「心配やったでしょ、実写化するの? ね、みんな頷いてる。
作者の東村アキコがファンの気持ちをずばっと代弁する。
原作は現在も『Kiss』で連載中。14巻で累計325万部を突破した人気コミックの7巻までが映画化された。
ヒロインの月海は、クラゲの魅力にとりつかれた女の子だ。部屋の壁一面に、自分が描いたクラゲのイラストを貼っている。ニートのオタク仲間たちと暮らしているが、住居の天水館が再開発のため、地上げ屋のターゲットに。
なにかと月海を助けてくれる女装男子・蔵之介が提案したのは、月海のイラストからイメージしたドレスを作ってファッションショーをして販売し、そのお金で天水館を買い取るというものだった。男を必要としない人生をモットーに掲げ自らを“尼〜ず”と呼んでいた月海達は、おっかなびっくり華々しい世界に足を踏み入れていく。
「ドキドキしながら撮影現場を見学しに行って、“尼〜ず”の格好をしたキャストさんにぜんぜん気づかず通り過ぎるっていう大事件が起きて。完全に役柄に入り込んでるから。篠原ともえさんなんか、何回もすれ違ったのにずっと気づいてなくて」
「シノハラちょっと避けられましたもん」
「ちょっと変な人いるって思って」
月海を演じているうちに、能年はほんとうにクラゲが好きになってしまった。
「タコクラゲといっしょに撮影してたので、すごく好きになりました。できることなら撫でたいぐらい。あと、キタユウレイクラゲが。口椀がぶわーって広がってて、煙みたいですごくきれいです」
撮影中には、手芸部も発足したらしい。
篠原ともえが明かす。
「能年ちゃんは何種類もクラゲ作ったねえ」
「はい!」
「月海の部屋には、能年ちゃん手作りのクラゲが飾ってあるんですよ。シノハラは、玉結びとかけっこうスパルタで教えちゃったので、月海の部屋のシーンを見て感動しました。母心ですね。」
そういえば『海月姫』の一般エキストラに参加した際、能年が撮影の合間も楽しそうに縫い物をしているのを見た。
東村「原作を読んでる方も、バッチリ楽しめます」。
監督「台本を作るのに2年、キャスティングに1年以上かけました」。
最後に能年は、「お祭りみたいな映画なので、陽気に楽しんでいただければいいなーと思います。海月姫祭、始まりであります!」と、敬礼ポーズで決めた。
『海月姫』は12月27日公開。(与儀明子)
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「海月姫2」
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「海月姫5」
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