■Shoes and Stargazing Tour 2014
2014.11.30(SUN) at 国際フォーラム ホールA
(※画像21点)
再びまたこの場所で――
来るべき10周年に向けて加速するAqua Timezの現在
約2年振りとなったアルバム『エルフの涙』を引っ提げて、Aqua Timezが再びこの場所に帰って来た! 9月よりスタートしたAqua Timezの全国ツアー【Shoes and Stargazing Tour 2014】。その最終日となったのは、前回のアルバム・ツアーのファイナルと同じ、東京国際フォーラムだ。
メンバー5人が、それぞれいつもとは異なる楽器を奏でるなど、様々な試みにトライしながら、バンドにとってもエポックメイキングなライヴとなった、約2年前の国際フォーラム公演。そこから彼等は、果たしてどんな進化を遂げたのだろうか?
満天の星空に一筋の流れ星。そんなオープニングの演出から、アルバム同様「アダムの覚悟」でダイナミックに幕開けた、この日のライヴ。「千の夜をこえて」、ライヴを意識して作ったというアッパーチューン「The FANtastic Journey」を経て、大ヒット・シングル「虹」を早くも披露するなど、序盤から大盛り上がりの会場。そして、「夢を見ることが現実から逃げることなら、逃げ切るつもりさ!」と言う太志(Vo)の堂々たるMC。その後、「オムレット」から始まった中盤は、アルバム『エルフの涙』の世界を、じっくりと響かせるパートとなった。
個々のスキルアップによって、さらに重層的かつ豊かな響きを生み出すようになったAqua Timezのバンドサウンド。サポート・ミュージシャンに、モチヅキヤスノリ(通称、やっくん/Key)を加えたことによって、そのサウンドは、よりいっそうの自由度を獲得していたように思う。それは、今回のツアーの為にリアレンジされたシングル曲「MASK」を聴いても、実に明らかだった。非ロック的な解釈のもと、mayukoのキーボードをふんだんに用いた独創的な曲へと進化した「MASK」。この自由度と独創性こそが、他の誰にも似ていない、今のAqua Timezのバンドサウンドなのだ。
「10周年イヤーに突入しました!」――続くMCで、力強く宣言した太志。
そんな満ち足りた空気と現在の充実を象徴するような一曲――それが、続いて披露された新曲「生きて」だ。3日後にリリースされる、通算17枚目のシングル曲(カップリングには先述の「MASK(Shoes and Stargazing version)」を収録)でもある、この曲。バラード調の静かな入りから、おもむろに声を張り上げる太志。そして、一気にスピードを上げていく、この力強い曲の中で綴られているのは、「生きてゆくことの素晴らしさ」だ。つらいことや悲しいことはあるけれど、それでも生きてゆくことは素晴らしい。それは、まさしく今の彼等のモードに合致した、この日のライヴのテーマソングのように高らかに響いていた。
その後、「ALONES」を皮切りに、今回のツアーの為に特別にアレンジしたというスペシャルメドレーを披露しながら、前回のアルバム・ツアーでファンの度肝を抜いたドラムセッション(今回はTASSHI、OKP-STAR、大介の3人バージョン)に再び挑戦してみせた彼等。さらに、メンバーが楽器を持ちかえながら、「イヴの結論」を温かな音色で演奏するなど、前回の国際フォーラム公演で掴んだものを、彼等は着実に自らのものとしているのだった。
ただし、前回の公演が、『because you are you』というアルバムの“終着点”としてのカタルシスを持っていたのに対し、終始リラックスした様子がうかがえたこの日のライヴは、むしろ“通過点”としての余裕すら感じられるように思えたのもまた事実である。
アンコールの最後、再び原点に戻るかのごとく、『空いっぱいに奏でる祈り』に収録されていた初期の楽曲「一生青春」を歌い上げた彼等は、早くもその先を見つめているのだろう。今日という日の充実を確かな糧としながら、彼等はその先の場所――来年8月の10周年記念日に向けて、さらにその進化のスピードを上げてゆくのだろう。来るべき2015年のAqua Timezの活躍に、ますます期待が高まるような、そんな堂々たるライヴだった。
(取材・文/麦倉正樹)
≪セットリスト≫
1. アダムの覚悟
2. 千の夜をこえて
3. The FANtastic Journey
4. 虹
5. オムレット
6. fly fish
7. エデン
8. ヒナユメ
9. 赤い屋根の見える丘へ
10. ひとつだけ
11. MASK
12. 手紙返信
13. 等身大のラブソング
14. 生きて ※2014.12.3 リリースのニューシングル
15. ゴールドメダル
16. Shoes and Stargazing Tourスペシャルメドレー
(ALONES~真夜中のオーケストラ~きらきら~GRAVITY (ストローク付きO)~ALONES)
17. イヴの結論
18. エルフの涙
<アンコール>
1. 決意の朝に
2. 滲み続ける絵画
3. 一生青春
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2014.11.30(SUN) at 国際フォーラム ホールA
(※画像21点)
再びまたこの場所で――
来るべき10周年に向けて加速するAqua Timezの現在
約2年振りとなったアルバム『エルフの涙』を引っ提げて、Aqua Timezが再びこの場所に帰って来た! 9月よりスタートしたAqua Timezの全国ツアー【Shoes and Stargazing Tour 2014】。その最終日となったのは、前回のアルバム・ツアーのファイナルと同じ、東京国際フォーラムだ。
メンバー5人が、それぞれいつもとは異なる楽器を奏でるなど、様々な試みにトライしながら、バンドにとってもエポックメイキングなライヴとなった、約2年前の国際フォーラム公演。そこから彼等は、果たしてどんな進化を遂げたのだろうか?
