ビールの本場といえばドイツ。ドイツ人が大好きな飲料といえばビールであろう。
ところで、彼らは日本のビールの味をどう思っているのか。実際に日本ビールを飲んだことのあるドイツ人に意見、感想を聞いてみることにした。

まず、親日家で20年以上に渡って日本と関わってきたドイツ人の話しを紹介しよう。

「日本に移住したとき、一番違和感がなかったのは実は日本のビールの味だった。『サッポロビール』の自動販売機には当時、縞模様のマークが付いていて、その色が“黒・赤・金”(ドイツの国旗の色使い)だったので、余計に親しみを感じたのもよく覚えている。明治時代にドイツからビールの醸造法を学んだからだろうと思った」

「それと比べて、アメリカに渡って飲んだアメリカのビールは“洗い水”(味が薄くてビールではない感じ)としか思えなかった。あ・ら・い・み・ず……とにかくマズイ!」

「『アサヒスーパードライ』を87年の発売から今日まで、日本に行くたびに好んで飲んでいる。ただ正直、日本に住んでいたとき、日本のビールの値段がドイツよりも5~6倍も高かったのが不満だった。ここ25年間で約2.5倍に縮んだが、それでもまだ日本のビールの値段はドイツから見れば高すぎる!」

ほかにも、日本のビールを飲んだことのあるドイツ人の声を集めてみた。
・サッポロビールが一番好き。頭痛になったことがない
・アサヒスーパードライが一番だと思う。サッポロはいまひとつ
・日本で一番エリートのビールはやっぱりエビス
・エビスのビアミュージアムに行ったら、日本の白ビールが飲めるけど、あまり気に入らなかった
・『アサヒスーパードライ-ドライブラック-』は好きではないが、サッポロの『麦とホップ黒』はほとんど普通のビールと同じ味。
ただし、ドイツ本場の黒ビールには両方とも敵わないだろう
・『サッポロクラシック』は圧倒的に一番美味しくて優れている

それぞれ人によって好みの違いがはっきり出ているが、ドイツ人は概ね日本のビールを評価しているようである。「ではドイツ人にもっと日本のビールを飲んでもらおう」、と大声で叫びたいところだが、残念ながら日本同様にドイツでもビールの消費量は右肩下がりの現状だ。

その主な理由として、
・ビールは古臭い
・臭い
・おっさん達の飲み物
・太る、ビール腹になる
・眠くなる!
・お腹いっぱいになる
・度数が低過ぎて、アルコールの「キック」をあまり(速く)感じない
・お洒落じゃない
・甘くない、苦い
など若者の間では様々挙げられるが、最近はミックスドリンク(ビールとソフトドリンクを混ぜた飲料)の消費量がかなり増えていることも特筆される。

ドイツのビールも日本のビールも両方とも美味しいのに、両国内で消費が振るわないのはまことに残念無念である。
(羽石竜示)
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