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投票締切直前、書評家・杉江松恋が大胆予想! 本年度本屋大賞受賞作はこれだ!(前編)

投票締切直前、書評家・杉江松恋が大胆予想! 本年度本屋大賞受賞作はこれだ!(前編)
『ふがいない僕は空を見た』窪美澄/新潮社<br />「女による女のためのR18文学賞」受賞作の「ミクマリ」を起点とする5篇の物語。個人的には受賞してほしい小説
杉江松恋です。
このエキレビでは豚を焼いたり東方をしたり穴に入ったりしているので、私のことを色物ライターと思っている人もいると思うけど、本当は書評家なんだよ(知ってた?)。
今回は自分の原点に戻り、まもなく2次投票が締め切られる(2月28日までらしい)本屋大賞の候補作をすべて読んで自分なりに受賞作の予想をしてみた。以下、私自身の「評価」で、それとは関係ない投票の「予想」である。当てにいくぞ!

『キケン』有川浩
(内容紹介)
成南電気工科大学には「機械制御研究部」が存在する。略称は「機研」だが、それを「危険」の意で発言する者が学内には多かった。部長の上野直也は「成南のユナ・ボマー」と呼ばれる若きマッド・サイエンティスト、副部長の大神宏明は「大魔神」の仇名のとおり、そこにいるだけで周囲に威圧感を与える男だ。本書は、この二人の危険人物に率いられ、「キケン」が黄金時代を迎えた日々のことを描いた連作短篇集である。新入生歓迎会やロボコン、学園祭など、さまざまなイベントがエピソードとして描かれ、中心となる人物は毎回変わる。群像劇を意図した構成で、ギャグも豊富である。
(評価)
本書を読んで真っ先に思い出したのが、ゆうきまさみ『究極超人あ~る』だった。私と同じように、学園漫画を連想した読者は多いはずである。社会人となった登場人物の一人が過去を連想する形式で書かれており、大人が読むと郷愁回路が働いて、自分の学生時代を作品に重ね合わせてしまう(特に大学の文化系サークル出身者)。なかなか心憎い仕掛けである。特に戯画化された形で書いてある文化祭のエピソード(「三倍にしろ!)は、きちんと卑劣な敵役まで設定され、主人公の目標達成イベントに仕立て上げられている。エンターテインメントとしての作りこみの濃さは、この作者の特徴であり、目だった弱点はない。私が違和を感じたのは、物語の結びだけ。文化系サークル出身者って、もっと大学時代のことを引っぱると思うんだよなー。

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