SCANDAL グラミー賞受賞の名エンジニアとタッグを組んだ新作『Stamp!』/インタビュー

■New Single『Stamp!』インタビュー(1/2)

「自分たちの好きなものを、そのまま表現していいんだって思えた」

チケットSOLD OUTが続出した、世界9ヶ国41公演のワールドツアー。約半年間、日本を代表するガールズロックバンドとして各国のオーディエンスを魅了して来たSCANDALが、そのツアーの熱を封じ込めた21枚目のシングル『Stamp!』をリリースする。
今の自分たちらしさをとことん突き詰めたという本作は、世界的プロデューサー、エンジニアとして活躍しているトム・ロード・アルジをエンジニアに向かえ、サウンドにもこだわって作り上げた新境地のナンバー。ワールドツアーを経験してさらに逞しくなった4人の勢いは、夏フェス出演を経て、東名阪で約4万人を動員する【SCANDAL ARENA TOUR 2015-2016「PERFECT WORLD」】へと続いていく。
(取材・文/山田邦子)

今回は正々堂々とポップカルチャーとして、やっと音楽として聴いてもらえてるんだなって

――単独ワールドツアー、どうでした?

RINA:バンドが逞しくなりました。

HARUNA:(行く前から)海外に対する不安とかはなかったですけどね。

MAMI:純粋に楽しかった。一生分の旅行をしているなって思いつつ(笑)。

TOMOMI:メキシコは標高が高いからすぐ息が切れるっていうのもあって、ちょっと不安もありましたね。それくらい。

――“それくらい”のスケールがすごいですけど(笑)。

MAMI:(笑)。メキシコは初めてだったけど、人も街もすごく楽しくて、明るくて、パッションの国だった。ずっとスマイルだしね。
ライブ中もサッカー観戦してるみたいな盛り上がりで歌ってくれるけど、聴くとこはちゃんと聴いてくれて。(メキシコに行った5月は自分とTOMOMIが)誕生日だったてこともあって、メキシコのバースデーソングを会場にいた2000人のみんなが歌ってくれました。

RINA:3拍子で、4分ぐらいあった(笑)。

TOMOMI:メキシカンは全員歌える、伝統的な曲らしいです。

HARUNA:でもこっちは、ろうそくの火をどのタイミングで消したらいいかわからないっていう(笑)。

SCANDAL グラミー賞受賞の名エンジニアとタッグを組んだ新作『Stamp!』/インタビュー

――(笑)。フランスやアメリカなど、久しぶりに行く国はどんな反応でした?

RINA:自分たちが思ってた以上に新しいお客さんが多かった。以前のアニメの主題歌で知ってくれてたというよりは、最新の曲のミュージック・ビデオを見て好きになったとか、割と今の自分たちを知ってくれてる人が多くてびっくりやった。

HARUNA:嬉しかったね。

RINA:「Departure」とか「Image」とか「お願いナビゲーション」とか、そのあたりが好評で。

MAMI:「Departure」は特にだけど、和メロで日本人の景色とか日本人の心を歌ってるのに、それがキャッチーだって思って聴いてくれているみたいなんです。自分たちで作詞作曲して世に出した1枚目っていうのを知ってくれてというのもあるだろうけど、そういう反応があるからこそ、改めてちゃんと自分たちで作らなきゃいけないなとも思ったし、自信にもなった。
とにかくいろんな発見があったんですよね。

HARUNA:そうだね。でも楽しいだけじゃなく、いろんな壁も持って帰って来ました。今まで(海外では)言葉が通じない分、パフォーマンスとかライブ力ってものでカバーしようとしてたけど、今回はもうそういうものでは通用しなくなってたんです。音楽は言葉じゃないっていうけど、それさえも越して、やっぱり言葉じゃないと自分の気持ちって伝えられないんだなって。当たり前のことだけど、もっと勉強しないと、ふと思ったことがパッと出ないってもどかしいし、向こうも認めてくれないよなって。お客さんがちゃんとシビアな目で見てくれてた気がするんです。

