2014.09.21(SUN) at 韓国・ソウル蚕室室内体育館
(※画像5点)
それから数時間の後、ついに100回目となる【SUPER SHOW】が幕を開けた。開演時間になり会場の明かりが落ちると、ブルーのペンライトで埋め尽くされた会場から大きな歓声が起こる。
前半は、お馴染みの曲から、最新アルバムからの曲、ソロ曲と、まったく予想の付かない展開で曲が繰り出されて行った。これまで何度も聴いたことのある曲もアレンジや演出が違うので、また違った楽しみを与えてくれる。そして、数曲を終えたところで、全員揃っての最初のMC。もちろん仕切りは2年ぶりにチームに帰って来たリーダー、イトゥクだ。「今日は特別な日です!」(イトゥク)という前置きをして、全員でいつもの「こんにちは、スーパージュニアです!」という挨拶をする。次いで、個々に挨拶をしていくのだが、100回目ということもあってか皆がいつも以上にハイテンション。イトゥクがハイトーンボイスで挨拶したのを皮切りに、シンドンがそれを真似をすると、ドンヘはベタベタの方言を使って「みんなに会えて嬉しい」と叫ぶ(笑)。カンインがは「カンイーン」と語尾を伸ばし、シウォンはオペラ風に「シウォウォウ」と言い出す…もうそこからはいつもの笑いの争奪戦となり(笑)、ウニョクはカンインにむちゃぶりをされて踊りながら挨拶をさせられていた。イトゥクが「今日は泣かないよ〜 僕が少女たちの大統領、イトゥク~」と言って、何とかその場を締めるが「今日はメンバーもファンもハイテンションですね。その理由は…」(イトゥク)「【SUPER SHOW】が今日で100回目を迎えました!」(ウニョク)という喜びの宣言に、再びステージ上のメンバーは“コングラッチェレーション!”と歌い踊りまくり、テンションも最高潮! そこにドンヘがファンにプレゼントを用意したと言って観客に向かってキスをすると、他のメンバーもプレゼントがあると言い出し、それぞれいろんな場所からハートを出そうと、再びパフォーマンス合戦に(笑)。
中盤は、メンバーのソロ曲も多く披露され、中でも、メンバー自ら作曲や作詞を手がけた曲もあり、SUPER JUNIORが単なるアイドルにとどまらない、音楽的な才能も十分に持ち合わせていることを示してくれた。また、ヒチョルが会見で自負していた“ハイクオリティーな女装や面白い仮装”も開陳(笑)。詳細を伝えるのは控えるが、終始笑いが止まらないまさにハイクオリティな仕上がりになっていた。個人的には、普段は率先して面白いことをするタイプには思えないリョウクの振り切れぶりや、水を得た魚のごとく生き生きとしていたヒチョルとキュヒョンの姿が印象に残った(笑)。この部分はなかなかDVDなどに収録されることもないので、是非、会場に足を運んでその目で楽しんでみて欲しい。そして、近々、兵役に就くことが予定されているシンドンのソロステージは、やはり涙無しには見れない内容となっていた。これまでのシンドンとの思い出が蘇る演出とその歌の歌詞が相まって感情が昂ぶったところに、ファンが用意した“シンドン、愛してる”というメッセージカードが一斉に会場に掲げられた。現在、メンバーのイェソンが兵役中だが、ここ数回の【SUPER SHOW】は、別れと再会が恒例となってしまっている。あと数年、これは続いてしまうことなのだが、さらにメンバーとファンの絆を強め、新たなSUPER JUNIORの姿を見られる良い機会にもなるはずなので、シンドンとも笑顔で迎えられるであろう再会の日まで、この日の光景を決して忘れないでおこうと思った。
後半のMCでは、この日、【SUPER SHOW】の100回目をお祝いに来てくれた人たちをメンバーが紹介。事務所の先輩、後輩から家族や歌手仲間などに加えて、実は、兵役中のイェソンも会場に来ていることも伝えられた。
