開発し、当初3%程度あった銅成分を0.1%以下にまで低減することに成功し、素材メーカーのUACJは、銅をはじめとする不純物成分が含まれる場合に課題となるプレス成形性を改善したアルミ材を開発しました。最終的に、そのアルミ材を用いて、ダイキンがフィンプレス成形、熱交換器製作までを行い、使用済み熱交換器から新しい熱交換器への水平リサイクルができることを実証しました。


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表1 日本磁力選鉱で実証したアルミの高度選別結果


まず、ダイキンの工場やアフターサービスで産業廃棄物処理を行っている使用済み熱交換器を対象に、再生アルミを活用した熱交換器の量産化に向けて取り組んでいきます。その後、業務用空調機など、家電リサイクル法の対象でない機器や部品を対象に、順次、回収・再生量を拡大していきます。


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図2 熱交換器の水平リサイクルループの構築


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