■ 「誰の視点からの意見か」が不明確なAI分析の課題を解決
近年、多くの企業でデータ活用が進み、AIによる分析支援も一般的になりつつあります。しかし、従来のAIによる分析コメントは、「誰の視点からの意見か」が不明確なため、利用者が自身の立場や目的に照らして解釈しにくいという課題がありました。例えば、同じ売上データでも、経営層が求める中長期的な示唆と、現場担当者が必要とする短期的な対策でも、求める回答は異なります。 NRIは、このAIからの応答における「視点の不明確さ」という課題を解決するため、AIに「役割(ペルソナ)」と「性格」を持たせ、利用者が必要とする視点からの分析コメントを生成する本システムを開発しました。これにより、利用者は優秀なアドバイザーと対話しているかのように、自身が求める視点から深い洞察を得ることが可能になります。
■ 役割と性格のカスタマイズ、対話による深掘り分析を独自技術で実現
本システムは、NRIの独自技術(特許出願中)により、以下の3つの特長的な機能を実現しています。
1. 役割(ペルソナ)の選択機能
利用者は「経営層」「経営アナリスト」「ステークホルダー」といった役割を選択するだけで、AIがその立場になりきってデータを分析します。これは、各役割の思考様式を模倣するプロンプト技術と、それぞれの役割に応じた補足情報データベースを組み合わせることで実現しており、通常の生成AIのプロンプト(指示文)による指示と比較して、より一貫した回答を得ることが可能になります。この補足情報には、公開情報だけでなく、企業の社内文書や議事録などを取り込むことも可能です。
2. 性格のチューニング機能
各役割が持つ性格について、例えばペルソナのポジティブさとネガティブさの比率などを、利用者が自由に調整できます。
3. 自然言語による対話型の深掘り分析
AIの解説に対して、利用者が「この数値が変動した背景を詳しく教えて」「関連するデータをグラフで示して」といったように自然言語で問いかけると、AIが追加のグラフを自動で生成します。これにより、分析のサイクルを高速化し、利用者は思考を中断することなくデータの深掘りができます。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000328658&id=bodyimage1】
本システムは、分析ダッシュボード型の独立したアプリケーションとして提供できるほか、既存の情報分析システムにモジュールとして追加導入できるよう設計されています。
NRIは今後も、AIをはじめとする先端技術の研究開発と社会実装を通じて、データに基づいた業務プロセスの高度化と企業価値向上に貢献していきます。
配信元企業:株式会社野村総合研究所
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