もちろん盛大なアンコールが起こり、メンバーが再登場。そして、1曲を歌い終えると、ステージ背後のビジョンに【SUPER SHOW】の100回目をお祝いするスタッフからのメッセージ映像が流れる。観客に背を向けてそれをじっと見つめるメンバー。続いて、ステージ中央から特大のケーキが現れると、同時に、顔を手で覆って泣いているウニョクの姿がビジョンに映し出される。感極まったのであろう、他のメンバーも目に涙を溜めたりと、しばし言葉を失っていた。さらに、会場一体となってファンがバースディソングを歌うと、そこはもう幸せでいっぱいの空間となり、イトゥクの「200回目の時またろうそくを消すことができるように。“おめでとう”にしようか“サランヘ(愛してる)”にしようか。“サランヘ”の方が良いよね、それより良い言葉ってないから」という言葉に続いて、“スーパージュニア、サランヘ”の掛け声でろうそくの火が吹き消された。ちなみに、イトゥクの話によるとこのサプライズイベントがあることは、イトゥクとウニョクだけは先に知らされていたそうなのだが、そのウニョクが一番初めに泣き出し、さらにあまりに泣き止まないので、リョウクが後ろから抱きしめてあげたり、シウォンが涙をふいてあげたり、ソンミンが泣きすぎて落ちてしまったメイクを直してあげたりと、とても微笑ましい場面も見られた。
その後、ファンが掲げる“100回目のデート”と書かれたメッセージカードをバックに、全員で記念写真を撮ると、改めて、メンバーから一言ずつ、この瞬間に感じた想いが伝えられた。
「何を話せばいいかわからないですけれども…こんなことをここで言って良いのかもわかりませんが、今回のライヴを準備しながら色々と大変なことがありまして、映像に出てくださったスタッフさんたちにも良くない姿を見せてしまったりしたこともありました。それにも関わらずこんなメッセージをくださって…その時にちゃんと謝ることも出来なかったですが、この場を借りて心からお詫び致します。そして、感謝の気持ちも伝えたいです」(シンドン)
「SUPER JUNIORが僕のものだという考えはあまりしたことありませんが、いつからかSUPER JUNIORを守りたいと思い始めて…ちゃんと守って、僕も良い姿を見せなきゃって。それは、本当に身に染みるように芽生えた想いでした。ELFの皆さんも僕たちも少しずつ染まっていくようにお互い愛しましょう~」(リョウク)
「僕も映像に出てきたスタッフさんに申し訳ない気持ちとありがたい気持ちでいっぱいです…さっき『MAMACITA』を歌いながらふと思ったのですが、皆さんがいるからこそ僕らはずっとステージに立つことができるし、僕なんかがこんなに愛されて良いのか、これからどうやってその愛を返していけば良いかを考えながら、もっと頑張らなきゃと思って歌いました。皆さんがいるから僕は寂しくないです。みんな、愛してるよ!」(ドンへ)
「満席のファンに囲まれて100回目のライヴを迎えられるとは…SUPER JUNIORやってきて良かったです。本当に。最初はSM(所属事務所)をアイドル会社だと思って、ちょっと迷ったりもしましたが、その時僕を引き止めて下さった関係者の方に感謝します。SUPER JUNIORでいられて幸せです。皆と一緒で幸せです。感謝します」(キュヒョン)
「本当に嬉しいです。
「僕は途中、兵役に就いていて【SUPER SHOW 5】から再び合流して活動しましたが、その間、チームを守ってくれたメンバーを本当に頼もしく感じたし、ありがたいと思いました。チームから離れた立場からすると、やはり不安な気持ちになります。イェソンも今、同じ気持ちではないかと思いますが、全然不安になる必要はありません。ここにいるメンバーたちがちゃんとチームを守っているから。これからも守っていきましょうね。今日は僕たちが良い思い出をもらった気分です。ありがとうございます」(カンイン)
「映像とかケーキとか出てくるときに僕は“すごい~ すごい~”と思ったのですが、周りを見たらみんな泣いてて…誰とお祝いすればいいだろうと(笑)。僕は涙よりこうやって騒いだ方が似合ってるので。100回目の【SUPER SHOW】という意味深いこの場に、もうすぐ兵役に就くシンドンとここ(会場)にいるイェソンと一緒にいられて本当に幸せです。
