リアル空間をデジタル化、ビルのIoE化推進も
米・スタンフォード大学発のスタートアップであるエイターリンク株式会社(以下、エイターリンク)は21日、独自の技術を用いた空間伝送型ワイヤレス給電ソリューション「AirPlug」について、2024年4月1日より一般発売を開始すると発表した。

「AirPlug」は、電波を用い、リアルな人の居住環境に配線のないワイヤレス給電空間をつくるソリューション。
最大17メートル以上の給電距離に加え、移動体に対しても給電可能な角度依存性の低い独自送受電技術を備えている。これにより、あらゆる場所で誰もが利用できるデジタルツイン環境を構築可能になるという。

中でも、ビルマネジメント領域における活用が期待される。たとえば、配線なしでオフィス空間内に複数のセンサーを配置、センサーが取得した人近くの環境情報をもとに、ビルシステムを統合制御するといったことができる。

実証実験では、こうした手法を採ることで、空調コストを約26%削減しつつ、オフィスワーカーのストレスを低減、快適に働ける環境を作ることができたという。

ビル管理システムと連携可能、便利でスマート・低環境負荷
システムの送電機は、「AirPlug PowerTx-C」と「AirPlug PowerTx-D」の2種類。


前者は天井に細いスリッドをあけ、埋め込み設置するタイプとなる。空間内の意匠を損なうことなく、短時間の設置工事で導入できる点がメリットだ。

後者は照明用ダクトレールに工事不要で簡単に設置できるタイプ。既存のオフィスや施設リノベーション、セットアップオフィスなど、幅広いユースケースに対応し、より手軽に導入できるメリットがある。

「AirPlug Sense-T」は、机の上やパーティションなどに置いて用いるデバイス。センサー周辺の温度・湿度・センサー位置情報を感知し、空調の自動調節を実行する。
配線などがないため、レイアウト変更も簡単だ。

システムは、これらの機器とデータオーガナイザーの「Sumit」によって構成される。IoTセンサーから得られたセンシングデータは送電機を通じて集約、この「Sumit」が分析・解析を行い、制御データなどへと変換して制御システムに情報を送る。

ゲートウェイを通じ、導入ビルの管理システムと連携可能ともなっており、ビルのIoE化を推進できるという。エイターリンクでは、リアル空間をデジタル化して空間情報をフル活用し、空間の最適化やコスト削減、環境負荷の軽減を図っていきたいとした。

(画像はプレスリリースより)

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