■SUPER JUNIOR WORLD TOUR“SUPER SHOW 5” in SEOUL
2013.03.24(SUN) at 韓国・ソウルオリンピック公園 体操競技場
(※画像13点)

記者会見終了後、すぐにライヴ会場へ向かうと、屋内としては韓国最大級の集客を誇るソウルオリンピック公園 体操競技場は、観客が持つパールサファイアブルーのペンライトですでに埋め尽くされていた。そんな中、ステージ中央の巨大ビジョンに映像が流れ出すと大歓声が上がり、思わず「わっ、カッコイイ」と声を出してしまったサプライズな演出でメンバー9人が現れると、約3時間に及ぶ【SUPER SHOW5】がスタートした。
まさに、絶賛ワールドツアー中なため詳細を伝えることが出来ないのがとても残念なのだが、とにかく目の前で繰り広げられるさまざまなパフォーマンスに目も耳も心もを奪われてしまい、あっという間に終わってしまった。曲が始まるごとに、「あっ」とか「わっ」とかつい言ってしまう驚きがあり、これまで音源として聴いていた曲が、何倍も何十倍も魅力が増している。彼らが表現者として、エンターテナーとして一流であることがわかる。前回の【SUPER SHOW4】同様にSuper Junior-Mなどのユニットの楽曲や、ソロパフォーマンスもあり、会見でシンドンが語っていたお笑い!?コーナーもあれば、メンバーの演技も観られる映像も何パターンもあり、観る側も休んでる暇が無い(笑)。昨年、韓国でリリースされたアルバム『Sexy, free & Single』の楽曲だけでなく、新旧織り交ぜた多彩なセットリストで、これまで何度か【SUPER SHOW】を観ている人も、今回が初参加の人も楽しめる内容となっていた。

主観的なメンバー個々の見所を言えば、ドラマのOSTとして注目された「(  )」で唯一無二の歌声を改めて感じさせてくれたイェソン、久々のステージに感極まりながらも、優しい歌声を聴かせてくれたカンイン、持ち前のユニークさで笑いを取りつつ、キレのあるダンスでカッコよさを見せつけていたシンドン、見てるだけでこちらも微笑みたくなる可愛らしい笑顔と、その美貌を有効活用!?し……(詳細は会場で!)していたソンミン、ダンスパフォーマンスは言うまでもなく、トークでも個性豊かなメンバーをまとめ、新たな一面を見せてくれたウニョク、鍛え上げられた肉体を惜しげもなく披露するも、そのセクシーさとは裏腹なキュートさでも観客を夢中にさせていたドンヘ、何でも真面目に取り組む姿が時に胸を打ち、ときには笑いもを誘う!?(こちらも詳細は会場で)シウォン、圧倒的な歌唱力で歌では堂々とした男らしい姿を見せながら、それ以外の場面では何をしても愛らしいリョウク、甘い歌声と鋭いトーク力という“ツンデレ”で観客の心をがっちり掴んでいたキュヒョン、そして、Super Junior-Mのメンバーながら、今回のライヴではそれ以外での活躍も見せたチョウミ、ヘンリー……一人ひとりが魅力的な個性を発揮していた。
さらにそれがまたグループとして融合したときには違った魅力を持ち、一度観ただけでは消化しきれない盛りだくさんのライヴだった。

また、SUPER JUNIORと言えば、メンバー同士の仲の良い軽快なやり取りが繰り広げられるMCも見どころの一つ。アンコールのMCで、シンドンが「【SUPER SHOW6】で会いましょう。ありがとう」と挨拶すると、すぐにドンへが「アンコール公演、やるべきじゃない?」と提案し、キュヒョンも「今日、(事務所の)社長がいらしてるからね」とニヤリ。ウニョクが「キュヒョンと社長が真ん中のステージに行って、一杯やりながら話しなよ」などと茶化すと、真面目なシウォンが「話がそれちゃったね」と話しを戻そうとする。だが、ソンミンが「スタッフ、メンバー、みんなが苦労したけど、特にシンドンとウニョクが自分を犠牲にしてまで頑張ってくれました」と話すと、またもシンドンがふざけて「もっと言って」とねだり、ウニョクも「報酬をちょうだい」と乗っかってくる(笑)。
メンバーが次々とボケとツッコミを繰り返すので、なかなか話が終わらない。

