Mrs. GREEN APPLE、Rec中アンサンブルという言葉で音やイメージを共有/インタビュー2

■Mrs. GREEN APPLE/3rd Album『ENSEMBLE』インタビュー(2/3)

――インタビュー1より

今回は特に作り終えた感がスッキリしてます

──演奏するうえで特に印象に残っている曲というと、どうですか。

藤澤:これまではシンセやオルガンをいろいろ弾いてきたんですけど、今回はほぼほぼグランドピアノで。
どの楽曲も振り幅があるし表現しているものも違ったので、技量的なことを含めて大変な部分も正直あったんですね。でもそういうことが全部詰まっているのが「PARTY」で。すごくクラシカルになったと思えば力強く弾いたり、また緩やかな流れになったり。とにかくセクションごとのカラーや表現しているものが全然違ったり、それこそ世界観自体が違ったりするので、弾きながら改めてすごい楽曲だなと思いました。

大森:Aメロ、Bメロで曲が全然違って、それこそ楽器自体も、Aメロ録ったらセットを崩して、もう一回違う楽器でセットを組み直してBメロから録るみたいな。そういうやり方をしていたので、1曲っていう概念がちょっとよくわからなくなりました(笑)。

──そういうとき、テンションはどうなんですか。

大森:全然変わっちゃっていいです。それに関係する話なのかわからないですけど、僕らレコーディング前に歌詞の読み合わせをするんですよね。

──歌詞の読み合わせ?

大森:僕が歌詞でけっこう抽象的な言い方をするので。どういう受け取り方をするのか知りたくて。身近なメンバーが一番わかりやすい例なんですよね。
もちろん予想もしない受け取り方もありますから、イメージのすり合わせをする場合もあったり。「PARTY」に関してはセクションごとの性質が全然違うので「ここは何色っぽよね」みたいに共感覚の話をしたり。

──それはこれまでも、わりとやっていたことですか。

大森:やりました、やりました。ただ今までは曲単位での色だったんですけど、今回はセクション単位なので。

──最終的にすり合わせは「色」で?

大森:それがけっこうわかりやすいよね?

若井:そうね。

大森:みんなが全然違う色を言う場合もあって、そこで「なんで?」っていう話をするだけでも、その曲の深みがちょっと増す気がするんですよね、作った本人としては。
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藤澤涼架(Key)

──「アウフヘーベン」のピアノも、すごく印象的で素敵ですね。

大森:初めてピアニストの方にピアノのセクションだけアレンジをお願いしたんです。得意技じゃないとこで作りたかったので。藤澤が知らないところで「藤澤が弾かなそうな、バカテクを盛り込んでください」って勝手にオーダーをしたりして。

藤澤:だから「うわ~!」でした。
バンド形態でやるような楽曲に入れ込まないだろう……っていうフレーズだったり展開だったりが盛りだくさんで。大変でしたけど、それも楽しかったというか。ジャジーな「Coffee」もそうで。基本的にはトリオの編成で、完全にピアノが大きな軸となって展開していく楽曲だったので。今までそういうのは全くやったことはなかったし、ましてやジャズなんて弾いたことがなかったので最初はすごくドキドキしましたね。

高野:僕は「REVERSE」ですね。一昨年の年末からライブでだけやっている、ファンの方にもすごく人気のある曲で。このタイミングで音源化できて嬉しいなって。あと音源ならではの「REVERSE」としてすごく突き詰められたと思います。

──『SPLASH!!!』のベースもカッコいいですね。

高野:ありがとうございます。疾走感が重要になってくる曲だと思ったので、音作りから細かく作り上げていった感じですね。


若井:僕は「They are」が印象に残っています。今まではギターが前面に出ている曲が多かったんですけど。今回のアルバムでりょうちゃん(藤澤涼架)のグランドピアノが前面に出てくる曲が多くなって、僕の立ち位置も変化したんですね。その変化が如実に現れた曲が「They are」で。ギターという楽器をもう一回見直したし、自分の立ち位置も見直すことができた曲だなぁと思います。

