GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

■GACKT's 42nd BIRTHDAY PARTY
2015.07.04(SAT)シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル「THE CLUB Fuji」
(※画像30点)

「今もまだ、全力疾走で走れる自分がいます」
GACKT、42歳の生誕祭


2015年7月4日(土)、GACKTの42歳の誕生日に、ファンクラブイベント【GACKT's 42nd BIRTHDAY PARTY】が昼・夜2部構成で開催された。場所は、舞浜にあるシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル「THE CLUB Fuji」。
ロビーには、歴代の舞台衣装が陳列されていて間近に観られるほか、願いごとを書いた短冊を笹に結び付けた七夕仕様のディスプレイなども用意されていた。

ラグジュアリーなパーティー会場内に足を踏み入れると、ドレスや着物などで着飾ったLOVERS(ファンの総称)が、約8人ずつ円形のテーブルに着席。スクリーンに映し出される過去のコンサート映像を眺めつつ、コース料理を味わいながら、主役の登場を待ちかねていた。

GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

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14:50頃、GACKTの舞台にも出演している役者・古本新之輔がアシスタントMCとして登場。「昨日のパーティー(リミックス・アルバム『GACKTRACKS』のリリースイベント)にも行った人?」と問い掛けると、多くの手が挙がっていた。『GACKTRACKS』参加DJの一人で、「忘れないから」のリミックスを手掛けたROCKETMANことふかわりょうがメインMCとして迎えられると、今日の目標は「GACKTさんを(自身が司会を務める)『5時に夢中!』(TOKYO MX)に呼ぶこと」などと語って笑わせた。いよいよメインイベントのスタートである。

会場後方の扉が開くと、ベーシストのSatoを皮切りに、サウンドプロデューサー兼ギタリストのTAKUMI、ダンサーのRYO、MADOKA、DuelJewelのボーカル隼人、年齢・性別不詳と紹介されたギタリストのCHACHAMARU、ギタリストにしてGACKTの幼なじみのYOUら、GACKTの活動をサポートする“GACKT JOB”のメンバーたちが順に入場、大歓声を浴びながらテーブル間を練り歩き、ステージへと向かった。

「いよいよ兄さんの登場です!」との煽りに続き、なんと、本物のスポーツカーで会場に乗り入れるというド派手な演出……にも関わらず、シルエットが若干兄さんとは異なっているため、早々に勘付いた観客が凄まじくザワつく中、姿を現したのはDuelJewelのドラマー、ばる。「“標高”が低いんですけど…?」と、さすがの言葉のチョイスで笑わせるふかわだった。

GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

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そんな小芝居(?)で場を温めた後、本物の兄さん=GACKTが後方から扉を開けて華々しく登場。ダークスーツにオールバックでキメ、貫録満点。
香りの軌跡を残しながら、LOVERSの手が方々から伸びる中、大歓声の中ゆっくりと練り歩いて前方のステージに到着。「(客席を歩いて来る間に)指輪を1本、盗まれました。今日ここに集まったみんなはドロボー(笑)。僕もまた、君たちにとっての恋ドロボーということで、最後まで楽しんでいってください」と挨拶すると、大きな拍手が湧き起こった。

8人のメンバーが横一列に座り、その向かって右手にあるゴージャスなソファにGACKTは鎮座。早速「『MOON SAGA -義経 秘伝- 』シリーズ大喜利大会」がスタートした。お客さん参加型大喜利ということで、いちばん面白い結果を出すであろうメンバーをテーブルごとに予想。面白くなかったメンバーを選んでしまったテーブルは、連帯責任でセンブリ茶を飲む、という罰ゲームが用意されていた。

YOU、ばる(「お前たちに恥はかかせねーよ!」と豪語)の名前が書かれた紙を挙げるテーブルが多く、その様子を見渡したGACKTは、「CHACHA(MARU)が出て来た時は(歓声が)すごいな、と思ったのに、誰も(名札を)挙げてない」と微笑。さて、結果はいかに……? 

GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

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第一問目は、『MOON SAGA』のキャラクター“闇の住人”のシルエット写真を見て、「○○の住人」という名称に当てはめて大喜利回答をする、というもの。「ゴミ屋敷の住人」(RYO)、「のび家の住人」(YOU)などの答えで会場が笑いに包まれる中、CHACHAMARUが「みんなで10人」「合計10人」などと変化球を畳み掛けると、GACKTは手を叩いて大爆笑。「予想外だね~! 年の功かな?」とCHACHAMARUを称賛した。


続けて、登場人物やセリフにちなんだ設題で大喜利を展開した後、5問目では、劇中で義経が悪夢から目覚める場面をVTRで鑑賞。その後CHACHAMARUがした“少し不思議なこと”を思い出して再現せよ、とのお題が提示された。記憶力と創造力を駆使しながら、身体を張った珍回答を繰り出して行くメンバーたちに、「一発ギャグ披露大会じゃないですよ?」とふかわ。

GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

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難問だったのか、メンバーは苦戦・撃沈し続ける中、Satoが「流れ的に、GACKTさんへの愛情を伝えたと思うんですよ!」と自信あり気にコメント。その後、あまりに長いタメがあったため、「早くやれよ!(怒)」とGACKTからの突っ込みが入る場面も。萎縮して「違う気がしてきた……」としどろもどろになるSatoの姿がまた、笑いを誘う。最終的に、CHACHAMARUが前へ出て、カツラを着用した上で“正解”を実演。一連のグダグダとも言える展開を振り返り、GACKTは「今の最後の(Satoの)やつが一番傷ついた。(仕切り役の)ふかわくんが一番大変だと思う」とMCをかばってみせた。

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勝者を選ぶにあたり、一番面白かったのは?と問われたGACKTは、「まぁ、年の功かな? CHACHA(MARU)かな?」と返答。CHACHAMARUは両手で歓喜の投げキッスを放つ。逆に、「あまりよろしくなかった人は?」との問いに、「貢献はしてると思うんだけどね……総合的に言うと一番ダメだと思う。
MADOKAだね」と指名。MADOKAを選んだテーブルのお客さんは全員起立し、GACKTとジャンケン、残ったチームがMADOKAと連帯責任で罰ゲームを受ける運びとなった。

センブリ茶乾杯の音頭をとったMADOKAは、「GACKTさんとジャンケンできただけでもありがたいと思え!」という暴言めいた発声で笑わせた後、「誕生日おめでとうございます! 乾杯!」とセンブリ茶をあおり、「苦い!」と絶叫。GACKTは、汗ジミをつくったMADOKAを「背中の一部だけ汗かき過ぎ! 蛇口ついてるだろ?」といじる。メンバーの回答に笑ったり、呆れたりしつつ、終始表情をクルクルと変化させていた楽しげなGACKTの姿が印象的だった。

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続くコーナーは、開催が待たれる『LASTVISUALIVE』への起用を求めたメンバーによる自己プレゼン大会。まずはCHACHAMARUからスタート。「驚異の55歳。でも高見沢(俊彦)さんよりは下です」「日本で3本の指に入るギタリスト by GACKT」など、履歴を紹介していった。

GACKTとCHACHAMARUの関係を軸とした人物相関図が映し出されると、「夫婦みたい(笑)」との笑い声が湧く。GACKTと共に活動した稼働日数の変遷を示すグラフや、GACKTと顔を寄せ合う熱いステージ写真などを用いながら、面白おかしくプレゼンを展開していく。