「今日の100回まで、いつも会場を埋めてくださった皆さんに感謝します。皆さん、美しいし、天使のようですね。僕もさっき『MAMACITA』を歌いながらイェソンが思い浮かびました。客席から観るとどんな気持ちなんだろうと。皆さん、これからもたくさんの応援をお願い致します。これからも見守ってください」(ソンミン)
「泣き過ぎてすみません(苦笑)。幸せすぎて泣いてしまいました。もう10年になりますが、最初SUPER JUNIORを始める時は僕たちがずっと愛される歌手になれるのか不安に思いましたし、メンバーたちが兵役に就きながらチームが壊れるのではないか、ファンが離れてしまうのではないかと心配しました。特に、僕にとってはイトゥクさんのいない2年は厳しい時間だったし、色々な出来事もあり、皆さんに良くない姿を見せてしまったこともありました。でも、今、皆さんがいて幸せです。メンバーが、皆さんがいてくれて幸せですし、スタッフの方々に感謝します。
「最後になりますが、このような話をするのは初めてだと思います。僕はこれまでいつも成功したかったし、誰にも負けたくなかったです。だから本当に死ぬ気で頑張ってきたし、いつからかそれが計画通りにスムーズに行われているとも思っていました。しかし、思いもよらぬことが起きて、何故、僕にこんなことが起きるんだろう…何故、神様は僕にこんな罰を下すんだろう…と思いました。もう生きていても意味が無いんじゃないか、全て終わりにするべきかとも思いました…ですが、僕には家族がいて、メンバーがいて、ファンの皆さんがいて、耐えられたと思います。以前は負けたくない、どこへ行ってもSUPER JUNIORが1位を取るべきだ、というプレッシャーをすごく感じましたが、今はそのような欲を捨てました。もう皆さんとこのように一緒に楽しめること自体が幸せだと思います。皆さんと僕たちは家族ですから」(イトゥク)
時に涙で言葉を詰まらせながら、でも最後には笑顔で語ってくれたメンバーの想いは、この日集まったファンはもちろん、これまで、そしてこの先のSUPER JUNIORを愛していく人たちに届く言葉だと思う。私たちに見せてくれる姿はいつも明るく楽しいSUPER JUNIORだが、その笑顔の裏にたくさんの苦労や努力があって今があることを、改めて感じた。
ラストはファンへの想いを綴った楽曲をメンバーも観客も一体となって歌い、SUPER JUNIOR-Mのチョウミとヘンリーもステージに登場。「皆さんの前で歌うことが出来て幸せでした。【SUPER SHOW】のおかげで、メンバーのおかげでとても楽しかったです。韓国ではこのように皆さんの前で歌う機会が少ないですが、これから韓国でも僕のステージをお見せできるように頑張ります」(チョウミ)、「皆と一緒にライヴするのすごく好きですし、皆さんの前で歌うのも大好きです!」(ヘンリー)と二人からも挨拶をし、締めは「皆さん、こうやって100回目のスーパーショーが無事に終わりました。ワールドツアー行ってきます! またね~」というイトゥクの明るい挨拶で、幕を閉じた。
とにかく最初から最後までファンを楽しませるための趣向が詰まった約4時間の公演は、全体を通して一つのストーリーを進めるような形を取りながら、SUPER JUNIORの持つ魅力が存分に発揮されていた。SUPER JUNIORというグループとしてのカッコいい面もあれば、全員がそれぞれソロステージを披露出来るくらい個々の能力も披露し、さらに、ユニット形式ではまた違った顔も見せてくれる。一つのグループのライヴを観に来たはずなのに、いろんなステージがあって、4時間があっという間だった。【SUPER SHOW】という冠はおなじだが、回を重ねるごとに確実に進化していることをはっきりと感じられる内容になっていた。
この後、101回目となる公演は、10月29日に幸運にも日本の東京ドームで開催される。彼らが新たな一歩を踏み出す瞬間を見逃さないで欲しい。
(取材・文/瀧本幸恵)
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