いよいよ花粉シーズン到来。

くしゃみや鼻水、鼻づまりなど、どれも辛いけれど、気になるのは「鼻水」と「鼻づまり」の症状の違いだ。


市販薬にはたいてい「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」と書かれているが、鼻水がダラダラ出てしまうのと、詰まるのでは、真逆の状態にも思える。
また、自分の場合は、「くしゃみ→鼻水→鼻づまり」の順にくることが多いのだが、これって「鼻水が出る」時期を経過して、症状の進んだ段階として「鼻づまり」になるってこと? 都内の耳鼻科医に聞くと……。

「鼻水、鼻づまり、そもそもどちらも『防御反応』です。鼻にウイルスなど異物が入った場合、それを外に出そうとして、洗い流すために『鼻水』が出ます。また、それ以上ウイルスなどの異物が入らないように、鼻粘膜の血管が拡張し、鼻が腫れた状態となるのが『鼻づまり』で、鼻腔内を狭くしているわけです」

クスリを使用する場合、「鼻水」は「流れるものを止めること」が必要で、「鼻づまり」は「詰まっているものを通すこと」が必要となる。それらは別のことの気がするけれど、そもそも治療薬は同じで良いの?
「鼻水には基本的に抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤を使いますが、鼻づまりには血管収縮剤を使うのが一般的です。鼻水、鼻づまりの順番は特にありませんが、一般的には鼻水→鼻づまりになる人が多いようです」

では、市販薬の場合の使い分けは? 製薬会社に聞いた。
「市販薬の場合、鼻水、鼻づまり、どちらでも1つあれば、どのタイミングでも問題なくお使いいただけるようになっています。ただし、鼻が詰まる場合には、内服薬よりも、シュシュッとスプレーする点鼻薬のほうが即効性があるといって、使い分ける方もいらっしゃいますね。また、点鼻薬も多少眠気が出る場合もありますが、内服薬に比べると眠気が出にくいことから、日中は点鼻薬を使用するなどの使い分けもあるようです」

市販薬のパッケージには「鼻水、鼻づまり」などと書かれているけど、先に書かれた症状のほうが、より強化されているということ?
「いいえ。市販薬なので、成分量には上限があります。正直、風邪薬などは、成分が大きく異ならない限り、違いが大きくあるわけではありません。
ですので、段階によって使い分ける必要はありませんが、症状によりピッタリのものを見つけたい場合は、入っている成分をチェックされると良いと思いますよ」

たとえば、鼻水の場合、鼻づまりの場合は、それぞれどんな成分が入っているものなのか。
「鼻づまりの場合は、鼻の粘膜が充血してしまっているので、血管を収縮させる塩酸プソイドエフェドリンなどが使われることが多いですね。また、鼻水は、炎症をやわらげるため、クロルフェニラミン酸塩などが使われることが多いです」
ただし、いずれも長期服用すると、副作用などの危険性もあるので、注意は必要だそう。

また、薬局で購入する際に、詳しい症状を伝えて、各メーカーの特徴から症状に合ったものを教えてもらうのもお勧めだという。

どちらも辛い「鼻水」と「鼻づまり」。少しでも和らげるために、クスリも上手に使いたいものです。
(田幸和歌子)
編集部おすすめ