梵天がスタンダードだとそう信じていた。耳かきの話だ。


しかし最近、耳かきコーナーを覗いてみればスクリュータイプだの、三連タイプだの、見たことも無いタイプの耳かきがズラリ。

素材も金属やゴムなど種類豊富で、かつては竹一辺倒だった耳かき界に新風が吹き荒れている。
はたして現在、一体どんな耳かきがあるのか。耳かき専門店である、耳かき亭さんに伺ってみた。

まずは最近よく見かける“スクリュー型”。これは西洋型と呼ばれ、まるでネジのような切りこみの入った先端が特徴的。
張りついた垢をこそげ落とせることから、どちらかと言うと耳垢が湿っぽい人に向いているのだとか。
次に、細いワイヤーが重なった立体構造の“三連タイプ”。これはスクリュー型と異なり、耳垢が乾燥しているタイプに開発されたもの。耳当たりが優しいため、柔らかな感触を好む人や小さな子供にもオススメだと言う。

もちろん竹素材の匙耳かきは不動の人気だが、こちらは飾りが付いたものや名前入りのものなど、付加価値のあるものが評判の様子。

そして現在インターネット上で人気の耳かきは、と伺えば、
「紫檀や黒檀等のハードウッドを使った素材のものですね。
一般的な匙タイプですが堅い素材なので長期の使用に耐え、耳垢をかき集めてくれる微妙なカーブ加減が評判です」
素材からこだわった、そんな耳かきまで市場を賑わしている。

どの耳かきにも言えることなのだが、先端が太いタイプのものだと耳垢を奥へ押し込んでしまう危険性があるそうだ。
しかし、一概に太い物が悪いと言うのではない。まずは細めの耳かきで大きな垢を取ってしまい、そのあとに太めの耳かきで細かな部分を取っていくなど、使い分けが重要だそう。

そんな耳かきは、掃除も忘れずに行いたい。
ティッシュで先端を拭うだけでもいいけれど、薬用石けんや消毒液をティッシュに含ませて拭うとより衛生的。ただし竹製のものは濡らすとカーブが緩くなってしまう可能性もあるそうなのでご注意を。

ところで、家に耳かきは何本あるだろうか。
上記のように耳垢のタイプによって使い分けしたい点、そして衛生面も含めて自分専用“マイ耳かき”を持つ方が、より安心なのだとか。

しかし、気になる話もある。
「毎日耳かきをしなければと思っている人も多いですが、それほど行う必要はありません」
とは耳鼻科の先生の談。
耳かき独特の心地よさが癖になり毎日行う人もいるそうだが、必要以上に行ったり力を込めすぎると耳の中や鼓膜を傷つけてしまう危険性もある。
なんでも過ぎたるは及ばざるがごとしだ。

さらに、「これから花粉症のシーズンに入ると花粉の影響で耳が痒くなり、普段より耳かきをしてしまう人も多いようです」と、花粉症の人にとってはちょっと辛い季節到来。

せっかくいろいろな耳かきが登場する昨今。自分にあった耳かきを探しつつ、適度な掃除で快適な耳かきライフを目指してみては。
(のなかなおみ)
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