でも、何でもかんでもストレートに丸かじりできるワケではない。皮を剥かなきゃいけなかったり、種がいちいちジャマだったり。全ての食べ物が「ガブッ」とイケたら最高なのに。
じゃあ、もしカボチャが丸かじりできたなら? 実は、そんな新カボチャが開発されたという。野菜のネット販売を行う「Oisix(おいしっくす)」が発売する『かぼっコリー』が、まさにソレ。普通のカボチャには、表面にいかにも堅そうな皮が待ち構えているが、全部含めてそのまままるっとイケる。
この新野菜を開発したには、ある1つの農家のドラマが。
大分県で完熟カボチャを作り続けている青井さん親子。しかし、カボチャの売れ行きは伸び悩んでいた。理由は「堅いから切るのが面倒」、「種をとるのが面倒」。そこで、青井家の息子さんが「若い人にも受け入れられ、時短で食べられるカボチャを作ろう!」決意。結果、皮も種もサラダのようにして食べられる『かぼっコリー』の開発に至る。
……と簡単に言うが、成し遂げられるまでには、かなりの長い月日が。始まりは、3年前。そして、販売は今年の6月。商品化に至るまでは、数々の失敗と挫折が積み重ねられている。
そんな努力の結晶は、食べてみるとどんな感じなのか?
「カボチャなのに、コリコリッとした食感が特徴です。味はほんのりとした甘さがあります」(担当者)
これは食べてみるしかないだろう。早速、取り寄せて味わってみました。
いざ手に取ってみると、今まで慣れ親しんだカボチャよりも一回り小さいような。さすがに、そのままかぶりつくのに躊躇する。だって、その皮が先入観でどうしても堅そうに見えるから。
しかし、意を決してガブリ! すると、口の中に広がる瑞々しさ。
なるほど、この味とフレッシュさは特にサラダに最適な気がする。
それにしても、どうしてこんな事が可能になった? あのカボチャが生で食べられるなんて。
「かぼっコリーは、果肉がやわらかく、コリコリ食感を楽しめる状態で収穫することが大切です。その収穫のタイミングはとても難しく、カボチャを熟知している農家さんが丁寧に一個ずつ開花時期・色目や大きさを計っております。そうして、生で食べる一番良い状態で収穫し、そのままで食べることを可能にしました」
購入した方からは、「コリコリとしておいしい」「こんなカボチャ初めて!」「皮も種も食べられるから、栄養面で良い」「包丁で簡単に切れる」といった声が寄せられている。
この『かぼっコリー』は、6月17日から8月いっぱいの限定発売の予定。
また、この新カボチャは何も丸かじりするためだけの野菜ではない。同社がオススメする頂き方はあるのだろうか?
「かぼっコリーは夏にあまり使いたくない“火”を使わずに調理できる、夏にオススメの野菜です。なかなか黄色の野菜はないと思いますが、かぼっコリーは黄色ですので“黄色”を加えてとっても華やかな食卓が演出できます」
火を使わずに、サラダとして活用。調理法は切るのみです。