とはいえ、もちろんいつもふざけてばかりいるわけではない。それぞれにファンへ熱い想いを語る場面もあった。
「あっという間でした。ホントにあっという間に過ぎてしまって残念です。幸せな2日間でした。
たくさん愛して、楽しんでくれてありがとうございます」(カンイン)
「今日のライヴは本当に色々と考えました。実は、リハーサルのとき、メンバーは喉、膝、腕……と、正直起きるのも辛いくらいしんどかったんです。でも、頑張れたのは皆さんの力です」(シンドン)
「韓国からスタートしましたが、僕らの音楽を世界の色々な国に広げて、ファンの皆さんと楽しんできたいと思います」(ソンミン)
「この会場で6、7年ライヴをしていますが、涙や喜び、幸せ、感動があって、皆さんのおかげで泣いて笑って、1日1日を過ごせました。これからも皆さんに素敵なライヴ、アルバム、作品をお届けして、一歩一歩皆さんに近づいていきたいです」(ドンへ)
「【SUPER SHOW5】、このソウル公演を1つ目の停留所と表現したいです。その1つ目を無事終えることが出来て、皆さんの応援に感謝しています。次の停留所(南米)は僕らが初めて行く場所で、ドキドキしています。
さらに皆さんの応援が必要なので、たくさん応援してください」(シウォン)
「今日のライヴはみんなと一緒に過ごせたことだけでも感動しました。またソウルで会いたいです。その間に、浮気しないでね! 浮気したら泣いちゃうよ!」(リョウク)
「ライヴ前はいつもお祈りします。僕、メンバー、スタッフ、この場に来てくれる皆さん、誰ひとり怪我することなく最後まで楽しんで、家に帰って、『今日は良かった』と思えるように、力をくださいとお祈りします。今日は家に帰って、そう思えると思います。皆さんも『今日はSUPER JUNIORのライヴ、楽しかったなぁ』って思ってもらえたら嬉しいです。
愛しています」(キュヒョン)
そして、メンバーをまとめてきたウニョクが「いつもだったらイトゥクさんが最後のコメントを言っていたけど、正直、イトゥクさんなしで準備をしながら、とても心配でプレッシャーを感じました。でも、“SUPER SHOW”1~4を通して得たノウハウを活かして、みんなで頼りあって、成功裏に終えることができました。メンバーが軍隊に行ったり、帰ってきたり、変化があっても、やっていけるという想いが強くなりました。未熟な部分を埋めながら、いないメンバーの分まで頑張りますので、たくさん応援してください」と最後を締めた。

……日本のファンにとっては残念な知らせとなってしまったが、この日のステージが兵役による芸能活動休止前の最後のライヴとなったイェソンは、自らの想いを溢れる涙を堪えながら語った。
「改めて、1日1日、皆さんと会う時間が大切だと感じました。
海外のライヴだと、メンバー一人ずつの挨拶が退屈で、長く感じることもあるんだけど、今日は短く感じます。(涙を流す)最近は涙もろくて……2005年に皆さんと会って、今まで本当に幸せな時間をたくさんくれて深くお礼を言いたいです。ステージでみんなと会って、歌う時間がこんなに大切だったことを忘れていました。みんなと会うことが当たり前だと思っていたし、会ったらただただ嬉しかったし幸せでした。こんなにも切実なものかとやっと気付きました。僕は5年間練習生として過ごして、デビューして8年を皆さんと共に過ごしてきました。僕がグループから離れる時間は、それよりもずっと短いと思います。きっとあっという間です。SUPER JUNIORのメンバー、こんなかっこいいメンバーはどこにもいません。これからもメンバーを大切に思ってあげてください。【SUPER SHOW5】はここからがスタートです。メンバーがもっと成長していくには、皆さんの愛が必要です。これからもSUPER JUNIORをたくさん愛してください。僕も皆さんのことを忘れないから、みんなも僕を忘れないでください。愛しています!」

この後、キュヒョンの呼びかけでメンバー全員が円陣を組み、イェソンのソロ曲「君じゃなきゃだめだ」を会場のファンとともに歌った。皆、涙声になりながも、イェソンへの想いを歌に精一杯込めていた。ステージを後にする際、イェソンは何度も何度も観客席を振り返った……最後は、その光景を一瞬でも長く目に焼き付けるかのように客席をじっと見つめると、想いを振り切るように背を向け足早に去っていった。2年後、また彼の名前の由来にもなっているその芸術的な声を聴ける日まで、必ず待っていると会場にいたすべての人が誓ったことだろう。

イェソンが5月に入隊し、すでに4月末の南米公演より(チョウミ、ヘンリー含む)10人での【SUPER SHOW5】がスタートしている。ウニョクが「変化があっても、やっていける」と誓っていたように、さらにパワーアップしたステージを各国で繰り広げ、大盛況となっている。イェソンが残した「メンバーがもっと成長していくには、皆さんの愛が必要です」の言葉にならい、7月の東京ドーム公演では日本ファンから多くの愛で迎え、さらに素敵なショーとなること期待したい。
(取材・文/瀧本幸恵)

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