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ママチャリは世界に類例のない自転車だった。超面白い乗り物本■2012年ベスト5

ママチャリは世界に類例のない自転車だった。超面白い乗り物本■2012年ベスト5
原武史『レッドアローとスターハウス もうひとつの戦後思想史』新潮社<br />西武鉄道沿線にスポットをあてながら、西武グループ創業者の堤康次郎、団地建設、共産党はじめ革新勢力の動きなど戦後を象徴するさまざまな人物、事項を描き出した一冊。社会主義リアリズム風のカバーイラストも目を惹く。
昨年出た『鉄道が変えた社寺参詣』(平山昇著、交通新聞社新書)という本によれば、大晦日の終夜運転は、東京では路面電車の開業前、鉄道馬車の時代から行なわれていたとか。もっともこれは、初詣客のためではなく、商売をしている人たちのための措置であったようです。というのも、当時の商人たちにとって大晦日は決済のため一年のなかでもっとも忙しい日であり、元日未明にまで仕事がずれ込むことも珍しくなかったからです。

現在のように初詣客のために電車が夜遅くまで運転されるようになったのは、東京周辺では昭和初期のこと。前出の本によれば、成田山参詣客輸送をめぐる京成と国鉄(現JR)との競争のなかで、年越しの終夜運転が始まり、しだいにほかの路線へと広がっていったのだといいます。ちなみに、鹽竈(しおがま)神社を沿線に持つ宮城電気鉄道(現JR仙石線)では、東京よりもう少し早く、大正末年(1926年)には元日未明からの終夜運転を開始していました。

ついでにいえば、現在わたしたちがイメージする初詣も、鉄道網の拡大によって成立したといっても過言ではありません。そもそも明治時代初めまで、初詣とは三が日にかぎらず、その年最初の「縁日」(水天宮なら毎月5日、大師なら毎月21日という具合に、ある神仏ごとに定められた由緒ある日)に、自分の住む場所から見て「恵方」(その年の干支によって定められる縁起のよい方角。節分の「恵方巻き」のあれです)に位置する社寺に参拝へ赴く、というのが一般的でした。それが明治半ば以降、鉄道路線が郊外に延びるにしたがい、恵方や初縁日に関係なく正月に郊外の社寺を参拝するという人が多くなっていったのです。

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