また、ライバルTAKUMIを起用した場合のデメリット一覧には「ガク(GACKT)にビビりすぎ」「気に入られようと必死」など、あから様なけなし文句が……。
それを受け、「ほぼほぼ、合ってる(笑)」とのGACKTのコメントが、会場を一層湧かせる。CHACHAMARU起用によるメリット「テクニックがすごい!」を実証するため、ライトハンド奏法を含めた超絶速弾きを披露した場面では、大拍手が起きた。「途中から高見沢さんに見えてきた」とはGACKT評。

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プレゼンの結果、採用・不採用・保留の札から、GACKTは「保留」をチョイス。この調子でプレゼンは続き、TAKUMIは、日本屈指のベーシスト鮫島秀樹を父に持つ“神の子TAKUMI”を自称。ベーシスト界ピラミッドの図を用いてSatoが底辺に位置すると指摘し、「ギタリストの枠は諦めてますから、ベース枠しかない!」と、パート替えをしてでも起用を目指すなりふり構わぬスタンスを強調。GACKTは「TAKUMIを起用するなら…お父さん(のほう)かな?」と笑わせた。

続いて、「僕がGACKTにとっていちばん重要な人物だと思います」とプレゼンを始めたのは、YOU。本人を差し置いてミュージックビデオで主演した経験などをアピールした末に、「でも、みんなで出たい! デメリットの言い合いなんて、おかしいと思いませんか? メンバー全員が出てこそGACKT JOBだと思うのです」と熱弁。リーダー不在を指摘し、「これを機に、私がリーダーに立候補します! ギタリスト出演料+リーダー手当もぜひ別途出してほしい」との待遇を要求。

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さらには、“2代目GACKT”襲名を提案し、「GACKTが引退するんじゃないか?との心配の種を消してあげます」と大胆発言。襲名後を思わせるコラージュ写真が映し出されると、会場は大爆笑。
「一度やってみたらいい。リーダーがどんなにしんどいものか。たぶん、リハーサル4日目ぐらいで泣いて謝って来ると思う(笑)」とGACKTは笑わせた。(この後、ばるによるプレゼン映像は、『もう1回出直して来い』とGACKTが一蹴。ばるは本気で心が折れた様子を見せていた……)。

GACKT 42歳の誕生日パーティーに潜入/イベントレポート

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続けて、隼人・ばる出演/YOUがナレーターを務めるVTR映像を上映。GACKTの友人たちを訪ね歩き、その場でガンダムのイラストを描いてもらい、誕生日プレゼントにしよう、という企画のドキュメントである。VTRにはゴールデンボンバーの鬼龍院翔(Vo)、紀里谷和明監督、南海キャンディーズの山里亮太が順に登場(彼らが絵を描いている間、DuelJewelの二人はワサビ入りドラ焼きを食べさせられるなど、仕掛けが盛り込まれていた)。それらのイラストをコラージュし、さらには、GACKT JOBのメンバーが描いたものも加えた状態でプレゼントされた。

GACKTが「これ誰が描いたの?」「上手だね!」などと感嘆していると、スティービー・ワンダーの「ハッピー・バースデー」に乗せてケーキが登場。照れ臭そうに微笑んでいたGACKTは、ロウソクを吹き消し、「これ、後でみんなで食べてね。ホントに、こんな風にお祝いをしてもらえるのはうれしいことで……」と真顔で語りながら、手ではロウソクをケーキからどんどん避け始める。
「ホントに、感動するっていうか……だよな、MADOKA?」の言葉をきっかけに、MADOKAはケーキにダイブ! 顔を生クリームで真っ白にしながら、「美味しいです!」とコメントした。

GACKTがイチゴを頬張り始めると同時に、お祝いコメントVTRの上映が始まった。一組目は氣志團だ。NHK紅白歌合戦で共演した際、ボンタンの「ワタリ(太もも部分の幅)いくつ?」(GACKT)/「あ、50(cm)です」(綾小路翔)というやりとりがあったのだとか。学生時代、GACKTはボンタンの裾が車輪に巻き込まれ、自転車ごと田んぼに落下。泥だらけになった想い出話を紅白開演前に明かしたそうで、「なんてチャーミングな方!」(綾小路)と思った、と懐かしんだ。

