新手法を開発し実証、国際論文誌に成果発表
株式会社SOXAI(以下、SOXAI)は13日、小型ウェアラブルデバイスでの高精度心拍数検出にかかる新手法を開発、実証し、その研究成果が国際論文誌「Sensors」に掲載されたことを発表した。

成果を活用した日中活動時の「心拍数取得」機能は、同社のデバイス「SOXAI RING」に3月4日から実装されている。


質の高い睡眠は就寝中の状態だけでなく、日中の過ごし方とも関連が深い。たとえばウォーキングなどの心拍数が上がる活動は、体内の睡眠圧を高めて深い睡眠を促すほか、入眠をスムーズにして体内時計を整えるなど、睡眠の質向上に寄与することが分かっている。

そこでSOXAIでは、最新のバイタルセンシング技術を活用し、日中行動も含めた睡眠管理の実践を提案していくという。

近年のスマートウォッチをはじめとするウェアラブル端末では、RAMが数GB、ROMで数十GB、クロックスピードはGHz級といった高性能チップの搭載が標準的になってきている。こうしたデバイスであれば、大容量のメモリと高速計算能力を活かして複雑な学習モデルや高度な信号処理を前提としたアルゴリズムを搭載できる。

しかし「SOXAI RING」のような指輪サイズのデバイスの場合、搭載可能なチップの性能はRAMで数百KB、ROMが数MB、クロックスピードにして数十MHzといったレベルに限られる。これは計算能力にして千分の一から一万分の一以下になるものだ。

こうした圧倒的スペック差のある中でも、スマートウォッチなどと同等、あるいはそれ以上の制度を実現するには、限られたハードウェア性能の中でも制度を維持できる、革新的なアルゴリズム設計が不可欠であり、SOXAIではその開発を目指した。

そして従来のディープラーニングのような計算リソースを他医療に必要とする手法に頼らずとも、同程度の性能を有し、リングのようなデバイス制約下でも実装できる超軽量で高精度なアルゴリズムの開発に成功した。これは学術的にも産業的にも大きな意義を持つとされている。

従来手法より約20%の制度改善を達成
研究論文では、まず指輪型のデバイスにおいて、加速度センサーと光学式心拍センサーを組み合わせることにより、活動時のノイズ耐性を高めつつ、心拍数の制度を維持することに成功したことが示された。

そして従来手法では必要不可欠だった複雑なディープラーニングモデルを用いず、低計算コストで同等あるいはそれ以上の精度を達成することを実証、複数の被験者データを用いた比較実験により、既存の商用ウェアラブルと同等以上の制度を示す結果とともに報告している。


今回、実証された新手法の「SAB-HRT」では、既存手法と比較して心拍推定の精度が圧倒的に高い結果が出ており、従来比で約20%以上の精度改善を記録、誤差のバラツキも小さく安定した推定機能を示すことが確認された。

「SOXAI RING」では、これまでも就寝中や安静時の心拍データについては、高精度で取得できることが保証されていた。よって睡眠指標やストレス指標の推定では、すでに国内最高水準の性能を提供してきていたが、ユーザーからは歩行中やランニング時など活動中の心拍についてもより正確に測りたいという声が多く寄せられていたという。

しかし活動時は身体の動きによるモーションノイズがセンサー信号に影響を与えやすく、リソースが限られる小型の指輪型デバイスでは、その信号から正確な心拍数を抽出することが長らく困難とされてきていた。

今回の技術開発により、活動時の心拍数も高精度に取得可能となり、運動強度管理やランニングのパフォーマンス解析、VO2MAX推定、消費カロリーの推定精度向上、有酸素運動・無酸素運動の境界判定などにも「SOXAI RING」が活用可能になると見込まれている。

新たに実装された「心拍数取得」機能では、睡眠時はもちろん運動中の心拍数も高精度に取得可能で、運動強度をユーザーが数値で把握可能となり、日々のトレーニングや健康管理指標として役立てやすくなった。

研究で示されたアルゴリズムは、国際的に比較しても世界最高精度クラスであるといい、将来的にはさらに多様な活動データ解析の基盤技術となることも期待されている。

SOXAIでは今後も研究開発を推進し、ウェアラブルデバイスを通じた健康モニタリング分野での貢献を果たしていきたいとしている。

(画像はプレスリリースより)

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