RINA:ワンマンやからね。誰かのおまけで付いて行ってるわけじゃないから、演奏力も言葉も同じくらい大事っていう。今回のワールドツアーに向けてさらに力入れて英会話の勉強もしたけど、ハル(HARUNA)は特に今の気持ちを言葉にしたり、4人の言葉にして伝えるっていう(MCの)役割もあるから、いろいろ思ったことがあったやろなと思いました。

HARUNA:でもこの経験も、今後に繋がっていくことは間違いないからね。

TOMOMI:間違いない。


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Stamp!【初回生産限定盤A】

――国内外を半年かけてまわったツアーでしたが、全体を振り返ってみてどうでした?

TOMOMI:海外ではジャパンカルチャーの一部として、また、サブカルチャーとして見られてたような気がしてた部分が、今回は正々堂々とポップカルチャーとして、やっと音楽として聴いてもらえてるんだなっていうのを感じることが出来た気がします。それが、自分たちからナチュラルに出て来たものをアルバムにした『HELLO WORLD』を持ってのツアーだったから、すごく大きな自信にもなったというか。そういう感覚があったので、後半は特に、もっと自由に、自分たちらしく、そのまんまを表現したらいいんだっていう気持ちでライブが出来ていた気がしてます。

ライブはね、三半規管が高鳴るんです!

――今回の新曲「Stamp!」は、そのツアー中に作っていたそうですね。

MAMI:はい。「Stamp!」以外にもいろいろ作っていて大変だったけど、ツアーを周りながら出来たものは今までと違うなっていうのが確実にあったから、すごくやってよかったなと。

RINA:ツアー中にこんなに作ったのは初めてかも。ツアー中にやった方がいいことが起こるのを知ってるから、なるべくやってみたいというのもあって頑張りました。

MAMI:バンドだから、デモ作りとしてもこれが一番早いしね。「Stamp!」は日本をまわっている最中に作ったんですけど、「ドン、ドン、パン」っていうリズムを土台にしていこうってとこから決まったんです。ワールドツアー後にリリースすることは決まってたから、このツアーの雰囲気……自由さとか、リラックスしてる雰囲気をそのまま曲にしたいなと思って仕上げて行きました。

RINA:4人で作るようになって、リズムから進んで行くことが結構増えて来たんです。
4つ打ちは結構あるからそれは避けて、エイトにしようかとか、今回みたいにジョーン・ジェットみたいな王道のアメリカン・ポップロックのリズムから何か出来ないかなって考えたり。ライブをやってて、リズムがお客さんのノリを決めるなって思ったんですよ。うちらの曲は縦ノリが多いけど、横ノリで、お客さんも頑張り過ぎずに自由にのれる曲が欲しいなと思って、シングルとしては挑戦的なものだなと思うけど、そこはもう勇気もって出せるようになりましたね。

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Stamp!【初回生産限定盤B】

――確かに、今の日本の流行りのリズム感とは全く違いますよね。

HARUNA・RINA:逆走(笑)。

MAMI:でもこういう気分で、こういうリズムが生まれて、こういう歌詞が浮かんだから、やるしかないんじゃない?って思った(笑)。

TOMOMI そうそう(笑)。

――サウンド面では、グラミー賞を3度受賞しているトム・ロード・アルジ氏をエンジニアとして迎えたんですよね。

RINA:歪ませ過ぎたり、強すぎる音の気分ではないなっていうのが4人の中であったんです。それで、今の気分とか自分たちに似合う音を徹底的に追及しようってことで、機材から見直して音作りしていった。どういう曲でも、「せーの」で録った方が自分たちのグルーブの一番いいところが出るなって思ったから一斉に録って、あとは洋楽感もちゃんと入れたいと思ったんですよ。J-POPのように歌が全面的に出てる曲じゃなくて、ちゃんとリズムとかバンドの音が歌と並んでるミックスにもしたくて。
スタジオのドアを明けっ放しにしたりして、エアー感も大事に録っていきました。