山中:ドラムとしては「PARTY」もですけど、「はじまり」にもけっこう思い入れがあって。タイトルにもあるように、自分が楽器を始めたとき、ものすごく楽しかったことを思い出して。だからこの曲を演奏するときは、毎回絶対楽しくなるんですよね。楽器ができて、音楽ができてすごいよかったなって思うような曲ですね。
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高野清宗(Ba)
※高の字は正しくは“はしごだか”

──この曲は大森さんにとっても思い入れのある曲だとか。

大森:そうなんです。モンパチ(MONGOL800)のキヨサクさんをフィーチャーした曲なんですけど。
小学6年生のとき、モンパチさんを聴いてバンドをやりたいと思ったんです。それで小学校の卒業式の謝恩会みたいなところで、初めてバンドを組んで演奏して、そこでもモンパチさんの「あなたに」っていう曲をコピーして。さらにそこで初めて作ったオリジナル曲もやったんですね。そのオリジナル曲の1フレーズ<もしも僕が君だけのヒーローならば>を、この「はじまり」にもそのまま入れていて。だから「はじまり」は僕にとっては曲というよりドキュメントなので、思い入れがありすぎますね。ましてや、バンドを始めるきっかけを与えてくれたモンパチさんと一緒に歌える、キヨサクさんがそのフレーズを一緒に歌ってくれているわけなので。すごく感慨深いですよね。

──ところでタイトルの『ENSEMBLE』ですが。

大森:全曲出揃ってからタイトルをつけたんです。レコーディング中もアンサンブルっていう言葉を使って、音やイメージを共有していたし。すんなりと決まった感じでした。

──まさにぴったりの言葉ですね。
アンサンブルあればこそのアルバムですもんね。

大森:そうなんです。しかも作り終えた感がスッキリしてますね、今回は特に。

──そこはちょっと違いますか、前作までと。

藤澤:前の2枚はここからの自分たちに向けたアルバムっていうところもあったりしたんですけど。今回は完全に一つの作品っていうものをドンと出せたというか。

大森:作った感がすごく強いですね。

──ではこの勢いでツアーに突入していきそうですね。

大森:今回はアルバムとして割り切って曲を作ったところもあるので、それこそ「PARTY」なんかはライブでどうやって表現したらいいんだろっていうのもありますが(笑)。

若井・山中・藤澤・高野:言える言える(笑)。

大森:今回はホール公演だし、ファイナルは幕張メッセ2daysなので、ぜひとも楽しみたいと思っています。

――インタビュー3へ




≪ライブ情報≫
【ENSEMBLE TOUR】
2018年5月12日(土)東京・パルテノン多摩 大ホール
2018年5月19日(土)香川・サンポートホール高松 大ホール
2018年5月20日(日)広島・広島JMSアステールプラザ 大ホール
2018年5月26日(土)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2018年5月27日(日)福島・郡山市民文化センター 中ホール
2018年6月3日(日)北海道・わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)
2018年6月9日(土)宮城・トークネットホール仙台(仙台市民会館)大ホール
2018年6月15日(金)大阪・オリックス劇場
2018年6月17日(日)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
2018年7月15日(日)福岡・福岡サンパレスホテル&ホール
2018年7月20日(金)静岡・静岡市民文化会館 中ホール
2018年7月27日(金)愛知・名古屋国際会議場センチュリーホール
2018年8月4日(土)長野・ホクト文化ホール

【ENSEMBLE TOUR ~フェット・ドゥ・ラ・ルージュ~】
2018年9月8日(土)千葉・幕張メッセ 国際展示場

【ENSEMBLE TOUR ~ソワレ・ドゥ・ラ・ブリュ~】
2018年9月9日(日)千葉・幕張メッセ 国際展示場

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