私自身は日本野鳥の会と聞くと、紅白歌合戦を思い出すくらいで、一般向けのアイテムを販売しているとは全く知らなかった。一体どんなものなのか? 早速、日本野鳥の会のサイトを調べてみると、すぐに見つかった。その名も「バードウォッチング長靴」。色・柄の異なる全4種を展開している。


想像以上にオシャレで、かわいい! どれも23~29cm(1cm刻み)とサイズ展開も豊富だ。
日本野鳥の会に話を聞くと、「バードウォッチング長靴」は2004年から発売しているという。
「もともとは日本野鳥の会の会員の方や、バードウォッチングをされる方向けに作ったものです。会員の方から折り畳める長靴が欲しいという声があり、製作を始めました」(広報担当)

最大の特徴はコンパクトにまとめられること。野外での持ち運びが便利なように、軽量かつ、コンパクトに折り畳めるように作られている。

発売以降、お客さんの声を聞きながら、少しずつ改良も重ねているそうだ。たとえば、かかと部分に「キック」というでっぱりを付け、それを踏めば簡単に足が抜けるようにし、脱げにくいという不満を解消。また、コードロック(長靴上部のひもを締める玉)は、ガーデニングをする人からの「ひざをつく時に当たって痛い」という声に応え、長靴の正面から側面に移動したそうだ。
会員以外の人から注目を集めだしたのはいつごろから?
「発売から2年くらいたったころ、直営ショップに普段は見かけない若いお客様がいらっしゃるようになりました。お話をしたところ、野外フェスに使うとのこと。私たちも、その時になって初めてそういった需要があることを知りました。ネット上での口コミの影響もあり、今では幅広い世代の方がいろいろなシーンで使ってくれています」(広報担当)
いまでは野外フェスなどでは、周辺の民宿等の下駄箱にたくさんのバードウォッチング長靴が並ぶらしい。そのため「他人のものと区別したい」と意見も多く、2014年4月からは、以前は黒1色だったコードロックに、カラフルな4色セットを付属するようにしたそうだ。
「たくさんの方にお履きいただいて、うれしく思います。バードウォッチング長靴をきっかけに、日本野鳥の会の活動にも興味を持っていただければ幸いです。お使いいただいている皆さまの声があって、今のバードウォッチング長靴があります。今後も、より良い商品を作ってまいりますので、ぜひご意見・ご要望などお寄せください」(広報担当)
商品は日本野鳥の会直営のショップや日本野鳥の会通信販売などで販売中。ちなみに、日本野鳥の会通信販売のTwitterの公式アカウントは「長ぐつくん」(@b_nagagutsu)。バードウォッチング長靴がモチーフのアイコンもかわいい。
フェス好きの間では、すでに絶大な人気を誇るバードウォッチング長靴。
(古屋江美子)