TOMOMI:大満足やったね。生々しさとかも含めて録れてると思う。

RINA:そうやって録ったものをミックスしてくれたのが、トム・ロード・アルジで本当に良かった。自分たちが影響を受けてる音楽、アヴリル・ラヴィーンとか、グリーンデイとかも手掛けている方であるので、本当に嬉しかったですね。

SCANDAL グラミー賞受賞の名エンジニアとタッグを組んだ新作『Stamp!』/インタビュー
Stamp!【通常盤】

――なるほど。ところで今回のこのタイトル「Stamp!」にはどんな思いが?

MAMI:歌詞をみんなで共有してた時に、バンドが一歩ずつ進んで行く足音と、聴いてくれるみんなが毎日一歩ずつ進んで行ってる足音がリンクしてる感じだよねって話になって。足音とか足踏みとかいろいろ考えた結果、足を踏み鳴らすっていう意味で「Stamp!」にしました。

HARUNA:そう、一歩ずつ。最近やっと良い意味で力が抜けたなって思ってるんですよね。

TOMOMI:うん。繰り返しになるけど、振り返るとやっぱり『HELLO WORLD』が作れたことがすごく大きかったんだと思う。
普段の、素の自分たちに近いものをいろんなところで受け入れてもらえたからこそ、自分たちの好きなものをそのまま表現していいんだって思えた。だからきっとこの「Stamp!」が出来たんやし、ジャケットとかも含めて、今のSCANDALの雰囲気がすごく伝わるものが出来たんやなって思います。

――次のアリーナツアーも本当に楽しみです!

MAMI:実は今回のカップリングの「Flashback No.5」は、今一度ライブ曲を作りたいなと思って作ったものなんです。歌詞もまさにライブ!

RINA:(MAMIが)ベースとなる詞曲を送ってくれた時に(歌詞の一部を差して)「ここ、“三半規管”しか思いつかない!どうしよう!」っていう相談のメールが来たんですけど、一度口に出してみたらメンバーもそれから離れられなくなって(笑)。だったら「これしかない!」って、そこから4人で広げていったんです。こんなに調べたん初めてっていうくらい、三半規管について調べた(笑)。

TOMOMI:検索ワードのランキング、めっちゃ上がってると思う(笑)。

MAMI:ライブはね、三半規管が高鳴るんです!

RINA:間違いない(笑)。その感覚をぜひ、アリーナツアーで体感してください!

――インタビュー2へ

≪リリース情報≫
New Single
『Stamp!』
2015.07.22リリース

【初回生産限定盤A】(CD+DVD)
ESCL-4478~9 / ¥1,528(税抜)
【初回生産限定盤B】(CD+DVD)
ESCL-4480~1 / ¥1,528(税抜)
【通常盤】(CD)
ESCL-4482 / ¥972(税抜)

[収録曲]
1.Stamp!
2.Flashback No.5
3.Stamp! (Instrumental)

≪ライブ情報≫
【SCANDAL ARENA TOUR 2015-2016 『PERFECT WORLD』】
日程:2015年12月9日(水)
地域:兵庫
会場:神戸ワールド記念ホール
お問い合わせ先:SOUND CREATOR 06-6357-4400

日程:2015年12月23日(水・祝)
地域:愛知
会場:日本ガイシホール
お問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

日程:2016年1月12日(火)
地域:東京
会場:日本武道館
お問い合わせ先:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

日程:2016年1月13日(水)
地域:東京
会場:日本武道館
お問い合わせ先:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

≪映画情報≫
映画『SCANDAL “Documentary film「HELLO WORLD」”』
SCANDAL初のワールドツアーから世界8カ国10公演に完全密着したドキュメント映画
2015年10月17日(土)よりユナイテッド・シネマほか全国の映画館にて期間限定公開
鑑賞料金:¥2,500(税込)

≪関連リンク≫
SCANDAL オフィシャルサイト
SCANDAL レーベルサイト
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