当然ながら、「-か◯」のどちらかが「切る」で、もう一方が「入る」を表すわけですが、これがなかなか頭の中のイメージと結びつかないのです。例えば、台形と平行四辺形を見せられて、どちらかが「切る」で、もう片方が「入る」ですよと言われているくらい、判断に悩む選択です。あえて言うならば、「-」は消えているイメージ、「◯」は電源が入っているイメージを抱きがちですが、ドイツではちょうど逆。「-」は「点灯」で、「◯」が「消灯」を表す記号です。
「◯」という形を見たドイツ人は、日本人のように「丸」とか「円」ではなくて、数字の「ゼロ」を思い浮かべるようです。確かにドイツでは、血液型のO型も「ゼロ型」と呼ばれていますから、「◯」は即座に「無」を連想させる記号なのでしょう。しかも、選挙の投票用紙にしても、アンケートにしても、該当する欄に記入するのは、◯印ではなくて×印。テストの解答が正解でも、丸は決してつけません。つまり、×印こそが「正しいもの」なのであって、◯印に対してポジティブな印象は持たないわけです。