前代未聞の「計画」の行方やいかに? デイは、理想の花嫁を手にすることができるのか?
ということになるわけだが、この奇妙奇天烈な物語は、この後、医師・詩人・自然哲学者のエラズマス・ダーヴィン(進化論で知られるチャールズ・ダーヴィンの祖父)や、発明家・教育家のリチャード・ラヴェル・エッジワース、当時台頭してきたアンナ・シーワード、フランシス・バーニーといった女流作家らを巻き込み、驚きと苦笑にまみれた怒涛の展開を見せる。
ゴシップ趣味的な面白さ満載だが、有名人たちのアナザーサイドを垣間見られる、歴史的な貴重さもある。膨大な資料と、皮肉たっぷりのユーモアでもって書かれた、快作にして労作である。あなたは、本書『理想の花嫁と結婚する方法』を読んだうえで「僕の理想の女性はねー」なんて語れますか? 私は無理だなぁ……。
(辻本力)