■奥田民生 2013ツアー“SPICE BOYS”
2013.11.28(THU) at 中野サンプラザホール
(※画像8点)

アルバムタイトルが『O.T Come Home』、しかしツアータイトルは“SPICE BOYS”。ステージ上は何となくメキシカン的雰囲気は漂っているものの、今ひとつ繋がりを掴めない。
いや、元より繋がりなんて考えていないのか…?など、裏の裏を考えている間にライヴはスタート。オープニングはPUFFYに提供した「マイカントリーロード」。続く「青春」と共に、奥田はブルースハープを吹きながらの演奏だ。ゆったりと、どこかセピアの空気が漂う空間に、心地良く身をゆだねる。

4曲を終えると最初のMC。「昨日と今日とで、ここ中野サンプラザでやらせて頂いてます。
やっぱり歴史のあるところなんでね、昨日からいい感じでやらせてもらってるんですけども」という前置きからサンプラザの思い出話へ。「ここはユニコーンでチラッとやったり…ラウドネスを観に来たときは、1階の一番後ろで観てたんですけど、あまりの音のデカさに壁に張り付きました(笑)」そんな彼の話に、場内がよりなごんだところで、「スカイウォーカー」へ。6曲目「荒野を行く」では、タイトルの通り、広大な荒れ野へたたずむようなスケール感ある音が聴き手を圧倒していった。

8曲目の「チューイチューイトレイン」はアルバム収録の新曲。シンプルなAメロ、キャッチーなサビ、それらを軽快なロックンロールに乗せ聴かせたり、次の「3人はもりあがる(JとGとA)」は一転してジャジーでそこはかとなくけだるいアプローチで耳に迫ったりと、さりげない緩急で観客を惹きつけた。

後半戦は「悩んで学んで」や「MILLEN BOX」など懐かしい曲たちなども披露。
時を重ねることでの深みも増した曲たちは、当時の感覚を思い起こさせてくれると同時に、今現在の奥田民生というアーティストの円熟度も感じられる。ラストは「拳を天につき上げろ」で華やかに幕を下ろした。そしてアンコール。メキシカン(最初の印象は間違っていなかった様子)な帽子やポンチョなどをまとってメンバーが登場、「なんでもっと」「マシマロ」を聴かせるが、鳴りやまないアンコールに再び登場。実はこの日オープニングアクトに住岡梨奈が登場していたのだけれど、ここでもう一度ステージへ。奥田たちの演奏で、彼女がカバーした「夕陽ヶ丘のサンセット」を演奏してくれた。
「楽でいいな、自分が歌わないのって。次はボーカルを入れよう」などと言いながら、最後は「イージュー☆ライダー」で締めくくり。気心の知れまくったMTR&Yのバンドメンバーたちと魅せてくれた、安定感たっぷりのハッピーなステージだった。
(取材・文/向出早那)

≪セットリスト≫
1. マイカントリーロード
2. 青春
3. ツアーメン
4. カイモクブギー
5. スカイウォーカー
6. 荒野を行く
7. ちばしって
8. チューイチューイトレイン
9. 3人はもりあがる(JとGとA)
10. いつもそう
11. あくまでドライブ
12. スルドクサイナラ
13. 悩んで学んで
14. 風は西から
15. MILLEN BOX
16. イナビカリ
17. まんをじして
18. 御免ライダー
19. 拳を天につき上げろ
<アンコール>
1. なんでもっと
2. マシマロ
3. 夕陽ヶ丘のサンセット
4. イージュー☆ライダー

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