米国(シカゴ)では8月末から9月初旬は入学や進学、学校の年度始め。この時期の買い物は親、子供ともどもストレスフルな時期とも言える。


それぞれ幼稚園、小、中学校とそれぞれの持ち物リストがあり、それが市内の大手の店に貼られる。それも学校ごとにではなく、細かく学年、学級担任によってアップされ、それにそって買い物をすることになる。
州によっては週末の幾日かは「スクールショッピング消費税なしデー」なるものもあって、イベント的なノリさえも感じられるくらいだ。

消費税が全米一(2013年8月現在9.25%)と言われるシカゴは財政難のためそんなイベントはないものの、どこもかしこも「スクールショッピングセール」は大盛況。

日本のような入学式や始業式のような大きなものはないが、子供達にとって初日は大切なようで「何を着て登校するか」が最初の試練にでもなっているかのよう。学校開始数週間前に「今年あなたは○年「○○先生の担任」です」なるハガキが届き、その担任の名前のリストを探しそれをチェックしながら、あっちこっち買い物をする。

日本でも新学年には新しい文房具を揃え、ぴかぴかで迎えると思う。可愛い鉛筆だったりきれいな色が出るペンだったり、マイ文房具が一般的だろう。
そしてティッシュやハンカチも勿論、自分のポケットに入れるのが日本式。

しかし、こちらの子供達(小学生)は文房具には興味がないのか、マイ文房具持参者は少ない模様。そしてポケットにもティッシュが入っていることはない。ちなみにこれは、子供のみならず大人も同様。
ティッシュは常時携帯するものではなく、教室にある常備品と思っているらしい。

そんなわけで、買い物リストは自分用というより学級用という感じになっている。
リストを見ると鉛筆3ダース、のりスティック3本、ファイル5册、色鉛筆1セット、
ルーズリーフ1册分、水で洗い流せるマーカーサインペン1セットなど、とここまでは普通に文具品。
しかし次の欄になると、ペーパータオル2ロール、ティッシュボックス2箱、除菌ペーパー1箱、スポンジ2個、ジップロック袋1箱、など日用品になっている。

実は、米国の教師達は普段の教室で使用する文具など自分のポケットマネーで購入しているケースが多い。というのも財政難の地区だったりするとかなり低いバジェット設定がされていてカバーしきれないらしい。

学校初日に抱えきれないほどの荷物を持って、オシャレな洋服で登校し、担任の先生にこれらの物を渡すのだ。クラス全員が持ってきたものを一つにして、みんなで一年通して使うので、ティッシュはいつでも教室内にあることになる。またこれによって、先生の金銭的な負担も少なくなる。

高校生になると先生が「ティッシュを持ってきたら、クレジットをあげます」なんてこともしていたりする。高価なわけではないが、冬場などはひっきりなしに手が伸びる。それも教室の生徒全員がそのティッシュを使うとなると、数がなくてはならない。


全米どこの学校に行っても、どんな先生でもティッシュ箱は喜ばれるものの一つ。

日本でもおなじみIKEAでも、スクールショッピングセールをしていたが、ここでは新大学生向けで、リストもシカゴ周辺の大学(寮生活必需品)のものばかりがあった。
それぞれの学校や先生のリストを集めるのも大変だろうが、それもマーケティングの力なっているのは間違いない。
(シカゴ/あらた)
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