満天の星空に一筋の流れ星。そんなオープニングの演出から、アルバム同様「アダムの覚悟」でダイナミックに幕開けた、この日のライヴ。「千の夜をこえて」、ライヴを意識して作ったというアッパーチューン「The FANtastic Journey」を経て、大ヒット・シングル「虹」を早くも披露するなど、序盤から大盛り上がりの会場。そして、「夢を見ることが現実から逃げることなら、逃げ切るつもりさ!」と言う太志(Vo)の堂々たるMC。その後、「オムレット」から始まった中盤は、アルバム『エルフの涙』の世界を、じっくりと響かせるパートとなった。
個々のスキルアップによって、さらに重層的かつ豊かな響きを生み出すようになったAqua Timezのバンドサウンド。サポート・ミュージシャンに、モチヅキヤスノリ(通称、やっくん/Key)を加えたことによって、そのサウンドは、よりいっそうの自由度を獲得していたように思う。それは、今回のツアーの為にリアレンジされたシングル曲「MASK」を聴いても、実に明らかだった。非ロック的な解釈のもと、mayukoのキーボードをふんだんに用いた独創的な曲へと進化した「MASK」。この自由度と独創性こそが、他の誰にも似ていない、今のAqua Timezのバンドサウンドなのだ。
「10周年イヤーに突入しました!」――続くMCで、力強く宣言した太志。
そう、Aqua Timezの名前を一躍有名にしたインディーズ盤『空いっぱいに奏でる祈り』がリリースされたのは、今をさかのぼること9年前、2005年の8月のことだった。その決して短くは無い足跡に思いを馳せながら、「『いろいろあったね』って言い合えることが幸せなんだ」、「春が来ることが幸せなんじゃなくて、桜が咲いて『また春が来たね』って言い合えることが幸せなんだ」と語る太志。そして、目の前のファンとともに“歌い合える”ことの幸せを告げながら、『空いっぱいに奏でる祈り』に収録されていた、言わずと知れたバンドの出世曲「等身大のラブソング」を披露する。
そんな満ち足りた空気と現在の充実を象徴するような一曲――それが、続いて披露された新曲「生きて」だ。3日後にリリースされる、通算17枚目のシングル曲(カップリングには先述の「MASK(Shoes and Stargazing version)」を収録)でもある、この曲。バラード調の静かな入りから、おもむろに声を張り上げる太志。そして、一気にスピードを上げていく、この力強い曲の中で綴られているのは、「生きてゆくことの素晴らしさ」だ。つらいことや悲しいことはあるけれど、それでも生きてゆくことは素晴らしい。それは、まさしく今の彼等のモードに合致した、この日のライヴのテーマソングのように高らかに響いていた。
その後、「ALONES」を皮切りに、今回のツアーの為に特別にアレンジしたというスペシャルメドレーを披露しながら、前回のアルバム・ツアーでファンの度肝を抜いたドラムセッション(今回はTASSHI、OKP-STAR、大介の3人バージョン)に再び挑戦してみせた彼等。さらに、メンバーが楽器を持ちかえながら、「イヴの結論」を温かな音色で演奏するなど、前回の国際フォーラム公演で掴んだものを、彼等は着実に自らのものとしているのだった。
ただし、前回の公演が、『because you are you』というアルバムの“終着点”としてのカタルシスを持っていたのに対し、終始リラックスした様子がうかがえたこの日のライヴは、むしろ“通過点”としての余裕すら感じられるように思えたのもまた事実である。
ここで何かが終わるのではなく、ここからまた新しい何かがスタートするような、オープンエンディングのフィナーレ(実際この日、来年6月からスタートする全国ツアーの告知も行われた)。
アンコールの最後、再び原点に戻るかのごとく、『空いっぱいに奏でる祈り』に収録されていた初期の楽曲「一生青春」を歌い上げた彼等は、早くもその先を見つめているのだろう。今日という日の充実を確かな糧としながら、彼等はその先の場所――来年8月の10周年記念日に向けて、さらにその進化のスピードを上げてゆくのだろう。来るべき2015年のAqua Timezの活躍に、ますます期待が高まるような、そんな堂々たるライヴだった。
(取材・文/麦倉正樹)
≪セットリスト≫
1. アダムの覚悟
2. 千の夜をこえて
3. The FANtastic Journey
4. 虹
5. オムレット
6. fly fish
7. エデン
8. ヒナユメ
9. 赤い屋根の見える丘へ
10. ひとつだけ
11. MASK
12. 手紙返信
13. 等身大のラブソング
14. 生きて ※2014.12.3 リリースのニューシングル
15. ゴールドメダル
16. Shoes and Stargazing Tourスペシャルメドレー
(ALONES~真夜中のオーケストラ~きらきら~GRAVITY (ストローク付きO)~ALONES)
17. イヴの結論
18. エルフの涙
<アンコール>
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2. 滲み続ける絵画
3. 一生青春
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