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続いてコメントを寄せたのは、HYDE(L'Arc~en~Ciel、VAMPS)。おっとりとした口調で、「42歳、厄年だね。厄払いは行ったらいいと思うよ?」とのアドバイスに始まり、「科学では証明されてないことがまだあるから……」と展開するトークに、GACKTは「関係ないから!(笑)」とVTRにかぶせてツッコんだが、表情は満面の笑みで、心底うれしそうだった。

パーティーは終盤を迎え、メンバーから歌のプレゼントを……との運びとなったのだが、「昨年の嫌な思い出がよみがえる……」と額に手を置き、リアルに具合の悪そうな表情を浮かべるGACKT。本人をセンターに据え、オケに合わせて♪真夜中に……と隼人が「memories」を歌い出し、CHACHAMARU、ばると、次々に歌い繋いで行く。サビを担ったMADOKAは全く声が出ず、それを聴いたGACKTは膝から崩れ落ちてしまった。「なんなんだ、お前は! ……っていうか、お前ら、もうちょっと練習しろよっ!」と呆れ果てた様子。

当然、続いて出て来たのは「兄さんの歌、聴かせてくださいよ」の声だ。GACKTは「ホント、やりづらい」とボヤきながらも、艶やかで凛とした、誰にも真似のできない歌声でしっかりと歌唱。歌い終えると、「一言、いいですか? 自分の誕生日で、最後自分で歌って締めるの、おかしいと思う」と納得が行かないようだったが、「LOVERSの皆さんに一言」とふかわに促されると、それまでのお祭りムードから空気が一変。

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「……何とか42歳になりました。僕はヴィジュアル系という縦の世界の中では一番下だったから、年を言うのが嫌で。先輩ヅラされるのが嫌で、“56歳”と言っていた。そのうち“440歳”とかいう話になって、実年齢が分からなくなって行って。でも、30代後半になった時、改めて自分の年齢に気付いた時、“いつまでできるのかな?”と正直、思ったんだよね」と述懐。

「ペースを分けて走るのは自分に合ってない」と生き様を語りながら、「今もまだ、全力疾走で走れる自分がいます。それも、こうやって応援し続けてくれるみんながいるから。簡単な感謝の言葉では言い表せないけど、ありがとう」と、真っ直ぐな言葉を届けると、じっと聴き入るLOVERS。

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「やっと【LASTVISUALIVE】がまとまって来ている中で、曲がどんどん完成しています。みんなも、あまりの感動に心臓が止まらないように、心と体の準備をしてください。本当にありがとう!」と締め括った。優雅に手を振り、ステージを去っていくGACKTを、LOVERSは手を振り返しながら、いつまでも名残惜しそうに見送っていた。

「さっきまでふざけ合っていた時間が、残像のよう」というふかわのコメントは、観ているこちらの実感にとても近かった。「『5時に夢中!』に、(GACKTは)出ますかね!?」(古本)/「この後交渉します!」(ふかわ)との掛け合いで湧かせ、昼の部が終了。真剣な言葉と本物の歌で射抜きながらも、終始笑いに満ちた賑やかなパーティー。時計を見ると、予定を1時間以上超えていて驚いた。GACKTの飾らない素顔に触れることのできる、貴重な時間だった。
(取材・文/大前多恵、撮影/田上知枝)

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≪リリース情報≫
Remix Album
『GACKTRACKS -ULTRA DJ ReMIX-』
2015.07.01リリース

【GACKT STORE限定盤】CD+DVD
GLCD-00012/B / ¥5,800(税抜)
※LPサイズ特別仕様ジャケット
※ポスター型歌詞カード収容
【通常盤】CD
GLCD-00013 / ¥2,800(税抜)

≪関連リンク≫
GACKT オフィシャルサイト
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