子供のころ、恐竜などの飛び出す絵本に結構感動したのをよく覚えている。バーチャル3Dと違って、手で触れるし、つぎはどんな絵が飛び出すかページをめくるのが楽しみだった。
「そんな子供のころのあの感動をもう一度」というわけで、筆者の年代(団塊ジュニア)にとっては懐かしいアイテム「絵が飛び出すカード」を紹介したい。

それは、『MoMA SABUDA ポップアップカード・ひまわり』(エヴリカ)というもので、飛び出す絵本作家として世界的に人気のロバート・サブダとマシュー・レインハートがデザインしたという。有名作家がデザインしただけあって迫力とともに美しい絵柄が特徴的だ。

カードを開くと、元気なヒマワリが紙面の中央にパッと咲く感じ。夏らしい暑中見舞いの挨拶とかに使えそう。また、グリーンの封筒が付いており、カードととても調和する組み合わせだ。うん、これはなかなかいい、もらったほうはさぞかし嬉しいだろう。

メッセージは、カードの中央に花と葉っぱと茎が描かれているので、その両脇に分けて書くことになる。また、縦書きにするか横書きにするかも迷うところ。真ん中にどーんと絵が描かれているメッセージカードってこのへん、慣れないと戸惑うかも。

これの一番おもしろいところは、たぶん花が垂直に飛び出すだけでなく、水平方向にも飛び出すこと。つまり、カードの枠をはみ出る感じになるわけ。
このあたりはさすが絵本作家のこだわり、感服する。

ほかにも同シリーズには、「とんぼ」「鯉」「蝶々」「ケーキ」「風船」「星」などなどたくさんラインアップされており、どれを選ぶか迷うところ。とりあえず、四季に合わせてカードを選んで送れば無難だろう。

目まぐるしく移り変わるデジタル時代にあって、こういうアナログな逸品に出会うとほっとするのは私だけだろうか。やっぱり紙の温もり、手触りは忘れられない。
(羽石竜示)
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