固体電池分野での緊密な連携による重要な進展
新たなCAM技術により、エネルギー密度と安全性が向上
わずか1年で構想から量産化へ
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)はBeijing WELION New Energy Technology Co., Ltd. (北京ウェリオン・ニューエナジー・テクノロジー、以下ウェリオン社、本社:中国 北京)との協力により、半固体電池向けの正極材(CAM)の大量生産分の初回ロットを納入しました。これは固体電池の産業化に向けた重要な一歩となります。
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BASFバッテリー事業本部、半固体電池向け正極材(CAM)の大量生産分の初回ロットを納入。
Photo: BASF
新エネルギー産業の急速な発展に伴い、市場では電池に対し、より高いエネルギー密度とさらなる安全性の向上が求められています。 半固体電池をはじめとする固体電池は、次世代電池テクノロジーとして幅広い注目を集めています。
ウェリオン社は、主に電気自動車、エネルギー貯蔵、ドローンや電動工具などの用途に用いられる固体電池技術の研究開発において、40年以上の実績を持つ先駆者として知られています。BSBMは、BASFとShanshanがそれぞれ培ってきた20年以上にわたる正極材の開発と製造の専門知識を有し、固体電池の重要な課題に対処する技術力を備えています。
2024年8月のプロジェクト開始以来、両社はシームレスなチームワークと技術向上に対する共通の取り組みにより、わずか1年で構想から量産化を実現しました。BSBMの研究開発チームは、CAMと固体電解質間の界面問題を解決するため、独自の複合コーティング層を備えた超高ニッケルNCM(ニッケル・コバルト・マンガン)正極材を開発しました。これは、容量の増加と抵抗の低減によりエネルギー密度を高めるだけでなく、CAMと電解質の界面における副反応を抑制することで、サイクル特性とカレンダー寿命も向上させます。この提携の成功は、次世代の先進電池に向けた真のマイルストーンと言えるでしょう。
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半固体電池をはじめとする固体電池は、次世代電池テクノロジーとして幅広い注目を集める。
Graph: WELION
BSBMの最高技術責任者であるDr.シン・シアは次のように述べています。
ウェリオン社のゼネラルマネージャーであるDr. ジン・シアン氏は次のように述べています。「BASFの堅牢な技術と迅速な対応に感銘を受けました。固体電池業界をリードするメーカーとして、当社は次世代の半固体電池にBASFの正極材を採用していきます。今後も、国内外におけるさらなる共同プロジェクトを楽しみにしています。」
BASFバッテリー事業本部のシニアバイスプレジデントであり、BSBMのCEOであるデズモンド・ロングは、次のように述べています。「ウェリオン社からの信頼に心より感謝申し上げます。今回の提携は当社の電池材料事業における重要なマイルストーンであり、固体電池分野における大きな前進となります。今後もウェリオン社との協力関係をさらに深め、固体電池技術において共にさらなるブレークスルーを達成できることを楽しみにしています。」
今回のマイルストーンは、ウェリオン社とBASFで次世代電池技術の開発、商業化、そして大規模な産業化を加速させていくという、両社のコミットメントを反映するものです。ウェリオン社の固体電池における先駆的な専門知識とBASFの先進的な材料イノベーションを組み合わせることで、両社はより安全で高エネルギー密度のソリューションに向けた有意義な進化を推進しています。半固体電池用の正極材の納入に成功したことは、両社のグローバルな協業における戦略的な進展を象徴するものであると同時に、電池業界における今後のブレークスルーの基盤を築くものです。
※この資料はBASF本社(ドイツ)が2025年9月1日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
※このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
■BASFバッテリー事業本部について
BASFの電池材料事業は、リチウムイオン電池向けの先進的な正極材(CAM)におけるグローバルリーダーです。当社は、世界有数の電池メーカーやOEMプラットフォームに対し、それぞれのニーズに合わせた高性能ソリューションを提供しております。当社のポートフォリオには、ベースメタルの調達・管理に加え、さまざまな電池リサイクルソリューションも含まれています。当社は業界トップクラスの研究開発プラットフォームとイノベーションへの情熱を活かし、お客様の成功を推進し、エレクトロモビリティへの移行を支援する独自のソリューションを開発しております。また、国際的な生産・研究開発拠点により、高品質な材料の安定供給と、世界中のお客様への現地対応を実現しております。詳細はhttps://www.battery-materials.basf.com/
をご連絡ください。
BASF Shanshan Battery Materialsは、BASFとShanshanが2021年に設立した合弁企業であり、正極材の独自研究開発および生産を専門としており、バッテリー材料産業に20年以上にわたり深く携わってまいりました。同社は強力な技術革新力を有しており、BASF Shanshan Battery Materials Research Instituteは世界有数の国際的な研究・イノベーションセンターとなっております。同社の主力製品は、電池用正極材料(三元系、コバルト酸リチウム、固体電池材料、マンガン酸リチウム、リチウムリッチマンガン、ナトリウム電池など)および前駆体であり、電気自動車産業、家電産業、その他の分野で広くご利用いただいております。詳細はhttps://www.bsbm.com/
をご覧ください。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。私たちは、持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。
をご覧ください。
■ WELION New Energyについて
Beijing WELION New Energy Technology Co., Ltd.は、2016年に設立され、北京市房山区に位置する、中国科学院物理研究所の固体電池生産・育成センターです。同社の主な事業は固体リチウムイオン電池であり、研究開発、生産、市場、販売などを網羅しています。ウェリオン社は固体電池産業において40年以上の研究経験を備えており、固体リチウム電池産業分野で複数の「初ブレークスルー」を達成しています。詳細は https://www.solidstatelion.com
をご覧ください。
本件に関するお問合わせ先
BASFジャパン広報事務局 (カーツメディアワークス内)
TEL: 03-6427-1627
basf@kartz.co.jp